20日目①

朝はミニ蟻の視野共有で巣を見る。


「第二女王を中心に皆んなちゃんと働いているね」


卵も順調の様だ。何か、数が増えている様な気がする。


泊まった宿屋の部屋でミニ蟻を新しく召喚する。

この街での情報集めには良いだろう。


朝早から魔法道具店へ向かった。


「すみませーん...誰か居ますかー?」


ローブを着ている人が奥から出てきた。

見るからに怪しい。ホコリをかぶっている。


「何用ですじゃ?」


可愛い声!!


じゃなかった...


「私は魔法バッグを買いに来たのですが」


「あなた、なにもの?」


一定の距離を保たれている。

警戒しているのかな?


「私は駆け出しの冒険者で、新しい魔法バッグが欲しくてきました」


「違う」


「えっと...近くの村におりまして...」


「違う」


頑なに否定している。


「何が違うのでしょうか?」


「その放つオーラ。人じゃないじゃろ」


「えっと...」


頭を見せる。


「何だ亜人か」


「亜人...ですか?」


「そうじゃ。世界には亜人と言われる。人族とは異なる種族もおるのじゃよ」


そっか...変に隠さなくてもよかったんだ。これからは自由な服装ができそうだ。


「ちなみに、お前さんはどの種族なのじゃ?その様なツノは他の者には見た事が無いが...」


「ツナじゃ無いですよ?触覚です。私は蟻ですし」


「何じゃと!??」


「??」


距離を取られ杖を向けられる。


「えっと...蟻って変なんですか?」


「何をからかっている。貴様は魔族何じゃろ!」


「魔族?」


「お前さん...本当に何も知らんのか?」


「すみません...何しろ、生まれてそれほど経っていなくて...」


「はぁ、まぁ、なんかすまないの。とりあえず座るが良い。」


作業場だろうか、奥に通された。


「それで?お主、本当に魔族じゃ無いのじゃな?」


「そうですね?」


「なんじゃその歯切れの悪い回答は」


「魔族について教えてもらっても良いですか?」


ため息をつきながら教えてくれた。


「魔力を持った生き物が数100年、数1000年の時を過ごすと、人の姿になることができるようになるのじゃ。そ奴らの多くは魔王に勧誘をうけ、魔族として魔族領で過ごしているのじゃ。」


「それってつまり、私も魔王から勧誘を受けるという事ですか??」


「少なからずそうじゃろうな。しかし、お前さんは産まれて数日と言ったな?」


「はい」


「という事は、お前さんの存在は魔王には届いてい無いとも考えられる。」


「魔族になれば良いことってあるんですかね?」


「知るわけ無かろう!魔族は人族の敵じゃ。」


「何か、すみません」


しばらく沈黙がつづいた。


「それで?何しに来たんじゃ?」


「そうでした!魔法バックが欲しくて。」


「そうじゃったのか...すまんが今素材がなくてのぉ。そうじゃ、ダンジョンに素材取りに行く手伝いをしてくれんか?お前さんはさぞ強いのだろ?」


「強いかわかりませんが、頑張ります!」

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