第33話 モテへんやろ
昨日、誕生日を迎え、少々、焦っています。
このまま、彼女できなかったら、どうしよう。
結婚がすべてではないと、よく聞きますが、結婚できなかったら、どうしよう。このまま、ずーっと、一人ぼっちのままなのかなー?なんて、考えてます。
姉は、いま、京都にいません。
横浜に旅行中です。
気楽なもんです。もう、娘も、大学生。手のかからない年になったんでしょうね!
姉が、京都にいるときは、いつも、晩ご飯の買い物へ一緒にいきます。
施設にいる父のお世話を姉と一緒にして、帰りにイオンへ行ったり、イズミヤへ行ったり。
姉と買い物をすることが日課となってます。
姉は、家事に詳しいです。仕事のことは、兄に相談し、家事のことは、姉に相談するようにしています。
姉から、よく言われます。「モテへんやろ」
最近では、「モテへんよ?」と言い返していますが、それでも、最初のころは、困惑していました。
姉がスイーツを欲しがりました。
「もう、ええやん。お姉ちゃん。そんなん、食べたら、また、太んで!やめとき!」
そう言うと、
「モテへんやろ」
と、返ってきます。
どう思います?
スイーツなんて、ぼくは、あまり、欲しがりません。
スイーツを欲しがる、姉が、いまいちよく、理解できないんです。
それとも、スイーツを欲しがる女性のこころを理解できれば、ぼくは、モテるとでも言うのでしょうか。
バカな。
お金がもったいないだけだ!
花がならんでいます。姉に質問されます。「さあ、おまえのモテ度をチェックや!どの花がええ思う?」
「う~ん。これ!」
「モテへんやろ」
でました。「モテへんやろ」
なんだよ、一生懸命、考えて、考えた挙げ句、「モテへんやろ」です。そりゃ、ぼくは、花を選ぶセンスがありませんよ。
でも、絶対!ぼくが、彼女できないのを逆手にとって、そう言ってるだけとしか、思えません。
この「モテへんやろ」。姉の苦しまぎれの一言としか、思えないんです。
とりあえず、「モテへんやろ」と、ぼくに一言、言っておけば、姉は、ぼくにダメージを与えられる、そう思っているのではないか、としか思えないのです。
姉は、あと、一週間でやっと、旅行から、帰ってきます。長いです。
三週間も旅行です。その間、施設の父のお世話は、ぼく一人でやってました。
施設のひとには、大変お世話になっていますが、姉と、父のお世話は、施設のひとができない、散歩に連れてったり、おやつの食事介助をしようということになってます。
お姉ちゃん、旅行、長かったなあ。
お姉ちゃん、人生、楽しいやろなあ。と言ったとします。
すると、姉から、返ってくるでしょう。
「おまえ!モテへんやろ」
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