第3話 竜との出会い

ユーリが3歳になり物心付いた頃、彼は母と従者と共に馬車で出先から帰る所だった


「ユーリ坊ちゃま、本当に可愛いですわね」とメイド長が言う

「ええ、私達は子供に恵まれなかった、そんな中で初めて授かった子供だから、

つい、甘やかしてしまって」

「それぐらいがちょうど良いのですよ」

「でもね、この子が生まれる時、不思議な夢を見たの、この子が空から落ちてきて私のお腹にはいってきたの、ね、変わった夢でしょ?」

「何か運命的な物を感じますね」


その時、馬車の御者が慌てて言う

「どうやら、グリフォンの集団に囲まれたようです、気をつけてください」

「奥様、ユーリ坊ちゃまを抱きしめていてください!」

護衛の騎士がたじろぐ

「くそっ、周りは完全に囲まれている、なんてこった」


ユーリが乗った馬車がグリフォンの集団に囲まれる。ユーリの母と従者は彼を守るために懸命に立ち向かう

その時、突然空から竜が現れ、グリフォンを蹴散らし、ユーリと彼の仲間たちを

救った。


それは大きな竜だった


ユーリは竜を初めて見る


竜には父親のクラウゼが乗っていた

彼は国内でも有数の竜騎士であった、

普段は竜騎士部隊の教官をやっている


「大丈夫か?ミネバ、そしてユーリ、他のみんなも」

「はい、大丈夫です」


そんな中、ユーリは竜に近づく


「竜?」


ユーリは竜に心を奪われ、その存在に強い興味を抱く

彼は自分の目で確かめるため、竜に近づく、

その時、父親のクラウゼがユーリを制止しする


「ユーリ、竜は力強く、危険な存在だ。近づくことは慎むべきだ」


しかし、ユーリの好奇心は抑えられず、彼は竜に近づく


竜の名はガーランドという名前だった、

クラウゼと契約を結び彼を乗り手として認めていた、ガーランドはドラグノフ家の代々の当主と何年も契約を結んでいた

ガーランドは近づいてくるユーリを見て言う


「ほう、貴公の息子か、その年で竜に乗りたいとは変わっているな」

「私ですら初めて竜に乗ったのは10歳の時でしたからね、ほら、ユーリ危ないよ」


しかし、ユーリは強引にガーランドに乗ってしまう


「おい、ユーリ、危ないぞ、降りろ!!」


しかし、その瞬間ガーランドはユーリからの強烈な念を感じる


『飛べ!!』


ユーリが彼の背中に乗った途端、ガーランドは彼の強い意志を感じ取り、飛び立つ。

ユーリが叫ぶ

「うわっ!すごい!」

ユーリは興奮しながらガーランドと共に空へと舞い上がっていく

「青い、空が青い、風、風が凄い」


ガーランドは驚く

「この子は、なんだ?まるで竜に乗るために生まれてきたような存在だ」

ガーランドはユーリの純粋な勇気と空に憧れる心を感じた


下にいる両親は心配でたまらない

「ユーリはあぶみも何ももってないのだぞ、しかもあんなスピードで」

「あなた、どうしましょう」

しかし、ユーリは一向に飛び続ける、ガーランドもユーリと飛ぶことに驚きを感じる

「まるで、空をとぶことを楽しんでいるようだ」


30分後、ガーランドとユーリは降りてきた


「クラウゼ殿、この子は天才ですな、まるで初めから竜に乗る、

いや空を飛ぶことを何よりも好きなようだ、私も久しぶりに感動した」


ガーランドの感嘆の言葉に、クラウゼも驚く


「我が息子ととは言え、なんて子だ」


ガーランドが言う


「竜騎士としての才能を持ちながら、同時に空を飛ぶことを楽しむ心も持っている、

ユーリは私たちの期待を超えるものになるだろう」

クラウゼが驚く


「そうですか?」

「ああ、5千年生きている中でこんな人間は見た事は無い」

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