結城編 第四章「純情アクション」
※ネタバレあり 結城編 これまでのあらすじ
プロローグから結城編・第三章終了までのあらすじです。ネタバレを含んでおりますのでご注意ください。
【プロローグ】
時は西暦2021年。大国間の秘密協定によって設立された『連合』の怪現象捜査官である市ノ瀬ナオキは、西アジア某国の研究施設を訪れる。元交際相手である所長・清水に案内されたナオキは、干上がった塩湖の地下空洞で巨大な塩の結晶に閉じ込められたユニコーンと対面する。それはかつてナオキが調査したある事件の発端となった未確認生物だった。
時は遡って西暦2020年。
【結城】編
岩田屋町役場で働く非正規雇用のアラサー男・結城未来は、場末のソープランドで出会った泡姫・アイに恋をする。共通の趣味である競馬の話題を通して結城とアイは親密さを深める。
二人はG1レース宝塚記念で初めての店外デートをするが、結城は最後の最後で告白のチャンスを逃してしまう。アイのことが頭から離れないまま、結城は役場の職員として町おこしイベントである『岩田屋にくにくフェスティバル』開催のために仕事をこなす。
ジビエ料理に関する打ち合わせのため、同僚である北村マナと槻本山の猟師・新渡戸キリンジの元を訪れた結城。キリンジの独特の佇まいは結城の心に深い印象を残す。
その数日後、結城は北村とのやりとりをきっかけに、風俗嬢であるアイを自分が交際相手として受け止められるのかを悩むようになる。そんな結城の元に、アイから「遊びに行くから家に泊めてほしい」というメッセージが届く。
結城は喜んで準備してアイを待つが、アイから直前になってキャンセルのメッセージが届く。悲嘆に暮れる結城。しかし、アイはなぜか心変わりをして結城の元にやってくる。「自分は嘘つきだ」と涙を流して謝るアイを、結城は深く追求することなく受け入れた。
その日から二人は一つ屋根の下で暮らすようになる。客と嬢という一線を越えた結城とアイは、岩田屋町の小さなアパートでまるで本物の恋人のような関係を築いていく。
アイが言っていた「嘘つき」とは何を意味するのか、アイが岩田屋町を探検中に見た『馬』とは何なのか、結城はそんな違和感に目を瞑ったまま、二人で過ごす時がいつまでも続くことを願った。
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