第12話 冷蔵庫を手放す

香織はキッチンの片付けを進める中で、次に手放すべきアイテムについて考えていた。キッチンにはまだ使っていないガジェットや調理器具がたくさんあり、その中でも特に大きな存在感を放っているのが冷蔵庫だった。


「冷蔵庫って、本当に必要なのかな…?」と香織は一人で呟く。


その日のランチタイム、香織は涼介と再び会うことにした。カフェでランチを取りながら、彼女は自分の考えを涼介に打ち明けることにした。


「ねえ、涼介。キッチンを整理しているんだけど、冷蔵庫を手放そうかどうか迷ってるの」と香織は話し始めた。


涼介は少し考え込んでから、「それは大きな決断だね。でも、冷蔵庫が本当に必要かどうか、一度考えてみるのもいいかもしれないよ」と答えた。


「確かに、最近はあまり使ってないし…」と香織は言いながら、冷蔵庫の使用頻度を思い返す。「冷蔵庫の中身を見直してみると、賞味期限が切れた食品や調味料がたくさんあって、無駄にしていることに気づいたの。」


「そうだね。都会に住んでいると、必要な時にすぐにスーパーで買い物ができるし、頻繁に使うもの以外は冷蔵庫に保管しなくてもいいかもしれない」と涼介は提案した。


「それに、冷蔵庫がないと、無駄な買い物もしなくなるかも」と香織は納得し始めた。「試しに、冷蔵庫なしで生活してみることにするわ。」


「それはいい考えだよ、香織。もし本当に必要だと感じたら、後でまた考え直せばいいだけだから」と涼介は微笑んだ。


ランチの後、香織は家に戻り、早速冷蔵庫を片付けることにした。まずは、冷蔵庫の中身を全部出し、賞味期限が切れたものや使っていない食品を処分する。そして、冷蔵庫自体をリサイクルショップに持ち込み、売却することにした。


「これでキッチンがもっと広く使えるわね」と香織は満足げに呟いた。


冷蔵庫を手放した後、香織は必要な食材を毎日スーパーで買うようになった。初めは少し不便に感じたが、次第に新しい生活スタイルに慣れていき、無駄な買い物が減ったことに気づいた。


半月が経ち、香織は改めて冷蔵庫なしの生活を振り返ることにした。彼女は必要な食材をその都度購入し、無駄にすることなく使い切るようになっていた。


「冷蔵庫がなくても全然困らなかったわ。むしろ、無駄な食品が減ってキッチンが広く使えるようになった」と香織は自分の選択が正しかったことを再確認した。


彼女は涼介にメッセージを送り、冷蔵庫を手放した後の生活について報告することにした。


「涼介、冷蔵庫を手放して半月経ったけど、全然不便じゃなかったわ。むしろ、無駄な食品が減ってキッチンが広く使えるようになったの!」


涼介からの返信はすぐに返ってきた。「それは良かったね!やっぱり物を減らすと心も軽くなるし、新しい発見があるよね。」


香織は涼介の言葉に頷きながら、新たな片付けの目標を考えた。「次は何を整理しようかな…」と、彼女のミニマリスト生活はまだまだ続く。


香織の毎日は、新しい発見と喜びに満ちていた。物を手放すことで得られる自由と幸福を実感しながら、彼女は次なるステップへと進む準備を整えていた。

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