第6話 クローゼット
香織はリビングの片付けを終えて、達成感に浸りながらソファに座り込んだ。「これでリビングもすっきりしたし、次はどこを片付けようか…」と考えながら、ふと目に入ったのはバスルームだった。
「バスルームも一度すっきりさせないとね」と香織は意を決して立ち上がる。
バスルームに入ると、まず目に飛び込んできたのは、ボロボロのバスマットだった。見るからに年季が入っていて、色あせたマットはすでにその役目を終えていた。
「バイバイ、バスマット。君には長い間お世話になったけど、もうお別れの時が来たわね」と言いながら、香織はバスマットを手に取り、ゴミ袋に放り込んだ。
次に、バスルームの棚に目を向けると、そこには使いかけのシャンプーやコンディショナーのボトルが山積みになっていた。どれも中身が少しずつ残っているが、香織は決断の時が来たことを悟る。
「さて、シャンプーさんたち、もう君たちは必要ないのよ。今日は大掃除の日だから」と言いながら、香織は半端に残ったボトルを次々に処分していく。
そして、使い古したバスタオルとフェイスタオルが溢れかえった棚を見つめながら、香織は思い出した。「そうだ、涼介がフェイスタオルで十分だって言ってたっけ」と。
「涼介のアドバイス通り、バスタオルはもういらないわね」と決心し、バスタオルをゴミ袋に入れる。
次に、化粧品の山に目を向けた香織は、古びた口紅や使いかけのクリームの数々に囲まれていた。「これは…いつ使ったのか覚えてないし、もう期限切れよね」と苦笑しながら、不要な化粧品を一つ一つ処分していった。
バスルームの整理が終わった後、香織は次に寝室に向かうことにした。クローゼットを開けると、そこには洋服がぎっしりと詰まっていて、ドアを開けるのも一苦労だった。
「さあ、ここが最終決戦ね」と自分に言い聞かせながら、香織はクローゼットの中の洋服を一つ一つ見直し始めた。
まず取り出したのは、大学時代に買ったTシャツ。すでに色あせ、デザインも時代遅れになっている。「これはもう着ないわね。ありがとう、Tシャツさん」と感謝を込めて処分する。
次に、何年も前に流行った派手な柄のワンピースが出てきた。「これ、いつ着たんだっけ?パーティーにでも行くつもりだったのかな」と笑いながら、ワンピースも処分することにした。
「これは…買ったはいいけど一度も着てないやつだ」と手に取ったのは、タグがついたままの洋服。「さようなら、無駄な買い物」と呟きながら、次々と処分していく。
クローゼットの整理を進めるうちに、香織はどんどん軽くなる気持ちを感じた。「物を減らすって、こんなに気持ちがいいものなのね」と、彼女は実感する。
クローゼットがすっきりと片付いた時、香織は大きな達成感を感じた。「これでようやく寝室も使いやすくなったわ」と満足げに微笑む香織。
その時、スマホが鳴り、涼介からのメッセージが届いた。
「香織、リビングとバスルーム、寝室も片付けたんだって?すごいね!次はどこを片付けるつもり?」
香織は少し考えてから返信した。「次は、デジタルの整理をしてみようかなって思ってるの。スマホの中身とか、パソコンのデータとか。」
涼介からの返信はすぐに返ってきた。「それはいいね!デジタルの整理も大事だからね。頑張って!」
香織は涼介の言葉に勇気をもらいながら、新たな挑戦に向けて準備を始めた。彼女のミニマリストとしての旅はまだ続くが、一歩一歩確実に前進していることを実感していた。
「次はスマホの中身を整理して、デジタルもすっきりさせるわよ!」と意気込む香織。新たな目標に向かって、彼女のミニマリスト生活はますます充実していくのだった。
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