第17話 僕はとうとう切れてしまう(1)

「うぉ、おおおっ!」、

「うがぁ、あああっ!」、

「ぎゃぁ、あああっ!」だよ。


 教室の床でトドのようにのたうち回る僕の口から絶叫! 雄叫び! 叫びが放たれる──!


 そして「ふん、ごぉ、おおおっ!」、「ふん、がぁ、あああっ!」と僕は鼻息荒く奇声を上げながら、その場でいつまでもトドになり、寝転がる行為を辞めるべく。

 僕は自身の奥歯を『グッ!』と噛みしめながら立ち上がる。


 だから僕の巨躯を今迄踏み、蹴りしていた三人……。牛輔と李傕、郭汜の三馬鹿トリオも僕の足跡だらけの身体を見詰めつつ唖然、呆然としながら見詰める。


「…………」


 まあ、僕の身体を踏み蹴りしていた三人がいつもと違う行動をおこなった者──。僕の容姿、様子を見て驚愕し、無言になる訳だから。

 常日頃から僕の虐められる様子を見て見ぬ振り……。素知らぬ振り……。



 時には三馬鹿トリオを率いるヤンキー兄ちゃん達や張繡さん率いるヤンキー姉ちゃん達と一緒になって僕の事を罵倒し、侮り、嘲笑いもおこなっていたクラスメイト達も。

 僕のこの素晴らしい雄姿に注目しながら唖然、呆然としつつ注目だ。



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