サーカス団と鬼人の子①
クラウンヘッドサーカス団は、80年代にはもう珍しい、クラシックな移動式のサーカスだった。
街や遊園地、スタジアム等をめぐっては、テントを広げてあちこちで芸やショーを見せる。サーカスと言ってもアクロバティックな空中ブランコとかを見せるわけではなく、やや小規模な大道芸やクラウンのコメディ、奇抜なパフォーマーたちによる奇術やマジックを披露することがほとんどだ。
規模はスモールだが、ちょっとした物珍しさもあってか意外と人気を呼ぶこともある。特に田舎ではウケがよく、今夏もそれなりに盛況となることが多かった。
特に夏休みの時期は、土産物もどっさり売れる稼ぎのシーズンである。それ故サーカス団は、あちこちを回ってはドル札を集めることに大忙しだ。サマーツアーの最終目的地であるオレゴン州南部の街、ビリージョーズ・ヒルにたどり着いた今日も、団長曰く「夏休みの余った小遣いを根こそぎ使わせてやれ」というほどの意気込みだった。
普段は味気ない牧草地に、緑や紫、マリンブルーやオレンジなど、カラフルな色をしたテントが立ち並ぶ。
そよ風がビニールを揺らし、華やかなブラスバンドミュージックが流されれば、辺りは騒がしくなっていく。すでに客も入り始めているのか、飴を手にした何人かの子どもたちが、でかでかと設置されたトーテムポール像の周りを走り回っていた。
狭苦しい車内からようやく開放されたルーディは、硬くなった体を伸ばしながら、華やかなサーカス会場を見てその心を躍らせる。テントの中を背伸びして覗こうとしている子どもを見ると、自然と微笑みが浮かんだ。
そんな顔をしているが、ルーディ自身もまだ小柄な少年である。年齢や誕生日は自分でも覚えていないものの、団長曰くおそらく14歳くらいだと言った歳頃だった。
ルーディは肩まで伸びた長髪を後ろに縛りなおして、寝坊助な表情をかき消し、商売用の顔を作る練習を始める。未だに慣れない顔色作りに苦戦しながら、水筒に入れたバナナティーを飲んで深呼吸した。
「すごい。こんなに大きな会場は久しぶりだ」
緊張が思わず声に出る。
昼の公演までまだ2時間はあるが、今日も盛況になるなと考えると少しプレッシャーを感じてしまい、もう一度バナナのお茶を口に含んだ。彼の後ろでは、車のトランクから荷物を引きずり下ろしたドグが、同じように辺りを見回していた。
「よーよー、団長さんの目論見がバッチリにヒットしたって感じだな。何人でも入れそうなくらい広い会場だぜ」
9月に訪れる最後の街としてビリージョーズ・ヒルを選んだのも、金を稼ぐことには抜かりがない団長の戦略だった。曰く、『夏休みが終わる寂しさに暮れてる田舎者どもに最後の思い出を作らせてやれば、子どもはよくねだるし、親も財布の紐を緩める。ホットドッグとアイスがいつもの倍の値で売れるんだ!』という策である。
「しかし、なんだか不安だ。この前の二倍は人が来るんじゃないか」
幼さが残る外観にはそぐわない口調でルーディはつぶやいた。ドグは荷物の紐をほどきながら声をかける。
「まだお得意の緊張か?気張る必要なんてねえよ。そもそもお前はあくまで『火を吹く男』の前座にすぎねえんだ。それなりにできりゃあ十分だ」
気を落ち着かせようとそう言ったつもりだったが、ルーディに不服そうな目つきを向けられると、ドグは「悪い悪い」と言いながら片手を上げる。
「前座かどうかなんて関係ないな。この前みたいにしくじったら、次こそパフォーマーとしてクビにされるかもしれない」
ルーディは、変わらずに肩を落としたままつぶやいた。
まだ少年であるルーディだが、わけあってクラウンヘッドサーカス団のパフォーマーとして働いている。
この夏にもあちこちでパフォーマンスを行っており、彼が『力』を使って披露する奇術は、そこそこの人気を集めていた。とはいえ未だにステージ慣れしておらず、今日も緊張せずにはいられない様子である。
「ウジウジしてんじゃねえ、『鬼人の子』の名が泣くぜ?」
ドグはルーディの肩を軽く叩きながら喝を入れる。ルーディ自身は自分に自信がないようだったが、団長には彼のパフォーマンスがえらく重宝されていると、ドグは理解していた。
「お前は団長のお気に入りだ。ちょっとしくじったくらいじゃ何も起きねえよ。この前のしくじりだって、ボロいテントをほんの少し燃やしかけたくらいだろ」
ドグの言葉に、ルーディは首を横に振る。
「燃やしかけた、じゃない。燃やしてしまったんだ」
「テントなんて燃えても燃えてなくても一緒だろ。むしろ、燃え跡があるくらいが華になるぜ」
「だが、骨まで焼き尽くしてしまったじゃないか」
「ボロいテントを処分する費用が省けたってことだ」
「新品だったぞ、あれ」
「よくクビにならずにすんだなお前は!」
ドグは思わず不安をえぐるようなことを言ってしまったが、とにかくルーディが団長に気に入られていることは間違いなく、今日もこうして何度目かのチャンスを与えられている。
もう一度ドグは、ルーディの肩をポンと叩いた。
「いいからさっさと準備でもしに行けよ!ウダウダ言ってるのを見るのは嫌いだぜ」
そう言うとドグは屋外のステージを指さす。流石の団長もテントを使わせるつもりはないらしく、今日のルーディの舞台は、芝生の上に設けられた屋外型のステージとなっていた。ステージの辺りにはトーテムポールやピエロを模した像が何体か置かれている。
「わかった、わかったから!……まだ少し、一緒に来てくれないか?」
そう話すルーディの表情は、まだ緊張で固まったままだ。ドグは仕方なくステージの方まで彼を連れていった。
簡易的な柵に囲まれたスペースでは、『火を吹く男』や『カミソリでジャグリングをしながら髭を剃る老人』らをはじめとする、奇術パフォーマーたちが準備を行っている。思わず眉をひそめてしまう珍妙な輩ばかりであり、ルーディがますますの緊張を覚えるのは無理もないことだった。
ルーディはボトルに入ったバナナ茶を飲み干し、パフォーマーたちの方に歩みを進める。ちょうど『火を吹く男』ことエジプト出身の大男、マチャティと目が合った。
咳払いすると、ルーディは不器用な挨拶を口にする。
「お、おはようございます。マチャ、マチャティさん……えっと、この前はすみませんでした」
ルーディのぎこちないクリスティーナの挨拶に、マチャティはわざとらしく首をかしげた。
「マチャマチャティさん……?誰だねそれは?ここにいるのは『火を吹く男』!炎国よりの使者!マチャティ・イブラヒムだけだが!そうだろ皆!」
オペラ歌手にでもなったように高く拳を突き上げながら、マチャティはその名を高らかに言い直す。
それに続くように、周りの面々もウオオオと雄叫びをあげた。パフォーマーたちの相変わらずの変人ぶりに、ドグはやれやれとため息をつく。
「も、申し訳ない!えと、マチャティ・イブ、いぶらひ、イブラヒムさん」
「マチャティ・イブイブラヒイブラヒムさん……?誰だねそれは?ここにいるのは火を吹く男!炎国よりの……」
「もうそれやめねえか!」
再び名乗り直そうとするマチャティだったが、たまらずドグに止められた。マチャティはわかったよと言うように両手を上げて腰を下ろすと、ルーディに目線の高さを合わせた。
「冗談、冗談だ。この街は空気に漂うエナジーが絶好調でね。ついつい雄叫びを上げたくなってしまうのだよ」
2メートル近くある巨体には似合わない爽やかなスマイルでそう言われると、ルーディはようやく、少しリラックスしたような表情を見せた。
彼らはすでに何度か同じ舞台に上がっているが、以前別の街で行ったパフォーマンスでは連携技が失敗し、危うく全てのテントを灰に変えるところだった。ルーディは今もそのことを不安に思っているらしい。
「何をそんなに緊張しているかわからないが、君は一流のパフォーマーだ。何なら、派手なだけの私よりもさらに素晴らしいショーマンになれるだろう」
「でもこの前は、テントに火をつけてしまいました」
「いやいや気にすることはない。あのテントに描かれていたユニコーンの絵は、何だか気味が悪かった。だから私も、こっそり焼きつくしてやろうと思っていたのだよ」
そう話すとマチャティはスキットルに入れていた液体を口に含み、近くでメラメラと燃えていた松明を手に取った。
そして2人から少し離れると、松明に顔を近づけて、思い切り息を吹く。すると松明の火は、火炎放射のようにゴオッと音を立てて噴き上がった。炎は数メートル先にあった木の的を包み込み、あっという間に焼いてしまった。
「このように、ね」
「すごい!」
ルーディは目をキラキラさせて拍手を送る。ドグは「リハーサル用だぞ、あれ。今燃やしてどうすんだ」と文句をつぶやいた。
「君の能力だって私の火に負けちゃいないさ。そうだ!今日こそ合体技を披露しようじゃないか!」
マチャティに肩を掴まれて提案されると、ルーディは興奮した様子でうなずいて返した。
「それはすごい!とにかく、とにかくすごい!マチャティさん!」
「マチャティサンなんて長ったらしい。ただの『火を吹く男』マチャティと呼びたまえ」
盛り上がる2人を横目に、ドグは今朝配られたプログラムに目をやる。そして団長から口を酸っぱくして言われた指示を思い出し、ルーディとマチャティの間に割って入った。
「あー、残念だが『鬼人の子』と『火を吹く男』の共演は禁止だ。少なくとも、テント一個分稼ぐまではな」
2人からは落胆の声が返ってきたが、指示は指示だとドグは一蹴する。もう一度ルーディの肩を軽く叩くと、彼に目を合わせ、言い聞かすように声をかけた。
「心配すんなって。お前は十分すげえんだ、上手くやれる!連中の度肝を抜かしてやれ」
「……わ、わかった。何とか、上手くやってみる」
ドグは軽く背中を押してやり、少しは緊張が解けた様子のルーディをステージに連れていく。それを見たマチャティも松明を元のスタンドに置くと、パフォーマーたちの輪に戻っていった。
「じゃあ俺は団長に呼ばれてるからよ。グラスにジュースを注ぐ練習でもしてな」
「あれならもう100回やってもミスしないさ」
ドグはルーディと話しながら近くにあった樽を持ち上げ、ルーディのステージまで運んでから蓋を開けた。中には葡萄のジュースが注がれている。ルーディにはワイングラスを手渡した。
「101回目でミスされちゃ困るってんだよ。いいから時間まで練習して……痛えッ!」
不意に携帯式の無線機からノイズが鳴り、ドグの耳に電気ショックのような痛みが走った。
ドグは顔をしかめながらも受信のスイッチを押す。無線機には番号も表示されており、見ると、団長からの連絡であることがわかった。
はじめは無線のテストかと思っていたドグだが、
『どこで油売ってんだ!早く来な!』
という怒号に、再び耳がビリビリと痺れてしまった。呼び出しを受けてもいつまでも姿を見せないドグにキレた団長からの怒りの無線だったらしい。
さらに顔をしかめながらも、ドグは無線を切ってルーディの方に向き直る。
「ちょっと行ってくる。お前は練習してろ。言わなくてもいいと思うが、樽に入ってるジュースを飲んだりすんじゃねえぞ」
「……も、もちろん」
少し慌てた様子で答えるルーディの口元は、すでに鮮やかな葡萄の色に染まっていた。ドグは何も言わずその場を後にした。
ちょうど会場全体を見渡せる高台に駐車されたキャンピングカーこそが、彼女が金を数えてほくそ笑むための団長室だった。
車体に描かれた巨大なピエロの頭はクラウンヘッドサーカス団のシンボルであり、周りにはピンク色の像や虹色のチワワもペイントされている。ドグは車のドアをノックして、「今来たぜ」と声をかけた。
ロックが外れる音がすると、一度ため息をついてからドアを開ける。すぐに凄みのある声が聞こえた。
「遅かったじゃない。いの一番に来いと話してたはずだけど?」
革製の椅子に腰掛けたまま鋭い目付きを作る彼女こそが、クラウンヘッドサーカス団団長のランジェナ・シュエップスである。
紺のスーツを着こなしながらもドレッドヘアにソンブレロを被るという奇抜にも程がある格好をしており、手にしていたチラシを机に置くと、ドカッと椅子に座り直した。
彼女の趣味の悪さはキャンピングカーの内側でも健在だった。あちこちにはピエロの絵や民芸的な木彫りの置物、甘ったるい匂いを放つアロマキャンドルまでもが並べられ、レコードからは60、70年代のヒッピー音楽が流れている。一見すると遊び人のような風貌ではあったが、彼女の険しい目付きは、ドグにますますの緊張を覚えさせた。
「一応、遅れた言い訳を聞いてあげる」
病死した先代の後を若くして継いだ現団長のランジェナだが、その目力や声色は、どのパフォーマーにも引けを取らないほどパワフルである。ドグはドアを閉めて一礼し、彼女の反対側に座った。
「ルーディがまた緊張してるみたいでよ。一括入れてやってたんだ。仕事が増えちまったんじゃ、遅れるのも仕方ないだろ?」
「あの子の緊張を何とかするのは元からアンタの業務でしょ?セラピストを雇ってる金はないんでね。他の誰かが相手じゃ、どうもガチガチになっちゃうみたいだし」
「『火を吹く男』とは中々打ち解けてるみたいだったぜ。今も同じステージで練習中だ」
立場で言えば圧倒的に下にいるドグだが、クラウンヘッドサーカス団の方針として、敬語を使わずにランジェナと話している。とはいえ、うっかり怒りのマッチを擦ることがないように、慎重に言葉を選んでいた。
「ご存じでしょうが、ビリージョーズ・ヒルでの公演は最後の稼ぎ時なの。ミスなくやってよ?また妙なトラブルが起きるのはゴメンだから」
「問題ねえ問題ねえ。今回は安全面もオールOKだからよ。芝生の1本だって燃やしはしねえぜ」
ランジェナは重たく響く声で言葉を投げつけていく。ドグは彼女の機嫌をうかがいながら、何とか上手いこと返答し続けた。
「それに、ルーディが参加する公演は、今回でラストなんだから。サマーシーズンが終わったら、学校という名の監獄に入ってもらうからね。それまでにキッチリ稼ぎ切ってもらはないと、あの子に目をかけた意味がなくなる」
「わ、わかってるぜ。もちろん俺も同じ意気込みだ」
ランジェナはしばらく睨むような目付きを作っていたが、ようやく表情を緩めると、机に置かれていたチラシに視線を移す。ドグはこっそり安堵の息を吐いた。
ドグはパフォーマーではなく、警備スタッフ兼ルーディの世話係としてサーカス団で働いている。
当然ながらプロの警備員を雇う金はないため、トラブルがあれば多少荒い真似をしてでも場を収めるのが彼の仕事だ。同時に、右も左もわからないルーディの世話も長いこと続けている。
ドグがこの職に着くまでには紆余曲折があった。元々は『足の指でピアノを弾くクラウン』としてサーカス団に雇われていた彼だったが、笑顔が下手すぎて解雇された。その後鳥を世話する係として再び雇われたが、鳥を逃がしてしまい再度クビに。それでもランジェナに慈悲をかけてもらい、色々な面に難ありだった新人パフォーマー、ルーディの世話係及び教育係として働き始めたのである。
ルーディの奇術を知ってからおよそ8カ月が経とうとしているが、未だにドグは、彼の世話に手を焼いている。ルーディとは歳も離れており、カウンセラーでもない彼には、解決できないトラブルの方がはるかに多い。
だが今ではどうにか、一人でステージに立たせる程度にはルーディを成長させることができている。ビリージョーズ・ヒルでの公演は、彼の力を証明してさらなる出世を目指すチャンスと言うこともできた。
「とにかく!もうアイツに火は使わせねえ。『火を吹く男』との共演も、当然NGだ。そもそも今のアイツには実力がある。みみっちい共演なんて必要ねえんだ!」
「またあんな面倒を起こしたら本当にクビを考えるからね?しっかりやってよ、しっかり」
そう言ってランジェナがタバコに火を付けようとしたそのとき、キャンピングカーの扉が勢いよく開いた。そして一人の団員が、えらく慌てた様子で中に飛び込んできた。
ランジェナは不機嫌そうにタバコをポケットに戻す。
「何?どうしたのさ?」
「ちょ、ちょっとトラブルが!様子を見に来た客が思ってたよりもいっぱいで、今から何か見せろと騒いでいる!」
駆け込んできた団員の言葉を聞いて、ドグは車の窓から外を見る。
先ほどの時点で何人かの見物客はいた。だが5分の間に随分と大勢が集まってきたようで、まだ何もパフォーマンスも始まっていないにも関わらず、多くの人が会場を歩いていた。
田舎には娯楽が少ないとは聞くが、こんなにも暇人どもが集まってきてんのか!と、ドグは外の様子を見て慌てた。
サーカスが始まるのは昼の12時からだが、キャンピングカーの時計はまだ10時を回ったばかりである。どのステージも設営やリハーサルの途中だ。
「ど、どうする?一度追い返して、帰らせるか?」
団員がそう提案したが、ランジェナは首を左右に振る。そしてドグと同じように窓の外を見つめると、何かを思いついたように人差し指を立てた。
「追い出すのはダメ。少しでもつまらんと思われたら厄介なイメージがつく。何とかして、今来た連中の相手をしてやるしかない」
「だがクラウンたちは朝飯を食べに出ているし、パフォーマーはまだ準備中だ!」
団員は焦りを浮かべながらそう言うが、ランジェナには策があるようで、一度椅子に座り直して無線機に手を伸ばした。少しだけ考える様子を見せながらも、素早くどこかに指示を送っている。ドグと団員は首をかしげた。
無線機を置くと、ランジェナは目の前の2人にも指示を告げた。
「今からフルスピードでチケットを準備するよ。『待て』を知らない客どものために、公開リハーサルを行うことにする!もちろん有料だけどね」
「公開リハーサル!?そこまでの準備はどこの誰もしてないぞ!」
「屋外にあるエリアEなら大丈夫。あそこに客どもを誘導しな」
ドグはランジェナの言葉を聞いて耳を疑った。
エリアEこと『未知との遭遇』ステージは屋外型のステージで、ルーディたちがパフォーマンスを行う予定の場所である。指示を受けた団員がキャンピングカーを飛び出してしまったため、ドグは慌てて止めようとした。
「ちょっと待て!そんな無茶が上手くいくわけがねえ!」
「確かに無茶だけど、他に手段がないんでね。あのステージの面々なら何とかなるでしょ」
「ルーディのことを忘れたのか!?」
ドグは今朝の様子を思い出しながら何とか指示を変えさせようとする。だがしかし、ランジェナには策を変える気は毛頭ないらしく、時計を指さしながら険しい表情を作った。早い話、リハーサルまで時間がないからお前もとっとと行け、ということである。
ドグは不満をつぶやきながらも、大慌てでキャンピングカーを出ざるを得なかった。
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