第21話 魔王復活! (3)

 そう思うと儂は、前世のこやつらの主君として本当に情けない。


 この儂、魔王董卓は、あの何進すら恐れ慄いていたのに。


 こやつらは他校余所者に舐められて、儂は『父ちゃん情けなくて涙がちょちょぎれそうじゃ……』と嘆きたくなる衝動に駆られくらいだ。


 だから儂は、この場にいる情けない者達に対して、皆折檻じゃ~!


 儂が自らこの手で折檻をしてやるから、皆、覚悟せぇ~! と自身の脳裏で嘆き、愚痴を漏らせば。


「時空の狭間ー! 召喚ー!」


 儂は自身の利き腕を天井へと掲げ──呪術を展開……。


 儂はこの部屋の天井から漆黒の闇の空間の召喚を始めだす。




「牛輔ー! 李傕ー! 郭汜ー! 逃げてぇ~!」、

「そしてクラスの皆もこの教室から早く逃げてぇ~! 魔王が復活したからぁ~!」


 儂が乗り移ったデブの異変に李儒先生が直ぐに気がつき、慌てて昔馴染みの三馬鹿トリオに逃げるようにと下知を出したが、もう遅い! 何もかも遅いから!


 儂の口から「わっ、ははは。もう遅い。死ね、牛輔~!」と笑いながらの声が漏れれば。


『ドン!』だ。


 儂の魔力を込めた真っ赤な右足の回し蹴りが牛輔の腹部に当たり。大きな打撃音と共に牛輔の巨躯は部屋の隅へと飛んで行くのだ。


 あいつの口から絶叫すら吐かれない状態で、そのままあいつの巨躯は壁に激突するから。


 その後は『ガシャン!』と良い鋼の音を立て──牛輔の巨躯は机と椅子の上に力無く落ちていった。



 ◇◇◇

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る