第4話 かんらんしゃ

アイスクリームを食べた後、胸がドキドキしたがそれを隠しながら色んなアトラクションに乗った。


それにしても。


何だろう…この気持ち。


「…い!おい!」


優弥の声で現実に戻される。


「あ、ごめんボーッとしてた、どうしたの?」


「最後に観覧車乘らねぇか?」


「ああ、いいね」


「じゃあ行こうぜ」



〜〜〜〜


「わあ、だんだん高くなるね!」


「そりゃ観覧車だからな」


私ははしゃぎながら窓に食いつく。


「なあ」


「え?どうしたの?」


急に改まるので驚く。


「近所に年下のチビががいたんだ。であんまりそいつのお袋はそいつのことを大事に思ってない感じでさ」


「そ、そうなんだ」


私と境遇似てない?


「それである時さ、そいつは遊園地行ったことねえって聞いて『俺が連れてってやる』って約束して一緒に行ったんだ。そいつはジェットコースター乗ったら怖いって泣き出してさ、まあアイスを奢ったら機嫌良くなったけどな」


「最後に観覧車乗ったら大はしゃぎだったぜ…今のお前みたいにな」


と不敵に笑う。


「あ、もうそろそろ頂上だぞ」


「わあ!」


夜に広がる遊園地の灯りがとても綺麗だ。


「な?綺麗だろ」


「うん!」



『__くん!けしききれい!ほうせきみたい!」


『宝石か、いい例えだなァ』



あれ…何だろうこの記憶。


「どうした?」


「ううん、何でもないよ」


まあいっか。


こんなに楽しいのは初めてな気がする。


「ねえ」


「どうした」


「また行けたらいいね」


「嗚呼、そうだな」


すると優弥は私の額にキスをした。


「⁉︎」


「約束の印だ」


「う、うん」


また鼓動が高鳴る。


鼓動を落ち着かせることがしばらくできなかった。


          To Be Continued

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