第37話. 第二のドア
2番目のドアを開け、進んでいくと、そこにはやはり女神がいた。
それほど背は高くないが、あの胸部装甲は見紛ううはずもない。
薄物をまとって立っている巨乳の女神は、みさきだった。
「田中さん、私のことを選んでくれるんですか?
私と、童貞卒業したいんですか?」
俺は、躊躇なく首を縦に振った。
なんというか、球場で売っているボブルヘッド首振り人形みたいに、ひたすら首を縦に振り続けた。
どんな男でも、こんなチャンスを逃がせる奴がいるだろうか。いやいない。(反応的表現
みさきを抱けるなら、後は人生どうなってもいいや。
その時の俺はそんなことを考えた。
薄物をまとったみさきは言う。
「本当に、私で童貞を卒業してもいいんですか?」
俺は首を縦に振る。何度も何度も。
「私を満足させる道は厳しいですよ。それでも私を抱きたいですか?」
俺は首を縦に振る。「君とできるなら、何でもするさ。」
そんな言葉を口にしていた。
「田中さん、その言葉、忘れないでくださいね。」
みさきは妖艶な笑顔を向ける。
ふと、気がつくと、俺と、普段の格好のみさきは、2人でドラッグストアにいた。
みさきが、3種類の栄養ドリンクを2ダースずつ、ショッピングカートに入れていく。
え?何を買っているんだろう。
その後、みさきは、店員に対して、ある商品を指差し、
「これを5グロスください。」
と言う
。店員は、店の奥から箱を持ってきた。
俺は引きつりながら会計をする。
その後、コンビニへ行き、うなぎ弁当とカキフライととろろそばを買い込んだ。
「じゃあ行きますよ。」
みさきが言う。
俺は、黙って彼女について行った。
着いたところは、お城のようなラブホテルだった。
「田中さん、まずはお食事をしてください。」
そう言われ、俺は、うなぎ弁当と、カキフライと、とろろそばを食べる。
正直、腹いっぱいだ。
みさきが言う。
「では、始めましょう。田中さんが童貞を卒業した後、ちゃんと私を満足させてもらえるように、特訓です。」
「特訓?」
俺は疑問に思い、聞いてみた。
「ええ、特訓です。童貞卒業させてあげるんだから、私を満足させると言う対価を払ってくださいね。」
そう言ってみさきは妖艶に笑う。
普段の清楚な雰囲気とまるで違う。
まぁ、対価というのも一理あるな。ギブアンドテークだからな
「では、ベッドに行きましょう。あ、5グロス買ったあれを忘れずに。」
さっきよく見てなかったが、5グロスってなんだ?
「田中さん、グロスって言う単位ご存知ありませんか?」
「なんか小学校で聞いたことがあるような気がするけど、覚えてないな。」
俺は正直に答える。
「グロスと言うのは、12ダースのことです。つまり144個ですね。」
5グロスなので、720個ですね。まずこれを使い切るところから始めましょう。
ちょっと待って。これって、避妊具だよね。
どうやってコンドームを720個も消費するんだよ
「千里の道も一歩からですよ。田中さん。。」
みさきは諭すように言う。
「もったいないので、一度に一個限定ですよ。
では始めましょう。最初だけ、つけてあげますね。
みさきの指が、俺の怒張したものに触れる。
そして、最初のコンドームが装着される。
何が何やら、無我夢中で、俺はただ身を任せていた。
こうして俺は、みさきで、念願の童貞卒業を果たした。
ただ、その余韻に浸ることはできなかった。
初回、訳もわからずにいるうちに、何とか卒業できたと思ったら、間髪を入れずに
「はい次!」
と言われたのだ。
「え?」
俺が聞き返すと
「早くしないと終わらないですよ。」
みさきが言って、妖艶に笑
「えー、ママよ。」
俺は2回戦に突入した。
それから何日、何週間、何月と、俺たちはそのラブホに泊まり込んだ。
食事は大体Uber Eatsで、鰻丼、カキフライ、とろろそばの3点セットが毎回届く。
お茶のかわりい栄養ドリンクだ。
みさきは、鬼だった。
「何やってるんですか?これじゃ私は全く満足できませんよ。はい次」
地獄のような数週間、あるいyは数か月が続いた。もはや時間の感覚はない。
そして、ある朝、俺は、自分のアソコが全く機能していないことに気づいた。
床の上に、なぜか赤い球がころがっている。
みさきはそれを見て言った。
「ゲームセットですね。結局田中さんは私を満足させることはできませんでした。
もう二度と会う事は無いでしょう。」
そう言って、みさきは消えた。
俺はその後、疲れた全身をひきずって会社に行ったが、無断欠勤で罰せられた。
そして、仕事をしようとしても、全く気力が出ない。なので、早引きして家に帰った。
だが、その後も、俺のアソコは二度と立つことはなく、仕事にも行く気がしない。
俺のアレは、試合終了してしまったようだ。
その後の人生は早回しされる。
仕事に気力のない俺は、惰性で会社にいたが、ある日、クビを宣告された。
アソコが立たないと、全くやる気が出ない。
一生分の精液を使い果たしてしまった俺は、そのまま転落し、ホームレスになり、公園の隅で、カラスと残飯の取り合いをしていた。
そこへ、例のダンディーなローブの人がやってきた。俺に示した色紙には、「ハズレ」と書いてあった。
占い師がやってきた。
「どうします?この人生にしますか?」
俺は弱弱しく答える。
「あれは毒メロンだった。
まさかその後搾り取られて立たなくなると思わなかった。
お願いだから、次のドアへ行かせてくれ。」
占い師が呪文を唱えると、3、4、5のドアが出てきた。
俺は、足を引きずりながら、何とか3番のドアを開けて、中に入った。
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