第8話 リビングの整理
香織は涼介の言葉に励まされながら、新たな片付けのターゲットに目を向けた。リビングにはまだ、雑多な小物が溢れていた。彼女は一息ついて、心の中で「少しずつ前進すれば大丈夫」と自分に言い聞かせながら、片付けを再開することにした。
まずは、リビングのテーブルの上に積み上げられた雑貨類に手を伸ばす。無数のボールペン、半端に残ったメモ帳、使い古したリモコンがごちゃ混ぜになっていた。
「これ、何年分のボールペンだろう…」と呟きながら、香織は使えなくなったペンを次々に処分していく。使えるペンだけを厳選し、専用のペン立てに整理する。
次に、テーブルの下に隠れていた古びた雑誌やカタログの山に手をつける。香織はそれらを一つ一つ確認しながら、「もう必要ないね」と呟きつつ、古いものをどんどん処分していった。
次に目を向けたのは、テレビの周りに散らばったガジェット類だった。謎のケーブルがあちこちに散らばっていた。
「このケーブル、一体何に使うんだっけ?」と首をかしげながらも、不要なものをゴミ袋に入れていく。
ふと、香織は棚の上に置かれた古いアルバムに目を止めた。彼女はアルバムを手に取り、ページをめくる。そこには、懐かしい思い出が詰まっていた。
「これは高校の修学旅行の写真だ…懐かしいな」と微笑みながら、写真を見返す。しかし、アルバム全体を保存するスペースは限られているため、香織は大切な写真だけをデジタル化してクラウドに保存することに決めた。
次に手に取ったのは、誕生日に友人からもらったプレゼントの数々だった。可愛らしい小物やアクセサリーが散乱していたが、使わないものも多かった。
「これ、すごく可愛いけど、実際に使ったことないんだよね…」と独り言を言いながら、不要なものを友人に譲るか、処分することにした。
香織は次々と不要な物を手放し、リビングがどんどんすっきりしていく様子に満足感を感じていた。物理的なスペースが空くことで、心にも余裕が生まれるのを実感していた。
最後に、香織はリビングの掃除を始めた。床を掃除機でかけ、棚のホコリを拭き取り、窓を開けて新鮮な空気を入れる。
「これでリビングも完璧ね。まるで新しい部屋みたい」と満足げに呟く香織。
その夜、香織は涼介にメッセージを送った。「リビングもすっきりしたよ!物を手放すって本当に気持ちがいいね。」
涼介からの返信はすぐに返ってきた。「すごいじゃないか、香織!本当に頑張ってるね。次はどこを片付ける予定?」
香織は少し考えてから返信した。「次はクローゼットの中をもっと整理しようかなって思ってるの。まだまだやることはたくさんあるけど、楽しみながら進めるよ。」
涼介からの返信には「その調子だよ!楽しんで片付けることが一番大事だからね。応援してるよ」と書かれていた。
香織は涼介の言葉に励まされながら、新たな片付けの計画を立てた。クローゼットの中にはまだまだ整理が必要な物がたくさんあったが、彼女は一つ一つのステップを楽しみながら進めることに決めた。
香織のミニマリストとしての生活は確実に形になってきていた。物を手放すことで得られる自由と幸福を実感しながら、彼女は次なるステップへと進む準備を整えた。
「次はクローゼットの中を完全に整理するわよ!」と決意を新たにした香織。新たな目標に向かって、彼女のミニマリスト生活はますます充実していくのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます