第二話 四十九院末明と仲間たち

……どうしてこうなったのじゃろう。儂にはようわからん。いや、歳をとったというのは分かるのじゃ。とはいえ、何故のじゃロリにならねばならんのじゃ。

「可愛い……」

「この子が隊長っすか?」

「よろしくぅ~」

……どう考えても舐められてるのじゃ!

「うぬら、儂をあまり撫でるでない。殺すぞ」

こんなことを1m足らずの身長で言ったとて、まるで効果など無いのじゃが。

「そのツンツンが尊い……」

「妹みたいで止められないっす。一人っ子には刺激が強すぎるっすよ」

「えへへ~しゅき~」

……こやつら、脳が溶けておる。まぁよい、紹介しておこう。儂、四十九院末明はのじゃロリになってしもうた。ロリの方は進んでなったわけじゃが、何と言うかの……のじゃの方は、恐らくこの身体のせいじゃ。

開発者曰く、[魔法素体は、そもそも別の生物なわけで、脳を移植した後身体と定着するうちに脳の構造が変化する。特に、魔法を使うにあたって非常に重要な役割を発揮する上に言語野でもある前頭葉は大きく変化する。その結果がその口調なのだろう。]とのことじゃ。いや、だからってのじゃロリになる理由が分からんのじゃが?

「隊長、可愛い。私の養子になって」

「阿保か」

儂をこうして最前線で撫でまわしよる輩。こやつは久佐〔くざ〕友里菜〔ゆりな〕三等陸尉。黒髪黒眼のショートヘアのチビ…と言っても144cmほどで儂は大きく見上げなければならんが。元特科の所属で、榴弾砲の装填手をしておった。今は工兵じゃ。

「僕ちゃんまじで幼女に耐性無いっすわ。自衛隊で鍛えて無かったらもう意識飛んでるっすよ」

「馬鹿か」

儂を久佐三尉の後ろから撫でてきよる、翠髪碧眼のロングヘア―のノッポ。身長204cmとかいうバスケ選手でも高いレベルの巨大さを誇っておるこやつが、耒田〔らいた〕粕〔はく〕一等陸曹。元S…自衛隊最高の特殊作戦部隊である特殊作戦群に所属した優秀な自衛官で、今は狙撃兵をしておる。

「私もこんな妹が欲しかったですぅ~」

「変態か」

そして、儂の後ろからその豊満な胸を押し当てて抱き着いて来よる紫髪紫眼のデカブツ。こやつは俵井〔たわらい〕和沙〔かずさ〕陸士長。元第一空挺団所属の自衛官であり、こんな朗らかな笑みを浮かべてはいるものの左頬の切り傷が物語っているように歴戦の猛者じゃ。今は突撃兵をしておる。

この阿保と馬鹿と変態どもと儂の四人だけで結成される部隊。それが【陸上自衛隊第13普通科連隊本部管理中隊第1魔導分隊】なのじゃ。

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