相談する意味の無い人、知り合いが少なければそれすらも分からない。

「お疲れ様です!もう夕方ですけど何を?」


『これから現場監督が来るから相手しろ、アイツはゲームしてると取り上げられるからな。時給はやるから』


 何で彼女の浮気現場見た後に、現場監督の相手をしなきゃいけないんだろう?

 でも社長、ゲームしてるだけで暇そうだから相談…してみようかな?


「社長…彼女がですね、知らない男とキスしてたんですよ」


 と、言った瞬間に鋭い目つきでこちらを見てきた…怖い…


『お前…またどうせ嘘か小説の話だろ?そんな浮気現場見たら、普通の人はそんなメンタルじゃないぞ?』


「いや…だから僕はですね、何度も言ってますけど…」


『いやそのホラ話はいい、嘘だから。で?お前どうすんの?別れんの?』


「いや、とうしょうかなぁ…と」


『うわぁ…煮え切らねぇな…彼女がいたのは信じてやる。でもよ、ざまぁしてやりますよ!ぐらいの元気はないのか?最近の若者は…しかも小説の話だろ?パワーが足りんよ、小説の中ぐらいパワー見せろや、最近の若い奴は…』


 この人もまだ三十にはなっていないと聞いたが…


「ざまぁって…僕も小説読むので分かりますけど復讐ですよね?誰にするんですか?」


『はぁ!?悔しい思いをさせられたヤツ全員だよ』


「今、社長に呼ばれて悔しいッスけど…」


『何で彼女が浮気して、バイト先の社長のオレにざまぁすんのよ?気が狂ってんのか?』


「はぁ…いや、社長には怖くてそんな事…でも、良くわからんでスよ」


『まぁもうちょっと考えろよ…ちなみに女にはもう連絡すんなよ、意味ねぇから』


「そうですねぇ…って、そんなもんっすか?」


『だってお前もやる気ねぇじゃん?だったらさっさと新しい女探せよ。再構築とか未練の匂いが一切しないし。したかったらもっと悲しめよ…』


 そんな事を話しているうちに現場監督と秘書の人?が来た。


『クソ野郎、ちゃんと仕事してんのか?未成年に判子押させようとしてんじゃねぇよ、クソ社長、テメェでやれや』


「あ!僕やりますから!社長は今レイドで…」


『君、この馬鹿甘やかしたら駄目だ。レイドってどんな理由だよ、俺はどんな女でも許さん。絶対にな!』


 僕は高校三年の途中からこのバイトをしているが、この監督も社長と一緒でヤバい人だ。


『クソサトル!コイツ、自分の女の浮気現場見たらしいぞ?(笑)お前と一緒だな。そう、今、お前の隣にいる女と一緒だよ(笑)』


『あ?あぁ、2回浮気したらな、絶対許さん。君も絶対許すな、間違い無い。許したら駄目だ』


 僕はその2回浮気したと言う女の人…秘書?の人に聞いてみる。

『すいません、2回浮気の人さん、浮気する時の気持ちってどんな気持ちなんですか?』


 僕が自然に聴くと、秘書の人がプルプルしながら…


『そ、それは答えなきゃダメなんでしょうか?後、2回浮気した人さんと言う名前ではありません…』


「す、すいません…ぼく、常識がよくわからなくて…」


『うるせぇカエデ、お前は2回浮気した人で十分だ。そして若者からファイトクラブみたいにどう思ったか聞かれたら答えろ』


『クッ、分かりました、私の場合はですね…』


 その後、2回浮気をした秘書の女性が小学生時代の思い出から話し始めたので、全員無視してる間に終業時間が来た。


『私は思ったんです…この人に一生…『はい、解散解散。少年よ、何かあったらこのクソ漏らし社長経由で俺に相談すると良い。何だったら繁華街の最高の地獄ヘルスを用意してやろう』


 僕だってヘ○スぐらい知っているが、未成年にいきなり風俗店を勧めていいのだろうか?

 社長が『出たよ、ヘルス面…』って言っていたが、とても頭の悪そうな顔をしているだけだった。


『おい、ホラ貝。とにかくお前は小説の話ばっかりするけどよ、次からは概要書いて来い。いきなり意味不明な事言われても分かんねーよ』


 社長は無理難題を言ってきた。だけど社長には逆らえない。

 何故なら今の家は、社長の旦那さんの伝手で住まわせて貰っている家だからだ。


 駅一個分ぐらい離れた殆ど人気の無い一軒家、コレで家賃一万、更に食料が足りなければ旦那さんに言うとご飯も分けてくれる。

 社長はウンコみたいな人格だが、旦那さんは良い人だ。


 しかし…この国は本当に知り合いに生かされる社会だと思う…ユカはそんな国を守る、だからそれ相応の人と一緒になる。

 それがこの国の現実なんだなぁ…


 ちなみに僕の知ってる人…ユカ、それにバイト先の社長とその旦那さん、仕事先の監督とよく居る秘書…それだけ…では無い。





「恋愛は難しいなぁ…そうだ、エーイチに相談に乗ってもらおう…」


 僕は家に帰りながら、電話でエーイチの番号を出した。

 

『珍しいな、お前から電話してくるなんて』


「そうかい?そんな事無いと思うけど?」


『まぁ良いや、そんで、どうした?』


 エーイチはバリバリの理系、過去には大学に通っていた年上の友人だ。

 地球ではAIやレーザー工学を学び、少し前に活躍した友人。ちょっとした有名人だから僕も鼻が高い。


「いやぁ…彼女…前に言ってたユカって昔から知り合いの…彼女に浮気されてるっぽくてさ…」


『うーむ、浮気ねぇ…』


「そうだよ、そういえば思い出すよ。エーイチの開発したヤツでハーレム無茶苦茶にして、キングを憤死させたよね」


『あぁ、よく覚えてるな?アレはそっちの友人がレーザー工学やっててな、そこからヒントを得たんだ。俺は新しいもの開発してるうちに忘れていたよ、作戦はウワキユーが考えたしな』


 昔、僕の友人のエーイチと、もう一人の知り合いのユーが大活躍した話だ。

 ウルトという奴の中にいたキングと言う変人、自分の遺伝子で作ったメスを戦わせて、ヤラれそうになるとメスに自爆の指示をしていたヤバい生き物?

 それをハーレムの女共をアクメビームで頭をおかしくさせ、目の前でイチャつきキングを憤死させたんだ。


 僕にはそんな発想思いもよらなかったから…恋愛でも何かアドバイスがあれば…


「まぁ相談できる友達がいるって事だけでも良いことなのかなぁ」


『恋愛の事は良くわからん、…そういうのはウワキユーの方が詳しいんじゃないか?』


「いやぁ、ユーは連絡取れないんだよ…」


『そっか…アイツはまた真実の愛とか言ってるのかなぁ…まぁ日々勉強って事だ』


「そうだね、ありがとう。愚痴聞いてくれて」


『いや別に…しかし…またと飲みてぇな…まぁ良いや、またな!名前、今はソラだっけ?』


「そう、ソラだよ(笑)エーイチは素直じゃないから自分から連絡しないもんね、その友達も大変だ(笑)それじゃ」


 家に着く前に電話を切る。

 今日は色々あったけど…スマホを見るとやはりユカからはメールすら無い。


「そうだな、もう僕から連絡するのはやめようかな」


 元から叶わぬ恋だった、スカウトが来た時…もしかしたらと思った。

 最悪、僕がユカに…いや、考えるのはよそう。


 家に着いて、いつもの暮らしを始める。

 僕の好きな時間、自由な時間だ。

 貰った古いPCを起動、WEB小説を見ながら割引弁当食べる。


 一応、ネット繋げる条件で、社長の旦那さんから裏庭という名の山の監視カメラの確認を……………


 お?


 え?


 監視カメラに映っていたのは…

 僕の作った触手落とし穴にハマり、暴れたせいでどんどん埋まり…鎖骨ぐらいまで埋まっている…


【エッ?エアッ!?ア゙ア゙ア゙ッ!!】


 白銀の柔らかさと光沢のある強化皮膚と、頭部は金色の髪と、顔は女性の顔を模した様なマスクの様な、白銀の外骨格…


【ェ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙♥♥ア゙ア゙ア゙ア゙ッ♥♥イ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙ッ!!♥♥】


 それが狂わんばかりに叫んでいた…見た事ある…

 さっきエーイチと話をしていたから余計…滅ぼされた筈のウルト族のキングの女達にそっくりな人形のウルト族だった…




 ――この物語は――――――――――


 遥か宇宙の彼方からやって来て、人間となり活動をする大地 宇宙(だいち そら)


 小学生で老い先短い独居老人、大地 育子の孫として、現代日本で地球人を学ぶ。


 彼の目的は地球征服でも宇宙難民でもない。


 まだ遥か宇宙の彼方にいた時の知人、地球に詳しいエーイチやウワキユー、バイト先の上司の社長や監督、そして、小学生から知る相武 由佳(あいぶ ゆか)との繋がりが…


 彼を導き、いつしか知る事になる。

 人はおろか、宇宙人ですら魅了する…

 地球の、日本のNTRを。

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