第22話 魔王無双! (1)

「おりゃあああっ!」、

「うりゃぁあああっ!」だ。


 儂が吠えに、吠えれば。


 この部屋の床でもう既に横たわり「うぅ、ううう」と悲痛な顔で呻る牛輔の声が消え、あいつの横たわることすら忘れる程この室内から。


「きゃぁ~!」

「助けて~!」

「誰か~?」

「誰か助けて~!」

「誰か助けてくれよ~!」と。


 この部屋にいるガキ達の恐怖に怯え、恐れ慄いている様子での絶叫、嘆願、奇声があがる刹那状態になる程儂は無差別に部屋の者達を攻撃──。


 そうこの儂の左の腕に呪術で召喚された真っ赤な光の小弓で部屋に居る、逃げ回るガキ達を男女問わず真っ赤な光の矢で次から次へと射貫き、狩りして殺害していくのだ。


 だからガキ達が自身の顔色を真っ青にさせ、涙を流しながら、叫び──。絶望しながら兎や鹿、猪のように逃げる様子が可笑しくて仕方がないから。

 儂は自身の顔を緩ませ、目尻を下げ、嬉しそうに「ひっ、ひひひ」と笑いながら狩りを楽しむ。


 まあ、儂は楽しんでいた。


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