傷のなめ合い・依存心のなすり合いに、未来は、ない。

与方藤士朗

傷のなめ合い・依存心のなすり合いに、未来は、ない。

わしが、おまえらに現実¥というものを教えてやるよ¥!


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アホどもは、家庭というものをことさらありがたがる。

それは実のところ都会も田舎も関係なさそうだが、

田舎の方が、その傾向、強いみたいね。


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何々家(け)がどうとか、何々家のためにどうとかこうとか。

あのアホどもはなぜ、そんな概念をひたすら持ち出すのか。

戦前の家制度のかじり損ないのそれをもってすれば、

世間と称する周囲の盆暗共と何となく歩調を合わせられて、

テメエの能力のなさを隠せ、家庭人としてみてもらえるから。


でも、しょせん「何となく」なのが、あのアホどものアホたるゆえんよ。


テメエの不作為をうやむやにして、相手に同じ枠を持たせて、

その構成員となるであろう者=相手の子 に託せとか何とか。

そういう姑息な言動をするアホどもには、絶好のツールなのである。

無論、子どもに自分の出来なかったことを託すことを否定はしない。

だが、そんなものは他人風情が相手にホザき求めることでは、ない。

断じて、ないのである! ワカットンノカ、そこの理想泥酔者!


テメエがいかに生きていくかも確立できねえのに、

所帯を持ての子どもに託せだのとホザいてテメエの不始末を押し付ける。

そういった言動をする雑魚たちには、

この家制度は魔法のカードにも勝る優れたツールなのである。

もっとも、その魔法のカードのツケはいつか払わねばならんのだけどな。

ワカッテル?


私はあなたが憎いのではない。ためを思って言っているのよ!


とまあ、こんな調子でなぁ、

テメエの盆暗加減は、何とか家っていう枠があれば、弾除けにも免罪符にもなる。

今言ったような言葉を言えば、これ、魔除け虫よけじゃれ合いやろうよの合図。

こんな言葉でも発していれば、もう、がっちり!

ローマ教皇つながりの謎の坊主から訳の分からん札を買う必要もない。

安上がりで、ぬるま湯銭湯への入湯料が得られるのよ。

世の中が厳しいとか社会は云々と、わかった口というか愚痴をいいながら、

アホどもは、ぬるま湯銭湯に今日も来る。


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そのぬるま湯銭湯では、傷のなめ合いと依存心のなすり合いが横行しておる。

否、奨励されているのである。

そうして寄り添い合ってじゃれ合って、なかよく、暮らしていけるのです。


え?

なかよしはセーラームーンとプリキュアで足りているって?!

そんな変なことを言う嫌味なインテリおじさまは、ぬるま湯にはいません。

良かった良かった。

今日も平和だいい湯だな、はは~ん!

ってか?


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個人主義を徹底して我が道を突き進むあの青年のようなことまでしなくても、

このぬるま湯銭湯に来れば、傷もなめあえて依存心で癒されるじゃないか。

なんで、そんなつれない人生を歩み続けるのだろう。

婿養子でもいいではないか、結婚して仲良く暮らせれば。地域とうまくやって。

その家を盛り立ててやったらいいではないか。

月に代わってお仕置きなんてつれないこと言わないでよぉ~。

人間って、いいものじゃないか。人間としてよければ、それでいいじゃないか。

日本の昔ばなしって、ほのぼのとして、勉強になるわねぇ~。

ってか?


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ひたすらおめでたい御仁らであるとは、或作家氏の弁。

それが正しい見立てかどうかは、さしあたり置いておく。


今日も、ぬるま湯につかるアホどもは、わかった口を利き合っている。

ま、アホどもの言葉にさしたる意味も効能もない。

その場限りの慰安の言葉。気休め、ともいう。

実は気休めにすらなっていないのだが、それに気づかぬアホどもクオリティー。

雑魚加減ダボハゼも裸足で逃げ出すレベルのアホどものつかり泳ぐぬるま湯を、

彼は今日も、意図的に熱くなるよう仕掛けている。


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薪をくべなくてもよい。ガスを使うまでもない。電気は、少しばかりいる。

でも、電気代なんて、まとめてもどうせお化けちゃんでおつりがくる程度。

あ、今、あのお化けちゃんと同じ仕事、やっていますね。あのお札の人と。


安楽椅子前のノートパソコンの画面に、ぬるま湯の音頭が表示されている。

あ、温度でした。ごめん、ごめん。


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あのアホどもが茹で上がるのも、もうすぐだろう。

茹で上げたところで、売物にもならんクズばかりだが。

あとは産廃にでも任せて、わしは、わが道を突き進むのみ。


彼の破壊力のあり過ぎ感は、彼の母によれば、半端ないとのこと。

そろそろあのアホども、世の中は厳しいとか何とかうなりながら、

ゆで上げられかけて湯船から飛び出す頃や。

どうせ、湯船周りで傷のなめ合いか。アホラシ。


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いやあ、今日はなんか、湯が熱めじゃなー。

まあ、こんな日もあるわぁな。世の中ってこんなものよ。

家に帰ってゆっくりしてーなー、早いとこ。

うちに帰ったら、ニョーボも子どももおって、・・・。

親の介護は大変じゃーけど、・・・。

ヨメとシュートメが云々・・・。

うちの旦那の稼ぎが云々・・・。

うちの子、天下のO大学に受かるかしらぁ~?


どうせ、そんなことをホザき合いながら、熱くなった湯を避けて、

水で熱さを薄めて体にかけて、

ぼちぼち、しのいでいるのでしょうよ。

傷のなめ合い・依存心のなすり合いの言葉を交わしながら。


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そろそろ、この辺で辞めといてやろうか、今日のところは。

せいぜい、飛び出せ、性春(セーシュン)の洗い場へ!

ってか?


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個人主義の社会の水は、なかなか、よく効くわい。

毒!にも薬¥にもなるぜよ。


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今日のは、われながらなかなかの薬になったかな?¥

明日は、どんなの発信! してやったものかいな¥?

どんな効能書きを用意してやろうかな、あのぬるま~湯銭湯に。

セヤ、コンナンドナイヤロ?¥


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傷のなめ合い・依存心のなすり合いに、未来は、ない。

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傷のなめ合い・依存心のなすり合いに、未来は、ない。 与方藤士朗 @tohshiroy

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