24日目③

ワイバーン討伐の依頼を受け、近くの山に来ている。


「はぁ...はぁ...この山高くない!?」


情報では山の頂上に出没しているらしい。

後ろから蟻が3匹着いてきてくれている。


「皆んな軽々歩いていていいな...あ、わざわざ人の姿で歩かなくてもいいじゃん」


あ〜楽ちん!


蟻の姿だと足が増えるから体への負担もない。


---


ここが頂上...


ワイバーンは...??


「ギィー!!」


危ない!!真上に居たのか!


20匹くらいが周りを囲んで飛んでいる。


空中歩行!上に回り込んで土操作!マッドバレット!!


ワイバーンの翼に穴を開けて地面へ落としていく。


蟻達は一対一で戦っている。残りは私が!



ホーリーレイ!



瞬く間にワイバーンが倒れていく。


よしよし。あとは蟻達が戦っている分だけだね。


援護も必要ないくらい3匹は完闘した。

ギルドに提出する分以外は解体して魔法バッグへ入れた。



次は下山かぁ...


---


「戻りましたー...」


「ミハルさん!お疲れ様です!1日で終わるなんて頼んでよかったです!山道の通行止めをやっと解除できます」


「それならよかったです。私はこれから用事がありますのでまた来ますね」


「はい!またすぐ来てくださいね!」


報酬を受け取った後すぐにミリアさんの元へ向かった。


---


「ミリアさん剣を受け取りに来ました」


奥からボロボロになったミリアが出てきた。

その手には細い剣があった。


「ちょうど良いところに来たわね。完成したわよ、あなたの剣が。東の国で言う刀かしら。」


真っ黒で細長い。見た目はまさに刀だ。けれど妖刀の様な雰囲気を漂わせている。


「ありがとうございます!凄い...何故かオーラの様なものも感じられます」


「そうよ?この剣には魔石を埋め込んでいるの。貴女が持って来た素材の中に魔石が複数個混ざって居たから、何個か入れているのよ。そのおかげで、かなりの力が出ると思うわ。」


「やっぱりそれって妖刀じゃ...」


「妖刀?良い響きね!名前は妖刀にしましょ!」


「いや、妖刀は名前じゃなくて総称ですけど...名前は打った人の名前を入れるものじゃ...」


「なら...妖刀ミリア...なんかピンと来ないわね...」


「安直ですが、黒切(くろきり)何てどうでしょう?」


「くろきり...良いわね!名前はくろきりで決定よ!」


新しく黒切を入手した。前より軽くなってさらに降りやすくなっている。


「そうだミハル。新しい武具や道具も完成したわよ。服屋と武具屋と道具屋の今日同作よ」


「今日同作ですか?そんなもの貰っても良いのですか?」


「今日の日中にワイバーンを討伐してくれたんでしょ?そのお礼よ。山道が使えないと、私達の商売も上がったりだったのよ。だから受け取って」


「なら、よければいただきますね」


裏から持ってきた袋の中には、巫女服と軽いアーマー、ブーツなどの一式が入っていた。


「巫女服???」


「作りにあたって東の国の文献を読み漁ったのよ。そうしたらこの服が出てきて、貴女の見た目ならこの服を着ればもっと可愛いし、正装だって読んだから...」


何かコスプレしているみたい...


袖を通してみると、意外にも動きやすい。


「何か力がみなぎってくる...」


「その服一式にも魔石が織り込んでいるわ。」


「こんなにして貰えるなんて...」


「いいわよ。ミハル、貴女から貰った素材に比べたら逆に足りないくらいよ。」


「何てお礼を言って良いものか...」


「その代わり装備一式不具合があったらすぐにもっと来てちょうだい。すぐに調整するから。」


「何から何までありがとうミリア」


---


装備一式持ち、巣へ戻り休んだ。

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