第8話 新たな希望

市議会でのプレゼンが失敗に終わり、観光課のメンバーは会議室に戻ってきた。みんなの顔には疲れと落胆の色が見えていた。


翔太がため息をつきながら、「やっぱり予算の壁は高いな…。どうやって突破すればいいんだろう」とつぶやいた。


涼介も肩をすくめて、「1億円なんて、どこから湧いてくるんだか…。市議会の議員たちもなかなか手強いな」と嘆いた。


しかし、香織は諦めずに立ち上がった。「皆さん、ちょっと待ってください!まだ終わりじゃないですよ。私たちにはもう一つ手があります!」


翔太が興味深げに顔を上げ、「何かいいアイデアがあるのか?」と尋ねた。


香織はニコニコしながら、「クラウドファンディングですよ!市民や全国の人たちから支援を募れば、夢の国を再生させるための資金を集めることができるかもしれません!」


涼介は少し驚いた顔で、「クラウドファンディングか…。確かにそれなら、みんなの力を借りられるな」と頷いた。


香織はさらに続けた。「そうです!それに、動画が100万回再生を突破したこともアピールポイントです。市民の期待が高まっていることをアピールすれば、多くの人が支援してくれるはずです!」


翔太はその提案に目を輝かせた。「よし、それならやってみよう!クラウドファンディングのプラットフォームを使って、プロジェクトを立ち上げよう!」


美咲も賛同し、「SNSで広報活動を強化して、多くの人に知ってもらいましょう。ハッシュタグは『#湯園地計画』で決まりですね!」


香織は嬉しそうに、「それと、支援者には特典を用意しましょう。例えば、湯園地のオープニングイベントに招待するとか、特製グッズを贈るとか!」


涼介が笑いながら、「それなら、支援者限定の『温泉ジェットコースター』の優先乗車券なんてどうだ?」と冗談を言った。


みんなはその提案に大笑いしながらも、楽しげに次々とアイデアを出し合った。


翔太はまとめとして、「よし、みんなで力を合わせてクラウドファンディングを成功させよう!これが白湯の未来を切り拓く鍵だ!」


こうして、観光課のメンバーは新たな希望を胸に、クラウドファンディングの実施に向けて動き出した。彼らの情熱とアイデアが、湯園地計画の成功を目指して再び進み始めた。

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