第15話 プロテクト

その夜、ユーリは奇妙な夢を見る


自分が空を飛んでいる眼下で敵国の武器が大爆発をおこし、町や人々を蹂躙する夢だった


悪夢にうなされ目覚めた時にレミリアがいた


「ユーリ、今日は一緒のベッドで寝ても良い?」


「いい、でも今日は顔をあわせたくないんだ」


「それでも良いわ」


2人は背中合わせでベットに入る



ユーリは言いう


「僕は前世の記憶があるんだ」


レミリアが驚き尋ねる


「前世の記憶?」


「ああ、僕は空を飛ぶ戦士だったんだ、そんな中、隣の大国が攻めてきた、彼らは大きな爆発をもたらす武器や空を飛ぶ船で攻めてきた」


「不思議な話ね、ひょっとしたらその前世の記憶って本当かもしれない、あなたは変わった所が多いわ」


「今でも見ていたように覚えている、大きな爆発で破壊される街や人々を」


レミリアはしばし沈黙、そして話し始める


「ユーリ、私も大爆発(エクスプロージョン)の魔法は何度か使った事があるの

それは練習場だけど、むしろ威力より自分の魔力に感動していた、でも他人がエクスプロージョンを使うのを見て初めて恐ろしいと思った」


しばしの時間のあと、ユーリが言いう


「エクスプロージョンを織り込んだマーク5は破壊しようと思う」


「それが良いと思う、私もエクスプロージョンはしばらくは使わない」


「そして、グレニート自体も改良を加えようと思う」


「そうね、それがいいと思う」


レミリアは何時の間にか眠っていた




そして、3日ぐらい過ぎた頃、ユーリが一つの槍を野外でレミリアに見せる


「グレニート、マーク6、レミリア、マーク1をちょっと持ってくれないか?」


レミリアはグレニート、マーク1を手に取る


「凄い、軽い」


「それは風の魔法の力で空中に浮いているんだ」


「そういう効果もあったのね」


「そして、マーク6、これを持ってみて」


レミリアが驚く


「重い、これ、無理」


「本来は、槍はそれぐらい重いんだ」


しかし、マーク6をユーリは軽々と手に取る


「どういう事」


「プロテクトをかけた」


「プロテクト?どういう意味?」


「グレニートは僕にしか使えないように魔法を施したんだ」


そして、ユーリはグレニート、マーク6を投げる


2km先の的に当たってそれは爆発、威力はかなり抑えてあった


「爆発の威力も抑えた、これなら大丈夫だと思う」


「そうね、その方が良いと思う、そして、この事は2人の秘密にしましょう」


レミリアが提案する


若いながらもレミリアは天才児として国家運営に絡んでいた

だから、この槍がとんでもない代物とも解っていた


「グレニートの事は当面伏せておくわ、あなたは国家機密に近い武器を作ったのよ、、、」


同意するユーリ


レミリアは一仕事終えたように言う


「合宿も今日で終りね」


「うん、僕はあと一週間ほどここにいる、グレニートの改良とかに使うと思う、あと休憩も欲しい」


「私は、国家魔法委員会の仕事があるの、一旦お別れね」


「うん、レミリア先生、グレニートの改良にはあなたの力が必要でした、、、ありがとうございます、、、」


「じゃあ、ユーリ、また」


「ええ、先生」


「あ、先生はもういいわ、レミリアと読んで良いわ」

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