第29話 書店。

翌日、仕事があるというのに、なんの準備もせず。洗いものを終えて、ベッドにもぐります。

あ~。結婚できるかどうか、わからないけど、結婚するとなると、もう一人、この家に人間が住みはじめるんだなあ......なんか、想像してみると、ごつごつしてて、めんどくさいな~。

なんて、思う。

実際は、もっと、家事にやる気が出たり、いまとは、違う種類の孤独感も味わい、どうなるかわからないんだけど。

結婚しないと、人生が前へすすまない気がする。結婚するのも、しないのも、一つの選択だ、というのだけれど。


いつも、ベッドにごろんと横たわりながら、そんなことを考えます。


ひまだな~。


そうだ!書店へ行こう!


最近、近くの大垣書店がリニューアル工事をして、閉めました。

だから、書店にも、足が遠退きました。

なにか、変わるかも。本を読めば!

と思い、バス停へ向かいます。

外は、雨が降っていて、歩きづらい。

信号の向こうにバスが止まりました。

あ!あれ、乗れる!

早く信号、変わってくれ!信号が変わり、ダダダダダダダッと走ります。

おっと、間に合うか?

間に合いました。

しかし、バスは扉を閉め、走り出します。インターホンのベルがあるから、それを押して、止まって!止まって!と合図を出すのですが、行っちまいました。


なんだ!間に合ったのに!


残念そうな顔をしてると、後ろで待っていた男のひとが、

「いまのは、乗せてほしかったですねー!」

と言いました。全然、知らない男のひと。この残念な気持ちがわかるようです。

「ですよねー💦    はい!」

と、一言。

すると、もう一台、書店行きのバスが来ました!

これに乗っても書店へ行ける!

そのバスに飛び乗り、せっかく、残念な気持ちをわかってくれた、男のひとを置いてけぼりにして、バスは、書店へ向かいました。


そこから、三十分ほど揺られ、書店へ着き、入って行きます。


まずは、学問コーナーへ。


経済学の書籍が多くありました。


面白そうだな。入門編くらいなら、理解できそうだな。でもいいや。

経済学は、一度、分厚い本を読了したから、それで、基礎はわかっているだろう。


英検のコーナーへ向かい、すぐに立ち去りました。

トイレへ行きたくなり、すまします。

ここの書店。

トイレがあるから、便利だよね!


学習参考書のコーナーへ。

英文法をもう一度やり直したいけど、いま持ってるテキストでいいや。


小説のコーナーへ。

ロマンチックなタイトルの書籍があります。

ぼくは、書籍を買うとき、タイトルと、帯で選びます。

手に取り、一ページ目へ。そして、最初を読み、ストレスの少ないようなら、ぱっぱ、ぱっぱ、と買っていくのですが、その本は、二ページ目へ行くと、いきなり、重圧が。

やめました。


帰りにバス停で待ち、すぐバスがきたので乗ります。


座っていると、となりに中国の若い女性が二人、座ってきました。

知らないことばでしゃべってます。

日本人の若い女性なら、いざ知らず、中国の女性にとなりへ座られても、ドキドキしないなあ。

と、残念に思い、バスで家へ向かいました。

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