焔と鋼の子守歌 ~最強のじゃロリの戦場日記~

HerrHirsch

第一話 四十九院末明の転生

私、四十九院〔つるしいん〕末明〔ほのか〕は転生した。と言っても、異世界に転生したわけではない。私は、この地球という星で、脳を移植し、生まれ変わった。

「んんっ……。」

全てが違う感覚。立ち上がる事さえ容易ではなく、体のコントロールは効かない。でも、それでも、私には絶対的な確証があった。

「あうぐぇあ。」

転生出来た。口さえまともに利く事は出来ないが、それは大した問題ではない。これから努力と根性で何とかすればいいだけの話だ。四十九院末明49歳、50歳の誕生日の今日、0歳目を迎えました。



2033年1月1日。新年を祝うニューヨーク、マンハッタンのタイムズスクエアは、新年を迎えて数秒で、地獄に変わった。

――【魔物】――

それは、魔力を活動エネルギーとした強力な野生生物。異惑星【別なる地】、【エクストラオーディニア】と呼ばれるその星から、長駆ゲートを通り転移して来た、人類の敵。同時にあふれ出した魔力による魔法使いの出現と混乱、魔物たちによる軍事機構の壊滅に伴い、それまでの世界秩序は消滅した。


日本も例外ではない。北海道を中心として行われた反抗作戦。しかし結果は壊滅、自衛隊は自国を守る術を失った。その後は自治体を中心として極値防衛へと舵を切り、各地の駐屯地周辺へ人口が移転した。世界の総人口は二桁減少。2040年現在では、8867万人であると確認されている。


そんな中、人類の反撃の手段が開発された。ある日本人が魔物のDNAを解析し、魔法を効果的に活用できる人間型素体の作成に成功。そして、これに人間の脳を移植することによって、即効性の強力な兵士を作り出すことが出来る。私は、進んでこの実験に志願し、49年付き合ってきた身体に別れを告げた。



これからだ…これから、人類による、奴等への復讐劇が始まる!

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