光編 第四章「Adolescence」

※ネタバレあり 光編 これまでのあらすじ

 プロローグから光編・第三章終了までのあらすじです。ネタバレを含んでおりますのでご注意ください。



【プロローグ】

 時は西暦2021年。大国間の秘密協定によって設立された『連合』の怪現象捜査官である市ノ瀬ナオキは、西アジア某国の研究施設を訪れる。元交際相手である所長・清水に案内されたナオキは、干上がった塩湖の地下空洞で巨大な塩の結晶に閉じ込められたユニコーンと対面する。それはかつてナオキが調査したある事件の発端となった未確認生物だった。


 時は遡って西暦2020年。


【光】編

 東京から岩田屋町に引っ越してきた高校二年生・浜岡光は、転校初日の朝、ノーパンで自転車を漕ぐ女子高生とすれ違い、ショックの余り川に転落する。


 なんとか学校に辿り着いた光だったが、思ってもいない『暴言』を吐いてしまいヤンキーと喧嘩沙汰になってしまう。光には自分の意思に反して暴言を吐いてしまうという悪癖があった。それはまるでもう一人の自分が、自分の口を借りて喋っているような感覚で、幼少期から光を困らせ続けているのだった。


 ヤンキーとの喧嘩に割って入ったのは、朝に出会ったノーパン女子高生・浅倉撫子だった。可憐な外見に反して『町内最強のセイブツ』と恐れられる撫子は、目にも止まらぬ一撃でヤンキーを片付ける。だが光は、その撫子にまで喧嘩を売るような暴言を吐いてしまう。ヤンキーに続いて片付けられそうになった光を助けたのは、アイドル研究部部長の忍と、クラスメイトのシュウだった。忍は撫子の強さの本質がそのアイドル性にあると言い放つが、撫子本人はそれを聞いて呆れて立ち去る。同時に忍は、光の母親が伝説のアイドル・浜岡ミハネであることも見抜くのだった。


 翌日、光が暴言を吐かないように監視すると宣言した撫子に対して、シュウは「全員でアイドル研究部に入って一緒に過ごそう」と提案する。拒否する撫子だったが、その場に現れた幼馴染の澄乃に促されて渋々入部を決める。


 アイドルなど自分らしくないと「岩田屋にくにくフェスティバル」のステージに出場することを一度は拒否した撫子だったが、光とのやりとりを経て出場を承諾する。光は、懸命に正しくあろうとする撫子が自縄自縛に陥っていることに気がついていたのだった。夏休みに入ったアイドル研究部一同は、稲妻禽観神社の境内でステージに向けて特訓を開始した。


 光の『暴言』の正体とは何なのか。神社の社殿の天井に描かれた怪鳥と撫子の関係は。そしてそもそも、なぜあの日、撫子はノーパンだったのか。様々な謎を秘めたまま、アイドル研究部の夏は加速していく。

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