　そして終わると僕は慌てて自分の教室内へと足を踏み込んで、李儒（リちゃん）の許へと今日も向かう。

　だから『ドン！』と教室内で大変に物々しい音……。大変に鈍い音が鳴り響くから、教室内の騒めきが『シーン』と静まり返り。大きな音を出した僕……。

　そう、今日も第二の検問所……。

　それもこの特進科のクラスの生徒ではなく、家の学園の悪の巣窟である張繡さん達ヤンキー姉ちゃん達と同じく、スポーツ科のヤンキー兄ちゃん……巨躯の牛輔君が床の上で、

「いた、たたた……」と悲痛な顔で声を漏らしつつ、トドやアザラシのように転がる僕の事を侮るように見詰め、嘲笑いしながら。

「くっ、くくく。おせぇんだよ。仲穎～。今日も李が御怒りだぞ～」

　彼、牛輔君は今日も僕の足を引っ掛け──。ダイブさせ転がし、床でコロコロと転がる僕の様子を見ては、彼は大変に満足……。自身の口の端を吊り上げ、意地悪そうに微笑むのだった。

　◇◇◇

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