第45話、そうして自分は
それから自分の生活は普通に戻ったと言うべきなのであろうけどやはり恩人である蝮さんの事を誰も覚えていてくれないことにやはり残念というかアンナたちに対して前みたいな感情は抱かなくなっていたのだ。
別に嫌いではないのは間違いではないのだけど前に比べて何とも思えなくなってしまった。
その為に自分から距離を置くようになってきていた。それとアンナにお世話になり続けるのは良くないとして住む場所を探していた。
お金はそこそこあるので別に大きさなど考えないでいけば見つかる程のお金はあるのだ。
けれどもアンナたちは前よりも何かと自分に近づいてくるように感じられた。それが自分からすれば少しばかり困ったなと思ってしまうほどであった。
それと渡辺通さんたちには父親の元に帰ってご奉公をするようにお願いをした。正直に信用ができないと言うかしたくもないという気持ちが強く追放するように追い出した。
向こうもこちらがあんまり好んでいないことは感じていたらしく素直に出て行ってもらった。
そうして自分は一人でいる時間が多くなった・・・いや、正確にはドラドラは一緒だから一人ではないかもしれないけど口を話してする相手はいなくなっていた。
今回は自分からそうしたのだから当たり前だけど、それにしてもこの世界に想像以上に未練がなくなってしまったのだ。
蝮さんが死んだからそれとも恩人を忘れて平気な顔で皆が生きているからそれともいくらギリワン・ボルケーノのせいだったとはいえ裏切った皆を許せないから・・・それともそれら全てが当てはまるからと考えてしまっていた。
この世界にいる以上はこのようなことが思い出して心から楽しめることができるのか。
いや、それは難しい事かもしれない。ならば自分は何をしたいのかじっくりと思い出すことにしよう。
昔に何になりたかったのか、夢は何だったのかを思い出していた。そう、昔に自分はあるものになりたいと言っていたことを思い出して自分は昔に英雄フェニックスみたいになりたいと言っていた。
そして手元にはその英雄フェニックスが使っていた流星刀があるのだ。これは運命かも知れないと感じたのである。
自分も英雄フェニックスみたいに多くの人たちを救うために生まれてきたのかもしれない。
少なくても自分には英雄フェニックスみたいに多くの人たちを救える力はあるのだ。
ならばその道に進んで行こう、そうすればまた新しい出会いが待っているかとしれないから。
そう心を決めた自分は密かに旅の支度を始めていた。異なる異世界に行く方法は既に流星刀から読み取って覚えたのでそこは心配はなかった。
問題なのは自分の行動で他の者たちがどのように動くことかという点だけである。しかし、そんな者たちでも追撃できない場所がある事は知っている。
その場所はきさらぎ駅でありそこは危険な存在が多くいると言われている場所であるが逆に言えばそこで修行も出来てしまうと考えたのである。
そうして強くなったあとは英雄フェニックスみたいに多くの人達を救って見たいと考えていた。
きっとこんな性格や夢を持っているから流星刀も持てるようになったのであろうなと感じるのだった。
そうして自分はすきを見て自主退学の手紙と貴族の位の返還の意志を示した手紙を書き残してアンナたちにはお礼とこれまで掛かったお金なども全て置いてドラドラともここに飼われた方が幸せになるのは見えているのでドラドラを置いていくことにした。
するとドラドラはとても寂しそうな声を出して呼び止めてきたけど自分はドラドラに対して一声をかけるのであった。
「ドラドラ、これからはアンナの事を主だと思って精一杯可愛がってもらってそしてアンナのために頑張れよ。無責任だけどごめんな、これかは向かう場所はお前を守ってられない場所なのだから」
そう言い残して自分は荷物を整理して来た時と同じようにしてから屋敷を出て行った。
この世界からきさらぎ駅に向かうには裏ダンジョンと自分と蝮さんが出会った場所のちょうど中間地点にあるみたいで自分はそこに向かって歩き始めるのであった。
蝮さんはどうやらそこから毎回にこの世界に来る時に通っていたらしいのでそこから自分も向かう事にしたのである。
さて、余計なことになる前に辿りつけば良いのだけどなと考えながら向かうのだった。
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