私は何事も、一生懸命に取り組む彼が本当に大好きなんです!

神石水亞宮類

第1話 私は何事も、一生懸命に取り組む彼が本当に大好きなんです!




“私は何事も、一生懸命に取り組む彼が本当に大好きなんです!”



私の彼は、“真面目で嘘をつくのが苦手な男性。”

だからなのか? よく人に騙される!

以前も最寄りの駅を降りて直ぐに、彼に駆け寄って来た見知らぬ男性に

彼はこう言われていたわ!



『すみません! お願いがあるんですけど、財布を落としてしまって、

家に帰る電車賃がないんです、家に帰ったら? 必ずお返しするので

今だけお金を貸してもらえませんか?』

『“いいですよ、幾らですか?”』

『“えぇ!? 貸していただけるんですか?”』

『はい、幾らあれば家に帰れますか?』

『じゃあ、5000円貸してもらえますか?』

『えぇ!? 5000円も?』

『あぁ、はい、いいですよ、5000円ですね!』

『ありがとうございます、家に帰ったら? 必ずお返しします!』

『“別にいいですよ、返さなくても! 無事に帰ってくださいね。”』

『本当にありがとうございました。』

『じゃあ、気をつけて!』

『さようなら!』




・・・当然だが、その男性が彼にお金を返す事は二度となかった。

“完全に騙されていたのだ!”

それでも彼は、その男性の悪口すら言わない。

私が彼になんで怒らないのかと聞くと?

彼は、“あのお金は彼にあげたモノだから! 

返って来なくて当たり前のモノなんだよ” と彼は私に言ったわ。

なんて優しいのか? それともお人好しなの?

彼はこうやって、よく人に騙される!

それでも彼は、騙されていると分かっていても決していい事を

するコトをやめないわ!

なんでそこまで彼は、“人の為にできるのだろう?”





 *




・・・でもある奇跡が起きた!?


以前、駅前で彼に5000円を借りた男性が彼にお金を

返しに来たのだ!



『やっと会えましたね?』

『えぇ!?』

『“以前、貴方にお金を借りた者です。今日は貴方に借りたお金を

返しに来ました。”』

『あぁ、もう良かったのに、本当にありがとうございます。』

『何をおっしゃいますか? 貴方には本当に感謝してるんです。』

『そ、そんな、僕は大したことはしていません。』

『あの時、貴方に5000円借りたのは? どうしても時間がなく!

電車じゃ間に合わないと思い、タクシー代として借りました。

あの日は、友人の結婚式だったんです。』

『・・・そ、そうでしたか。』

『今日は、返すお金と是非! ワタシにお礼にご馳走させてください!』

『そ、そんないいですよ。』

『お願いします、どうしてもお礼がしたいんです!』

『でも、どうする?』

『“ご馳走になったら? ここまで言ってもらってるんだし!”』

『彼女さんは、良く分かってらっしゃる!』

『じゃあ、お言葉に甘えて、、、。』



その日の晩は、“私も彼も初めて行く、高級焼肉をその彼に

奢ってもらう事に......。”

あんな極上な肉は生まれて初めて食べたわ。

彼の親切心もバカにはできないとこの時初めて分かった!

それからも、この男性とはたまに会う事に、、、。

彼はこうやって、“友達を増やしているのだろう。”


今は、、、? “私にとって自慢の彼氏に昇格しました!”

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私は何事も、一生懸命に取り組む彼が本当に大好きなんです! 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru

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