18日目

朝起き女王の部屋へ行くと、卵がさらに増え30個程になっている。中身が若干見え、大きくなっているのが分かる。


このまま、蟻達が増えると食料不足になる。

ただでさえも、巣の周りの動植物が少なくなってきているのに。


蟻達に動物飼育を教えても無理だろうな...


そもそも捕まえてくるのが大変すぎる。


長距離遠征も考えなくては...でも、どんどん蟻達が増えれば食事も増える。


一体どうしたら!!


魔法バッグが沢山あれば、遠くからの食事を運べるんじゃ??


魔法バッグはどこで買えるんだろう?


---


ギルドに来てみた。


「すいませーん。聞きたいことがあったのですが...」


「ハルミさんどうしましたか?」


「魔法バッグがどこで買えるのか聞きたかったのですが」


「魔法バッグですか?ここら辺で買えるのは、村を北に進むとあるマーズガルトって言う街に一件帰るところがあるかな。この辺りだと唯一の魔法道具店になるわよ」


「そうなのですね。私マーズガルトへ行ってみようかと思います!」


そこで魔法バッグを買えれば、巣の食料問題が大幅に改善出来る!


「急ぎの用事でなければ、お願いしたい依頼があったのだけど...」


「何ですか??」


「西の森に狼の群れが発生したらしくて、この村で森に行けるのがハルミさんしかいないから...」


「えぇ!そうなんですか?あそこで飲んでるお兄さんたちは...?」


「あー、ダメよ。あいつらは、強くも無いのに護衛依頼しか受けないタダのオッサンよ」


この間、馬鹿にしてきたオッサンたち、ビギナーにいびって居ただけなのかよ!私がビビって損した気分。


今日はその後すぐに討伐へ出かけた。


のだが、


「嘘でしょ...」


蟻達にその話をすると、既に倒し終え運んでいる最中だった...


「有能過ぎて...なんと言いますか...困るなぁ...」


蟻達もその言葉に困った様子だ。


「ごめんね、やっぱり大丈夫。素材だけ貰うから仕事を続けてね。」



森と村の往復1時間しか、時間はかからなかった。


「狼討伐終わりましたー」


「え?本当ですか?早くないですか?」


ですよね、私も早いと思いますよ。


「たまたま森に入ったらすぐに狼がいまして...」


「村の近くにいたのですか!?村の守備と結界を厚くしないと!!報告ありがとうございます!後ほど報酬をお渡ししますので、今日のところはすみません!!」


いきなりギルドが慌ただしくなってしまった。

本当に申し訳ない。苦しい言い訳が大事になって。


今日は早めに帰り明日の準備をすることにした。


何があるかもわからない為、レベルの高い蟻3匹のみ連れて行くことにした。


3匹と自分の食料。人間姿の着替え。お金。この程度しか持っていくものがない。まぁ大丈夫だろう。きっと。


巣を何日空けるかもわからない。

念の為に眷属召喚で増やせるだけ増やしておくことにする。


あーー疲れたー...今日だけで200匹は増えただろう。


MPが足りなくなってきた...ねむい...たおれ...る...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る