偲ぶ夜
キオク
偲ぶ夜
ひとり暮らしを始めて2年と4か月
すいた小腹を埋めるために外に出る
外は懐かしい匂いがした
10年程前の夜、父とコンビニに行った時と同じ
辺りは見渡す限り田んぼしか見えない
カエルの声が何重にも重なって聞こえる
コンビニまで直線1キロほどの田舎道
唯一あるコンビニの灯り
ただアイスが食べたい
その一心で外に出た
それだけ。
でも理由としては十分
まだ幼かった子供の頃の記憶
そんな何気ない日常を昨日の事のように思い出せる
そんな匂いがした
「...アイスでも買おうかな.....」
そう呟いた僕は懐かしいにおいに包まれた夜の街を歩く
偲ぶ夜 キオク @yumenokioku
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