第17話 アスナ

少女の痛みは引いたようだったが、衰弱は酷かった


「パン粥をもってきたが、食べられるかのう」


「試してみます、君、食べられる」


少女はなんとかして食べようとする

そして、一口、二口と食べ始めた


「よかった、食事はできるようだ」


「ありがとう」


「君、名前は?」


「アスナ」


「僕はユーリ、ユーリ・ドラグノフだ、ユーリで良いよ」


「うん、ユーリ、眠っても良い」


少女はパン粥をすこし食べたあと眠りについた


「食べられるということは良いこと、多分大丈夫だろう」

とギムリ


「はやく、ガーランドさまや父上が来てくれば」


次の日の朝、ガーランドとクラウゼが早々とやってきた


「ミネバが早くユーリの顔を見たいと言ってだな、予定より早く来たが」


ガーランドが少女に気がつく


「ワイバーンじゃな、それも怪我をしている」


「ガーランドさま、魔法をかけてもらえませんか?」


ガーランドは少女に魔法をかける


「これで、体力はある程度、戻ったと思う、ただ、私は治癒魔法は専門で無いからな

早く屋敷に戻って専門の僧侶や治癒師に見てもらうのが良いだろう」


ユーリはギムリに礼を言う

「ギムリさんありがとうございます」


「ああ、気をつけて、特にその子は」


「はい」


ガーランドは3人を乗せて空に上がり、領地に向かう

そしてワイバーンについて語りだした


「ワイバーンは飛龍とも言われて体も小さい、寿命も400年ほどだ」


「それでも人間より長いですよ、竜とワイバーンってそんなに差があるのですか?」


「差は大きい、魔法力も戦闘力も竜に比べたら圧倒的に小さい」


「そうですか」


「ただ、飛行速度に関しては竜より優れている、竜騎士の中にはワイバーンをパートナーにしている物も多い」


そうこうしていると少女が薄っすらと目をあける

「空を飛んでいる、、、、違う、私が飛んでいるんじゃないんだ」


アスナは再び眠りにつく


ユーリは気がつく


『この子も空を飛ぶことが好きなんだ』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る