第18話 治療
ドラグノフ家についた、クラウゼは直ぐさま
ガーランドと共に領内を移動した
治療師や僧侶をかき集めていたのだ
そして、彼らはアスナの治療に当たる
「父上、大丈夫でしょうか?」
「一流の治療師や僧侶だ、大丈夫だろう」
治療は無事に終わったようだったが僧侶の一人が言う
「衰弱は大丈夫だと思います、腕の骨折も治りました、幾つかのポーションをおいていきますのでそれを飲んでください」
クラウゼ
「良かったな」
だが、ユーリは一つの事が気になった
「彼女は空を飛べるようになるのでしょうか?」
沈痛な顔で僧侶が言い始める
「ワイバーンを見たことも何度かあるのですが、ワイバーンは腕の骨がそのまま
翼となります、そして一度、骨折したワイバーンは残念ながら空を飛ぶ衝撃に腕が持ちません」
「そんな、二度と飛べない!?」
「ただ、彼女は人間態としても生活できるようですから、人間のようにして生きていく事もできます」
クラウゼが諭す
「うーむ、残念だが、その方が良いだろう、うちで彼女を引き取ろう、メイドとして我が家で働くというのも一つの方法だ」
ユーリは納得出来なかった
「父上、方法があるはずです」
「ユーリ、私も骨折したワイバーンを何体が見たことがある、残念ながらそこで引退する物が多い、そのまま住処に帰るもの、人間態をして人間のように生きている物もいる」
「しかし」ユーリが言おうとすると
人間態になったガーランドが顔を出してきた
そしてユーリに論する
「ユーリ、私は一人、無理に飛ぼうとしたワイバーンを見た事がある、結果は悲惨だった、飛ぶことが出来たが古傷から羽根が折れて墜落して死んだ」
「死んだ?」
「ああ、死んだ、名前は忘れたが私の止めるのを制して飛んで落ちた、ただ、その死に顔は嬉しそうだったのが救いだった」
2人の会話からアスナはもう飛べないという現実を突きつけられる
ユーリは眠っているアスナのベッドの側にいた
「すまない、君を空に返す事は出来ない」
そんなユーリの言葉を聞いたのかアスナは寝言で言う
「空、、、」
その言葉にユーリははっとする、そうだ、方法はある筈だ
ユーリは自分の寝室でアスナを飛ばす方法を考えた、しかし、いつの間にか
寝落ちしてしまう
夢を見た、前世の記憶、奇妙な機械が目に浮かぶ、後ろから火を出して空を飛ぶ乗り物が浮かんで来る
そして、陸にいる自分、その乗り物をいじっている者たち
「推進力に少し問題があるな」
「パーツを取り替えよう」
「推進力!?」
ユーリは飛び起き「推進力!そうだ、その方法があった」と飛び起きた
ユーリは手紙を書き始めた
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