リコの話『指を差す幽霊』

元同級生のリコに聞いた話。リコ、オカルトとかバカにしてたから幽霊見たんだって言い出した時はちょっとびびった。


それ言ったら、


「最初に見たって言ったのはさ、高橋だったんだよ」


って答えて、キョロキョロしながらなんかリコもビビってるっぽかった。


「結構、見たってやついてさ。ウチはないわ〜って思ってたんだけどさ」


通学路の交差点で死んだミウくんを見た、らしい。俺らが高校生だった頃、体育祭とかあるとそこのファミレスで打ち上げしてた。


ミウくんと2人で行ったことも、何回かある。


リコも専門学校の課題をそこのファミレスでやってたんだけど、そん時、頼んだパスタが味しなかったという。


ペペロンチーノ。それとミウくん関係なくねーかなとは思うけど、リコ的にはその後に見たミオくんの霊とセットの心霊現象って思ってるぽい。


「なんこれって思って」


店員さんを呼んで苦情を言おうと思ったけど、なんか自分の母親みたいでヤだなって悩んで、そん時になんとなく外を見たんだそうだ。


そしたら、ミウくんが交差点に立ってた。


長い髪が風に揺れていて、結構遠目だったけどすぐ気づいたそうだ。


「あいつ結構存在感あんだよね。ほらすげーイケメンだったじゃん。黙ってると」


最初、リコは懐かしいなって思って手を振ろうとした。でもそのすぐ後、ミオくんが死んだって思い出した。


「いや普通に、あの死に方でなんで一瞬生きてるような気ぃしてたんだろね。ふつー忘れないし」


幽霊とか信じてないリコは人違いかなって思った。でも、そんときミオくんが顔あげて、目があった。


「100%ミオだった。うわうわってなるじゃん」


ミオくんはリコの方を見て、にっこり笑った後、ミウくんの側から見て斜め右を指差して、ゆっくりと消えていった。


リコは、その指さした方を見る。


直後、トラックが視線の先の歩道に突っ込んだらしい。めちゃくちゃ人が巻き込まれてて、大騒ぎになった。


「あいつ、ウチにあれ見せて何したかったんかな。知り合いなら誰でもよかったんかな」


リコは、この話をした半年後、専門学校の先生に病気をうつされて死んだらしい。


メモ

高橋に話を聞く。

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