第12話 レミリア

この話はドギーからクラウゼに伝わる


クラウゼは色々と検討する


「うーむ、ユーリの成長が早い、そろそろ魔法に付いても教えないと、ああ、ユーリの為にも良い教師がいるな、幸い、心当たりがある」


妻のミネバが聞き入る

「まあ、どんな方です?」


「手配は済ませた、ユーリも驚くぞ」


そして


「という訳で魔法の家庭教師に来てもらう事になった」


いきなりの父親の発言に流石にユーリも驚く


「はい?」


「魔法の家庭教師がくるのだ」


「いきなりですね」


「鉄は熱い内に打てとも言う、ユーリ、明日に先生がくるからな」


ユーリは考える


『魔法、たしかに自分はグレニードに魔力を込める事に成功した、魔法を学べばもっと色々な魔力をグレニードに込める事が出来るかも』


ユーリはそう考え明日の出会いに備えた


次の日、国立国家魔法委員会から先生がやって来た


「魔法の先生どんな人だろう、魔女だろうか、それでもおじいさんの大魔道士?」


馬車が当着してローブを付けた、きっちりとした服装の小柄な少女が降りてきた

頭には髪飾りは付けているが綺麗にまとめている

まるで学校の優等生みたいな感じだ

歳はユーリと同じぐらいだ


「おい、ユーリ、レミリア先生だ、」


「レミリア、先生?あのー、先生は?」


少女が答える


「わたしがレミリアですよ?」


「はい?」


「だから、私がレミリアです、ハイランド国立魔法学院のレミリア・ストチカです」


クラウゼがため息を付きながら言う


「先生、ちょっと痛い目に合わせても構いません」


「では、風を来たれ!!」


ユーリは風圧で飛ばされた!!


「うわっ!!」


「これは風の魔法の初歩的な物です」


「レミリア先生をお前と同じ年齢だが、既に魔法大学院で国家運営にも関わっている、国内でも5本の指に入ると言われる大魔法使いだ」


「しかし、何で、同じ年の女の子を」


「先生と呼びなさい!!」


「ハイ!先生」


「まあ、同じ年の方が話しやすいと思って」


父の安易な発想にユーリはガックリ来る、


そんな中、レミリアは怪しげな水晶を荷物からとり出した


「先ずは息子さんの魔力の強さと適正を審査しますね」


「お願いします」


レミリアは水晶にユーリの手を置かせて呪文を唱える


「水晶の精霊よ、彼の秘められた力を見せたまえ」


水晶玉が怪しく光る


レミリアが言う


「驚いた、魔力は凄いですよ、国内でもこれだけ強い魔力を持つのはこの歳では、珍しいです」


「おお、凄いでは、適正は?」


「それが、火、水、土、闇、光、治癒、時間、時空、全部駄目、うーん、風に少し適正があるのかな?」


「風に適正があるならそれを伸ばしたら?」


「それがその適正と言ってもほんの少しなのです」


「ええええ!?」


両親は驚く


レミリアはため息をついて説明する


「風特性と言っても、本当にわずかなものですね。風を操ると言っても、ほんの一瞬の風くらいしか起こせませんよ」


クラウゼが尋ねる

「それほど適正が無いのか?」


「まず、風魔法が何処まで使えるか見てみましょう、ユーリ君、唱えてください、『風を来たれ!!と』」


ユーリは風をイメージしながら、魔法を唱えた


「風よ来たれ!!」


旋風が起こり、レミリアのスカートを思いっきりめくった


「ああ、ごめんなさい、そんなつもりじゃ!!」


「ううう!!」


レミリアは無言でユーリにビンタする


「今日の授業は中止よ!あなたの適性と魔力を評価して、今後の方針を決めるわ!」




そして、2周間の座学や実践は続くが、レミリアはまたしてもため息をつく


「普通、貴方ぐらいの魔力がある人は珍しいの、でも、未だに出来るのは風をちょっと起こせるだけ」


「すみません」


「気にする必要は無いわ、あとから魔力の頭角を表す人もいるし」


流石にユーリも落ち込む


そんな夜、ユーリはグレニードを抱え外に出た


「魔法か、僕には向かないかもしれない」


そういってユーリはグレニードを投げた、グレニードは複雑な動きをして的にあたる


偶然、窓からレミリアがそれを見ていた

レミリアは思わず、外に出てユーリの所に行き尋ねる


「えっ、何、あの動き!!、どういう事なの?」


「この槍、グレニードは僕が作ったんだ、魔力を込めてね、今は風魔法を入れている、その力で方向を変え、加速を付けて狙った的に当たるようになっている」


レミリアは驚き、大きな魔力を持ちながら適正が無い理由に気がつく


「わかったわ、貴方のその魔力の強さと、適正のなさ、でも見方が違ったわ、あなたはマジックアイテムを作る才能があるのよ」


ユーリは驚きながらレミリアの説明を聞く


「マジックアイテムを作る才能?」


「そう、貴方のグレニードは魔力を込めて作った武器。魔法の要素を持ち、特殊な効果を発揮する。それはまさにマジックアイテムなのよ。貴方は魔力の直接的な扱いには適性がないかもしれないけれど、マジックアイテムの製作には素質があるわ!!」


ユーリは驚きつつも納得する


そしてレミリア


「今後はマジックアイテム、特に魔力を持った武器を作る事に方針転換しましょう、その為に魔法の実践より魔法の理論を学ぶ事にしましょう」






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