23日目②

100階層へ到達。雲よりも高い。


「誰だ。我の安息の地を脅かすものよ。」


「ダンジョン攻略をしている冒険者だ。そっちこそ誰?喋るってことは魔族?」


「あの様な下級の生物と一緒にするでないわ!!我は竜王。神話の竜の名を継いだ者だ。そこの少女の見た目をした魔物よ、貴様も何だ?竜の残り香を感じるぞ」


「竜王...竜の残り香?」


「女王様、失言をすみません...ヤツの威圧が凄すぎます。一旦逃げた方が」


「シユウ...もう入口が消えてるよ。」

「!!!」


「少女よ、貴様我と同じ竜を見たことがないか?」


同じ竜...??


「見た目が似ている...赤いトカゲ...喋らないトカゲ...なら...??」


「ほぅ...という事は貴様先代竜王を殺したな?いきなり消息が消えたと思ったら!貴様が!!」


ブレスが来た。

ファイアーブレスで対抗する。


「先代ってなんの事ですか!?話し合いしませんか!?」


「黙れ小娘。貴様も喋れなくなった先代を無慈悲に殺したんだろう?」


「いゃ...私も襲われたと言いますか...」


「滅べ。ホーリーレイ」


「マモル!2人を全力で守って!!光には闇!!ダークレイ!!」


見様見真似で光の槍に対して、闇操作で作り出した闇の槍で対抗する。も、押し負けた。


「くそ、闇操作の練度不足だ...」


「小娘よ良くぞ防いだ。これならどうだ。オーバーレイ」


虹色に輝く雨の様に全属性の槍が降り注ぐ。


「全部捌くのは...岩操作!電光石火!!」


岩操作で3人を守りつつ、電光石火で槍を交わす。


「これも交わすか。ならば、ウェザーコントロール。雷雨。」


晴れていた天気が急に雷雨に変わった。


「小娘。次はどうする。火球。」


竜王が出した火球が雨の蒸発させ、辺りに霧を発生させた。


「雷鳥」


四方八方から雷で出来た鳥が飛んでくる。ギリギリまで見えない、交わすのが紙一重だ。


「風操作!ハリケーン!!」


自身の周りの空気を回転させ風斬を組み合わせる事で、雷鳥打ち消す。


「ファイアーブレス!」


いつの間に背後に!


「ウォーターブレス!」


「このファイヤーブレスも耐えるか小娘!!スキル炎竜」


竜王の体がみるみる燃えていき、スキルの名前の通り炎を纏った竜になった。


「小娘は水扱いがまだ弱いとみた。さぁこれならどうする!フレアショット!」


水と闇の同時使用の物量で対処するしか...


水の槍と闇の槍を連続発射させる。


火力が違いすぎる...


けど!こちとら知識がある!


炎操作!蜃気楼!


姿だけをその場に残し、竜の後ろへ電光石火で移動する。


粘着糸を束ね太くし、周りに張り巡らせる。


電光石火で元の場所にバレないように戻る。


「火焔球!」


炎の玉が飛んできている。当たらないように交わしつつ、粘着糸の所に少しづつ誘導させる。


「ぬお!?」


糸に絡まり巨体が倒れる。


「これならどうだ!!」


上空から巨大な岩を落とし、さらに地面から大量の岩の槍を展開する。


流石に硬い身体を持ってしても、タダではすまないはず!


「く、何をこれしき!」


「これでも耐えるの!?」


粘着糸を追加で足に絡ませ翼もグルグル巻にして行動を封じさせる。


「はぁぁあ!」


体の炎で糸焼き切ろうとしている!?やばい!


「岩操作!巨大岩落とし!!」


さらに上空から岩を落とす。


「がぁぁぁ!!」


ようやく串刺しにできた。

念の為追い打ちを...


竜王の地面を沼化させ、体を半分埋まった所でガッチガチ固める。


「認めるしかないか...」


「なんの事?」


「神話の名をだ」


「神話?」


「あぁ、小娘が今までにやった事だ。とりあえず、ここから出してくれないか...」


竜王は地面から抜けだしおもむろに話し始めた。


「先に、小娘が神話の名を名乗る事を認めよう。」


ステータスを見ると名前が【m@t&#log# Queen】の表記から【mythology Queen】になった。


「文字化けが... mythology...神話?」


「そうだ。お前が先代竜王を殺して神話の名を引き継いだのだ。」


えっと...あのトカゲ、竜だったのか...


「あのー、先代竜王は貴方よりだいぶ弱かった様な...」


「先代は老竜だったのだ。力も体力も100分の1しか無かったのだ。」


「そうだったのですね...ついでに聞きたいことが...名前の文字化けが無くなったけど、スキルの文字化けがまだなのですが...」


「ふむ、実際ステータスを見たわけではないからわからないが、大罪スキルでは無いか?」


「大罪...?」


「我も全ては知らないが、大昔大罪スキルを持つ2人と会ったことがある。強欲のスキルを持つ者とは戦った。色欲のスキルを持つ者は現魔王だ。」


話の情報量が多い!

大罪スキルなんて使ったことないし、生まれた時からあった気がする...


「何で私がこんなスキルが...」


「魔王とは一度話したことがある。あやつはこんな事を言っておった「こんな力なんてなければ普通の生活を送れたのに」とな。」


普通の生活...って、私蟻だから!普通も何も無いんですけどね!?


「いろいろ教えてくれてありがとうございます。」


「困ったらここに来るが良い。アドバイスくらいはしてやる。」


---


100階層に魔法陣作り巣へと戻った。


シユウ、マモル、レイも蟻の姿へと戻り仕事へと向かった。


あんなに戦ったのに凄いなぁ...


私は寝よ...MP無いし...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る