第2話 キッチンのカオスを克服
香織はミニマリストへの第一歩を踏み出すため、休日の朝、キッチンに立っていた。まるで戦場のように散乱したキッチンに、彼女は気合を入れる。「よし、今日はこのカオスを片付けるぞ!」と自分に言い聞かせる。
香織はまず、使っていないフライパンを手に取る。これは以前、友人からもらったもので、料理番組に影響されて買ったものだった。だが、そのフライパンは結局、一度も使われることなく放置されていた。
「さようなら、フライパンさん。あなたとは一度も楽しい思い出を作れなかったけど、ありがとう」と香織はつぶやきながら、フライパンをゴミ袋に放り込む。
次に取り掛かったのは、食器棚の中。奥の方には、何年も使っていない皿やカップが積み重なっていた。香織は一枚一枚手に取りながら、「これ、いつ使ったっけ?」と思い出そうとするが、記憶の彼方に消え去っている。
「ああ、これ、大学時代の友達が遊びに来た時に使ったやつだ…でも、もういいか」と言いながら、未使用の皿やカップも次々に手放していく。
使っていない調理器具も一掃することにした。香織は、玉ねぎカッターや、特大のサラダボウルなど、使う機会がなかったものを集め始める。
「こんな玉ねぎカッター、一度も使ったことないのに、なぜ買ったんだろう…」と笑いながら自分にツッコミを入れる香織。サラダボウルに至っては、「これで何人分のサラダを作るつもりだったの?」と自問自答しながら、処分する決意を固める。
キッチンの引き出しも整理することに。中には、使いかけのラップやアルミホイル、古い調味料の瓶が詰まっていた。香織はそれらを一つ一つ取り出しながら、「この瓶、いつの間にこんなに増えたんだろう?」と驚きを隠せない。
「これも、これも、もう要らない!」と一つ一つを手に取りながら、自分に言い聞かせるように呟く。
作業を進めるうちに、香織は次第に楽しくなってきた。物を手放すたびに、心の中に少しずつスペースができるような感覚を覚える。彼女はまるで重荷を下ろしていくかのように、キッチンがすっきりしていくのを見て喜びを感じていた。
涼介のアドバイスを思い出し、香織は新しい物を買うときは必ず一つ手放すことを決意する。
「新しい物を買うときは必ず一つ手放すんだ。よし、これからはこの原則を守るぞ!」と自分に言い聞かせる。
キッチンの片付けが終わった頃、香織はふと冷蔵庫に目を向ける。そこには、いつの間にか溜まった食品や調味料がぎっしり詰まっていた。
「次はあなたね、冷蔵庫さん」と呟きながら、香織は新たな決意を固める。キッチンがすっきりとした空間になり、香織は達成感とともに、次なるステップに向かう準備を始めるのだった。
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