第10話 設計図

ユーリはドギーの書斎に入り浸っていた

様々な書物や武器を見たが、やはり一番気になったのは

『四大神級槍の解析』という本であった


これはかって、魔王がこの世に現れた時に神が竜騎士に与えたという

4つの槍について、古代のドワーフの職人が書いたという解析書である


火の槍、イフリタス、その鉾は高温を発してあらゆる物を切断した


雷の槍、ライガーン、凄まじい雷撃であらゆる物を破壊した


地の槍、ストーンガルム、強力な地震をおこす恐るべき槍


そしてユーリが特に気になったのは 風の槍 ウインダムの記述だった


「投げるだけで空気の渦を作り、あらゆる物をズタズタにしたとあるが、、

むしろ、『空気の流れを操り、あらゆる物に正確に突き刺さった』

こちらの方が僕が求めている物に近い気がする」


そんな中、ユーリは寝入ってしまう


前世の夢、それは彼が空を飛んで戦っている時だった


「ミサイル、、、命中した」


落ちていく敵の飛行物体


そこでユーリは飛び起きる


そうだ、アレだ、アレをここで作らないと


ユーリは一心不乱で紙にその槍の設計図を書き始めた

いや、設計図って何だ?必要な材料は?

どういう魔法を込めたら良いのか

夢中になったユーリは書斎の本を読み漁ったり、似たような槍を見ながら

一晩でその設計図を書き上げた


朝になり、ドギーが書斎で寝ているユーリに気がつく

「まったく、書斎で寝るとは、おや?」


そこにあったユーリの書いた設計図を見て驚く

「なんて事だ、これはマジックアイテムの制作方法じゃないか?

しかも、かなり強力な、、、この子はいったい?」


「あ、親方、おはようございます」

「お、おう、朝飯を食べていくか?」

「はい、その後で工房を貸してください」

「そ、それは構わないが」

「ありがとうございます!!」


その日の夕方にユーリは1本の槍を完成させる

それは50cm程の槍だった

ドギーはその槍に既に魔力が込められているのを察知した


「驚いたな、1日でこんな物を作るとは、しかし、小さいな?」

「はい、これはテスト用です」

「テスト用?」

「はい、いきなり大きな槍を作るのでは手間がかかります、まず、その小型の槍を

付くって性能を確かめていきます」


そういうや、ユーリは外に出てその槍を投げる


槍は飛んでいくが、的にはあたらない


しばらくしてユーリは工房に戻り槍の設計図に手を加える


ドギーは驚く


『こんな武器の製造方法なんて見た事が無い、、、』


『だが、合理的な発想だ、、、』


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