22日目

朝起きたら、この巣でもご飯が既に運ばれてきている。


変わり映えのしないご飯をいただきながら、気になっていたお宝の確認をする。


呪われてそうな武具


何でも切れそうな剣


大魔導師が使っていそうな杖


いろいろな魔導書


装飾がすごいアクセサリー


宝石がふんだんに使われている小物類


「どれもこれも、売ったらたくさん金貨が貰えそうだけど...売っていいものか...お?」


人間が瞬間移動?ワープ?している絵が書かれた魔導書があった。


「読めない...何とかして読めないものか...魔法で何とか...」


目頭に集中して唱えてみる。


「読めろー、読めろー...」


光と闇のスキルが言葉を読みやすい様に形作った。


「何々...光魔法でこの魔法陣を書く...全く何を書いてるわからないのに!かけるわけないやん!!」


悩んだ末


光操作で本のページをコピー


そのまま地面にペースト


「できた!魔法のコピペ!!」


本を読み進める。


「魔法陣を消されない限り、自分の意思でワープ場所決めれるだって!?何これ凄く便利!これなら、街の巣と村の巣を繋げられる!」


村へ帰る前に、街やその付近の森、巣のいろいろな場所に魔法陣を書き残した。


これからもっと大変になりそうだから、念の為に働き蟻をもう100召喚しておく。


「さてと!村へ帰りますか!」


---


何事も問題無く帰ってくることができた。


ステータスで巣の状態を見てみると、だいぶ広がっている様だ。階層が4階層ほど増えている。


「ギィ!」皆んなに渡したいものがあります!


魔法バッグを遠征組に渡す。

特注で大きめに作ってもらったから、大きな蟻でも使えるサイズだ。


「ギィギィ」これで明日から一つずつ運ぶ必要は無くなった。いつもより遠い居場所に行ける様になったし、バッグに食べ物をたくさん入れに帰ってきて欲しい。


皆んなわかってくれたのか頷いてくれる。


---


女王の元に行ってみると


小さな蟻達が生まれている。良かった良かった。無事に皆んなが産まれてきてくれている。


蟻の子供達は色々な所を探検したり。働き蟻の手伝いをし始めている。


産まれたばかりなのに...何て頑張り屋何だ...

この子達は栄養価の高いものは必要なのだろうか...?


でもこの世界昆虫ゼリー的なものを作れるだろうか...?スライムを使えば行けるかな?


他にも高栄養ものを作るためにそろそろ料理に着手しなくては...


「...!?」


大きな爆発音が聞こえてきた。


ステータスから巣の状態を確認すると出入り口が攻撃されているだけで、ゲートキーパーを突破されてはいない様だ。


産まれたばかりの蟻達が何匹か外に!!


急いで向かった。


---


冒険者か?


「!?」


小さい子供達が縛られ連れ去られそうになっている。


「おい、貴様ら。子供達をどこへ連れて行くつもりだ」


念話で聞く。


「おいおい、でけーなー...尻がデカい所を見ると、あれが親玉か?」


「後それに今頭に直接質問してこなかったか?」


「間違いなく聞こえましたよ」


「ヒッヒヒ...そうだなぁ、これは不味いかもしれねぇなぁ死んじまうかもなぁヒッヒヒ...」


「魔物何て置いて逃げましょうよ!」


「逃げれるなら逃げてぇさ...周りを見てみろ」


既に蟻達は周りを囲んでいる。流れるわけがない。


「聞いているのか。私の質問に答えろ」


「どこに連れて行くって事ですよね、奴隷市場ですよ」

「お許してください!アントクイーン!私達は普通の魔物を捕まえていただけなんです!魔族の方の巣だとは知らなかったんです!お許しください」


「我が子供達を傷つけたんだ。タダで生かして返すと思っているのか?」


「ご慈悲をぐだざいー!!!」


「...」


泣きながら土下座している男を糸で拘束する。


次の瞬間、ボスらしき人間が子供に武器を向けた。


風斬


「コイツを助けて欲しければ俺をここか...ら?」


「ボ...ボス!!」


「おい、誰かボスが切られる瞬間が見えた奴はいるか?」


「俺は何も」


「僕も何も」


人は風操作Lv8の風斬は目視することが出来ないらしい。


「ギィ」拘束している人間以外は好きにしていいぞ。


人間は蟻達の餌となった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る