第11話 電子レンジを手放す

香織はキッチンの片付けを進める中で、次に手放すべきアイテムについて考えていた。キッチンにはまだ使っていないガジェットや調理器具がたくさんあり、その中でも特に大きな存在感を放っているのが電子レンジだった。


「電子レンジって、本当に必要なのかな…?」と香織は一人で呟く。


その日のランチタイム、香織は涼介と再び会うことにした。カフェでランチを取りながら、彼女は自分の考えを涼介に打ち明けることにした。


「ねえ、涼介。キッチンを整理しているんだけど、電子レンジを手放そうかどうか迷ってるの」と香織は話し始めた。


涼介は少し考え込んでから、「それは大きな決断だね。でも、電子レンジが本当に必要かどうか、一度考えてみるのもいいかもしれないよ」と答えた。


「確かに、最近はあまり使ってないし…」と香織は言いながら、電子レンジの使用頻度を思い返す。「料理はほとんどコンロで済ませているし、温め直しも鍋やフライパンでできるから、実際にどれだけ必要なのか疑問に思ってたの。」


「その通り。僕も電子レンジを持っていないけど、特に困ったことはないよ。逆に、物が減ることでキッチンが広く使えるし、料理も楽しめるようになるんだ」と涼介は自分の経験を話した。


「そうだね。電子レンジがなくても生活できるかもしれない」と香織は納得し始めた。「試しに、電子レンジなしで生活してみることにするわ。」


「それはいい考えだよ、香織。もし本当に必要だと感じたら、後でまた考え直せばいいだけだから」と涼介は微笑んだ。


ランチの後、香織は家に戻り、早速電子レンジを片付けることにした。まずは、電子レンジの周りに置かれた物を整理し、電子レンジ自体を取り外す。彼女はそれをリサイクルショップに持ち込み、売却することにした。


「これでキッチンがもっと広く使えるわね」と香織は満足げに呟いた。


電子レンジを手放した後、香織はコンロやオーブンを使って料理をするようになった。初めは少し不便に感じたが、次第に新しい調理方法に慣れていき、料理の楽しさを再発見した。


半月が経ち、香織は改めて電子レンジなしの生活を振り返ることにした。彼女はコンロやオーブンを使いこなし、新しい料理のアイデアも浮かんでいた。


「電子レンジがなくても全然困らなかったわ。むしろ、料理が楽しくなったし、キッチンも広く使えるようになった」と香織は自分の選択が正しかったことを再確認した。


彼女は涼介にメッセージを送り、電子レンジを手放した後の生活について報告することにした。


「涼介、電子レンジを手放して半月経ったけど、全然不便じゃなかったわ。むしろ、料理が楽しくなってキッチンも広く使えるようになったの!」


涼介からの返信はすぐに返ってきた。「それは良かったね!やっぱり物を減らすと心も軽くなるし、新しい発見があるよね。」


香織は涼介の言葉に頷きながら、新たな片付けの目標を考えた。「次は何を整理しようかな…」と、彼女のミニマリスト生活はまだまだ続く。


香織の毎日は、新しい発見と喜びに満ちていた。物を手放すことで得られる自由と幸福を実感しながら、彼女は次なるステップへと進む準備を整えていた。

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