何でこんなもんがウチの裏庭に!?

 僕は混乱した。何故ならウルト…コイツらは…


 記憶が一瞬にして遡る…ウルト・キング…


 僕は少し…と言っても自分基準だが、昔は宇宙の遥か彼方にいた。

 その宇宙の遥か彼方で星間戦争が起きた。

 と言っても…僕がいた宇宙帯は、一つの星が家みたいなもので、星一つに居ても二、三体の宇宙人がいるだけ。

 それも他の星には関わらない、増やさない…何故なら不必要、面倒くさいからだ。


 そんな地球からすればものぐさな奴等の戦争の理由は、ウルトと言うまぁ宇宙人が、何を思ったか自分の遺伝子を地球の生物の様にオスとメスに分け、オスのキング一体に対してメス一千体と言う、謂わば規模のデカすぎるハーレムを作って他の星を攻め始めたからだ。

 

 地球の言葉を借りるなら厨二病?

 周りの星の生物は『気が狂ったんか?』ぐらいの反応だった。

 ただ、問題はウルトのメスとやらが、突っ込んでくるので捕まえたり殺そうとすると自爆する。

 光のエネルギーを吸収して半永久的に活動出来る力を持つウルトの子機とはいえ、なかなかの破壊力で星とか普通に爆発で砕けた。

 んでまぁどうしたもんかなと思っていた所、知り合いのウワキユーが『寝取られるのが嫌で自爆させるくらいなら大した器量も無い嫉妬の塊』とか、『地球人に比べると再構築すら出来ない愛の無い雑魚』とか言い出して、エーイチが『だったら自爆させないでNTRしよう』とか言い出した。


 そしてエーイチの友人とやらが考えたビームを改造して作ったのがアクメビームと言う、とてもくだらないものだった。

 ウワキは他の星から異種性交したい奴を集めて(騙して)作戦が始まった。


『『『エ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!?♥♥♥』』』


 ウルト星人は殆ど日本語の母音の様なものでしか喋れないが、明らかに様子がおかしくなった。

 本来溜めて攻撃や自爆する為のエネルギー。

 それがアクメビーム後に攻撃を受けると、胸の先端と股から撒き散らすウルトメス…そして暇人達は合意の上の性交…エロくなったウルトメスは片っ端から集まっていま宇宙人に性的に襲いかかり、エネルギーが切れるとウルトメスは止まり、コアを叩いて壊すと砂のように消えた。


 宇宙空間で繰り広げられる異生物の酒池肉林


 それを見ていた唯一のオス、ウルトキングは腕を組みながら、外が一望出来る解放されている玉座から立ち上がった。


【ゼアッ!?ゼアア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッッ!?】


 奇声をあげながら立ち上がり、戦闘仕様でない侍らせていたウルトメスを殺し、立ち止まったまま動かない。


 そして千体いたウルトメスは全滅。

 そのまま、腕を組んだまま動かない、血の涙と腕に食い込んだ指、直立不動のウルトキングに…ウワキユーが近付いた。


『死んでるね、コレ。地球人なら耐えれるんだけど…コイツの愛は独りよがりだなぁ』


 ウルトキングは既に死んでいた。

 太陽の光があれば死なない筈のウルトが死んだ。

 エーイチ曰く、心が死んだらしい。

 

『ウルトキングの股間からちょっとエネルギーが出てる。もしかしたら性癖チェンジしようとしたけど間に合わなかったんだな』


 そんな訳の分からない事があったが、ウワキユーもエーイチも地球の日本にいた事があるらしく、ウルトみたいな心が死ぬ事は良く起きるらしい…


 この件は僕が地球に行こうと思った理由でもある。

 僕は今まで自分の星で、自らの身体を構成する触手を育てるとか、それでエネルギーを集めるぐらいしかしていない。

 楽しい事も無いし、なんか無いかなとは思っていた。


 そして…この日本に来て、大地育子さんという人の養子になり、ユカと出会い、育子さんが亡くなり懇意にしていた社長と繋がり今に至る。

 

 いや、だから…





「何でウルトのメスがこんな所…ウチの裏庭に?」


 僕の知るウルトメス…自爆されたらこの星は…いや日本はとりあえず消滅するだろう。

 けど…そんなにエネルギーを感じない。


 それにトラップのデータを見ると…


「大分、エネルギーを奪っているなぁ…」


 更にデータを見るとこのウルトメスは性行為済みだ。

 しかも直前に人間と交わってるわ…中に精子が残ってるし変な薬も混ざってる…汚いなぁ…一応、触手トラップも僕の分身なのに…


 性行為をしたウルトメスはエーイチに聞くとクソ雑魚い、だからキングも侍らすだけだった。

 アクメビームで弱体化したのも、その理由だ。

 感じると自分の意志とは関係なくエネルギーが外に出てしまうようになる為だ。

 まぁ処女だと自分から出さない限りはエネルギーは外に出ない為、勝手に大爆発起こすんだけどなぁ。


「ていうか、強化皮膚の中…母体ベースはこの星の人間?」


 よく見ると白銀の強化皮膚の上から防専って書いてある変なブーツとグローブしてる…一瞬、まさかな…とは思ったがそんな気配は無かったし…でも同級生かもなぁ…


 僕が予想するに、何かの拍子にウルトメスのコアみたいなものが地球に落ちたんだろう。

 それを適合できる処女の人間…を、探して見つかったは良いが、よく分かってなかったんだろうな。


 ウルトメス化出来るようになった後にエロい事しちゃって…この様に、アクメビームをくらった後のような、ただ感じやすい全身タイツ特撮仮装女みたいな、ちゃんと強化されてない変態が出来上がったんじゃないか…まぁ一般人よりは強いんじゃないかと思うけど…


 それに光のエネルギーがあれば死なない能力はそのままみたいだし…今、僕の視界にいるウルトメスはエネルギーが放出する時の絶頂と、光による強制的に回復して繰返しており、間もなく日が落ちるまで繰り返すと思う。


 とりあえず事件になる前に外に出そう。

 事件を起こせばこの家に住めなくなるし、正直女社長とか宇宙でも類をみないぐらい強い。

 仕事先の社長とか監督の周りに数人、多次元レベルの個体がいる。

 あんなの宇宙でもそんなにいない、所詮宇宙でも四次元までだ。あんな異次元に住む個体は宇宙にもそうそういない。

 だから僕なんか簡単に消されるだろう…僕は社長に消されたくないし、今の生活はまぁまぁ気に入っているので失いたくない一心で考える。


 僕は自分のコアを切り離し、本体は家で、もう一つは触手を集めて怪物を型どり裏庭に向かわせる。

 僕は育てた触手を塊にしてコアを分割し遠隔操作できるのだ。


 その間に監視カメラを早送りで見ていると、どうやらこのウルトメス、僕が帰るまでに一度膝まで抜けた所で、番犬代わりに放し飼いにしていた触手犬に犯され、暴れた結果また埋まったようだ。


 不味い、不味いな…ウルトメスに対してやりたい放題している…話し合いをして…黙っていて貰えるだろうか?

 僕に説得出来るだろうか?とりあえず話し合おう。


【エ?ェ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!ェ゙ア゙!♥ィ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙♥♥】

 

 多分、絶頂を繰返している…話し合い出来る気がしないが、とりあえず頭を掴んで外に出す。


 ズルズルズルズル…………【オ゙ア゙ッ!♥ィ゙ィ゙♥】


 出してる間も何か声をあげているウルトメス…

 何だか完全に怯えている…様に見える…けども…


「日本語、分かるか?我の声、聞こえるか?」


 なるべく僕とは別人のように、怖く、でも優しく…頭をつかんで目の前まで持ってきて観察する。


 とりあえず手を離すとベシャッと…崩れ落ちて…


【オ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ…ア゙…ェ゙…………】


 ビチャビチャビチャビチャア゙… 


 身体の穴という穴から金色のエネルギーと色んな色の排泄物を出し痙攣している。

 こりゃもう駄目かも知れないな…


 そして…こちらに来る…這いずりながら近付き…擬態の足を舐め始めた…どうすりゃ良いんだろう?

 

【ぅ゙ウィ゙エ゙…ゥ゙ア゙ゥ゙エ゙ェ…ァウエェ…グポッグポッグポ】


 気付きたくない事だが…気付いた…多分【許して】とか【助けて】って言ってる…

 俺の擬態の股間を弄り始めた…擬態だから硬くならないけど…そしてウルトメスは唇の形した部分にヌッと入れた…てか、このウルトメス、これ、もう壊れてるんじゃないか?

 僕は記憶とか消せないけど…どうしよう…裏庭バレてるし…


 いや、もしかしたら…社長なら記憶を消せるかも知れない。


 僕の裏庭にいる擬態、決してたたない股間を弄り、含みながら【許して】とか言ってるウルトメスを無視して社長に電話した。


「社長、ウルトのメスがいたのですが、ベースが人間みたいです。どうしましょう?」


『…は?………何が?』 


「爆発はしないみたいですが…あ!」


『お?………何だよ………』


「うあ!顔が!頭が!頭が落ちた…頭が落ちました!!」


『…そうだな…』


 その時、ウルトメスの顔や頭の外骨格らしきものが崩れ落ちた。

 初めて見た…剥がれるの…


【エ゙ア゙ア゙…ア゙ア゙…あふぅ♥…え?…へ?ガぉ゙の…変身が…ぁあ…いやぁぁ…】


 白銀のその鼻水と涙と涎でまみれた顔は…その声は…


「うあぁ!?ユカだ!頭が落ちたらユカですよ!?どうすれば!?」


『床?床か、そうだな…明日病院に行け』


「分かりました!とりあえず家の前に頭も置いとくので記憶を消せませんかッ!?」


『あぁ、分かった、頭から消しとく。早めに。出来れば病院にも行くように…』


「はい!分かりました!よろしくお願いします!」


『はい、また明日…』プーップーップーッ


 とりあえず記憶は消して貰えるし…後はそうだな、一応保険をかけておこう。


 それに知りたい…もし本当にユカなら裏切ったのか…


 僕は家の中から裏庭に居る、ガタイの良い擬体を操る。そしてなるべく悪っぽく…言ってしまった………

 

「えーっと…貴様の子宮から、貴様の人生を監視してやろうか!?」


 指先に乗せた僕の肉片、それを指先に乗せ、ユカと思わしき首から下はウルトのメスの生き物の股間に大きくなっていた中指をぶち込んだ。


 ズンッ

 

【ェ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ッ!?!?♥♥♥やべでぇええ!!♥♥もうゆるじでぇええ!!♥♥】


 僕はなんか間違えた気がした。

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