第7話 市議会でのプレゼン

市役所の観光課は、市議会でのプレゼンテーションのために準備を整えていた。大切な「湯園地計画」を成功させるため、彼らは全力で臨む決意を固めていた。翔太、香織、涼介、美咲は、市議会の議員たちが集まる会議室に入った。


会議室には、市議会の議員たちが並んで座っており、厳しい表情でプレゼンを見守っていた。翔太は緊張しながらも、自信を持って話し始めた。


「皆さん、お集まりいただきありがとうございます。今日は、私たちが提案する『湯園地計画』についてご説明いたします。この計画は、古い遊園地『夢の国』を活用し、温泉と遊園地を融合させた新しい観光名所を作り上げるものです。」


香織がスライドを操作し、夢の国の現在の写真と新しい計画のイラストを見せた。「こちらが現在の夢の国です。そして、これが私たちが提案する新しい『湯園地』のイメージです。観光客が増えることで、地元経済に大きな貢献が期待できます。」


美咲が続けた。「さらに、YouTubeのPR動画が100万回再生を突破し、市民や観光客からの期待も高まっています。これにより、白湯の魅力が一層引き立つこと間違いありません。」


議員たちは静かに聞いていたが、やがて一人の議員が手を挙げた。「確かに面白い計画だ。しかし、予算が1億円とはあまりにも高すぎるのではないか?それに、そんなに簡単に観光客が増える保証はあるのか?」


別の議員も口を開いた。「私も同意見だ。この計画が成功するかどうかは不確実だ。我々は市民の税金を慎重に使わなければならない。」


翔太は困惑しながらも、再度説明を試みた。「私たちは、クラウドファンディングやスポンサーシップを通じて、可能な限り外部からの資金を集める予定です。また、地元企業との連携も検討しています。」


しかし、議員たちの顔には依然として不安が残っていた。最後に議長が静かに言った。「本日の提案は、予算の承認を見送らせていただきます。再度、具体的な資金計画を持ってきていただきたい。」


観光課のメンバーはがっかりしながらも、立ち上がって市議会を後にした。


「まだ諦めないぞ!」翔太は強い決意を持って言った。「次はクラウドファンディングだ。市民の力を借りて、この計画を実現させよう!」


香織は力強く頷いた。「そうですね、まだ終わりじゃない。次のステップに進みましょう!」


こうして、観光課のメンバーは新たな挑戦に向けて再び動き出した。彼らの奮闘は続く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る