第2話 まるで“らくえん”

「ねえ、優弥」


「どうしたんだ?」


「此処に本とか無いの?」


私は本を1日に読まないと、落ち着いていられないのだ。


此処の初日は我慢できたが、正直今日は無理そう。


「ああ、それなら」


と優弥は指を鳴らした。


「え?」


私は驚きの声を上げた。だって、指を鳴らしただけで本棚が出てきたんだよ⁉︎


「これで満足か?」


「は、はい…そうなんだけど、今のなに?」


いやマジで気になるんだけど!


「まあ、俺だけの特権ってやつだな、何でも出せるが」


「は、はあ…」


一体何者なんですか、この人。


まあ、でも読書できるならいいか。


本棚を見ると、私の好きなタイプの本が沢山あった。


え?これって優弥のチョイスなのかな?


まあ嬉しいけどさ、そうだとしたら、何で知ってるん⁉︎


んー、謎⭐︎


まあいっか。


私はしばらく読書にふけった。




「すげえ集中力だな」


「ぎゃっ!」


いきなり話しかけられ、可愛くない声が出てしまった。


「へんな声」


と笑われてしまった。


クッソ恥ずい!


「ちょっと、驚きすぎて、声の調整が」


「何だよ、それ」


とまた笑う。


「まあ、そういうとこが好きなんだけどな(ボソッ)」


「え?」


今なんか言ったよね?


「何でもねえよ」


「そっか」


まあ気にしなくていっか。


「それより、明日はどうする?俺の特権で好きなとこに連れてってやるよ」


「え?ほんと⁉︎」


「嗚呼」


「じゃあ、遊園地という所に行ってみたいです」


「いいぜ、じゃあ、約束な」


と小指を出す。


あ、指切りね。


「うん、約束」


と私の小指を彼の小指に絡ます。


そして指切りをした。


明日が楽しみだなあ。



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