第8話 うみ
「海行きたい!」
「へ?」
始まりは私のこの言葉だった。
「わぁ!めっちゃ綺麗な海!」
「そりゃよかった」
砂浜の奥にはアクアマリンのような美しい青い海。
こんなの初めてだよ!
「早く早く!」
「全くお前は…」
呆れ顔の優弥を置いて海へと走り、足をつける。
「きゃっ!冷たいっ!でも良い!」
「まあ、空間の季節を夏にしてるからな」
「確かに暑いときの海水って良いよね!」
「そりゃそうだろ、冬の海は地獄だぞ?」
「冬だと凍っちゃうもんね〜」
「そうだな」
めっちゃ楽しい!
…ん?
なんか海の中で光ってる?
私は不思議に思いながら拾ってみる。
「えっ!めっちゃ綺麗!」
「貝殻か?えらく光ってんな」
こんな貝殻見たことないよ!
「なぁ、実衣」
「どうしたの?優弥」
真剣な顔してどうしたんだろ。
「その貝殻預けてくんねぇか?」
「…?どうして?」
「そしたらいい事あんぞ?」
「ほんと!?じゃあ預けるね!」
「おう」
「そうだ!なんか食べよ!」
「ああ、海の家とかあるからそこでなんか食べるか」
そして食べたり、遊んだり、海を満喫した。
2時間後
「そろそろ、帰る準備すんぞ」
「もうそんな時間かぁ」
楽しい時間ってすぐ終わっちゃうなぁ。
ちょっと寂しくなるね。
「実衣」
「どうしたの?」
「目ぇ瞑ってろ」
「…?うん?」
え?なんだろ…?
首になんか付けらてるような。
「目ぇ開けていいぞ」
「うん」
目を開けて首元を見てみる。
「あ!さっきの貝殻がネックレスになってる!」
「いい事あるって言っただろ?」
「うん!すごく嬉しい!」
本当に優弥と居ると暖かいなぁ。
"目ぇ瞑ってろ、いい事あるから"
"ほら、綺麗なネックレスだろ?"
あ、れ…?
「どうした?」
「…う、ううん、なんでもないよ」
…なんだろう、この記憶…
頭がズキズキする…
…なのに
暖かい…暖かいままだ…
昔に誰かににネックレス貰ったのかな?
分からない。
でも
許されるならずっと、優弥と居たい。
ずっと、この暖かさに触れていたい。
これが私の願い。
To Be Continued
ワンボックスワイフ 揺月モエ @nakamoe0429
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