第41話、いざ決戦へ

それから自分たちは時を待っていると遂に姫様が正式にまた会ってくれる事になり自分はこの時こそ勝負の時だと考えて作戦を練っていた。


まずは自分が普通に魔王城に入ってからしばらくして空から魔王城に侵入して一気に山中鹿之助を討ち取ると言うシンプルな内容かも知れないが予想できる相手は山中鹿之助並びにタスエール、そしてタスエールを守る兵士達のみなのでそこまでは多くはない。


それに作戦には姫様であるユユリちゃんも参加してくれるというので戦力としては間違いなくこちらが多くなり地の利もユユリちゃんが味方なので不利になることはない。


それに屋内であれば飛んで戦うにも限界があり飛べない自分からすれば間違いなく戦いやすい地形になっている。


勝ち目は大いにあると考えて自分は決戦に望んで魔王城に向かうのだった。


一人で来たように見せているので普通に今回は魔王城の中に入り込む事に成功した。そうして歩いているが一向にユユリちゃんの姿が見えることがなく心配になってきていた。


もしかして作戦が敵にバレてしまったのだろうかと可能性を考えて周りを警戒しながら歩いていた。


そうしている間にも自分はタスエールと山中鹿之助がいるとされている部屋に辿り着いてしまった。


味方がここに助けに来るまでは時間があるので少しばかり心配をしたが自分がそれまで戦っていれば何も問題はないとして扉を開いて中には入り始めたのである。


そこにはまるでこちらが来ることが理解してきたように待ち構えていた。あの様子から見て間違いなく計画はバレてしまったのであろう。


しかし、自分かその分だけ補えることが出来れば何も問題はないとしてタスエールに視線を向けながら歩いていた。


するとタスエールがお前は臣下なのに礼儀をしないのかと指摘をされたけど自分はそうですね、殿下の隣にいる不気味な男をなんとかしてくれるのであれば何事もなく礼儀ができるのですけどと答えるとタスエールはこの男はわしにとって大切な部下であるからと断った。


ならば残念ですがそれは難しいですねと残念そうな顔をして答えた。そうして自分は視線を山中鹿之助に向けてから話を始めたのである。



「山中鹿之助!お前が何を企んでいるのかは想像ができる。そしてその野望を阻止するためにここまで来た」

「なるほどここまで来るとは腐ってもテンガ・ヒノモトの子供だけはあるな。ここまで来る実力にその勇気は認めてやりましょう。それにしてもそんな奴が毛利からそのような勇士が現れたことは心の底から残念であるがな」



だからこの人はどんだけ毛利家が大嫌いなのですかと思うほどに嫌っていた。


そこはともかく自分はギリワン・ボルケーノは何処にいると尋ねるとタスエールは笑いながらそれはわしだなと答えた。


なら本物のタスエールは何処にいるとギリワン・ボルケーノは本物は既にわしが喰ったと言ってきた。


喰った?と意味が分からないでいるとギリワン・ボルケーノは笑いながら説明をしたのだけど既にタスエールの魂はこのギリワン・ボルケーノに食べられて完全にないと言うのだ。


そんな、いくら何でもと思っているとギリワン・ボルケーノは悔しい表情をしながら言い始めていた。



「それにしても本体の体があの蝮に完全に破壊されてしまった上に多くの手駒を失うとはわしの最大の失態だ。だけどそれも目の前のお前の魂を喰らえばわしはまた強くなるのだからそこはあんまり気にしないがな。蝮も殺せた事だ、わしの野望を阻止する者はいなくなった事を考えれば悪くはないがな」

「自分の魂を喰らう・・・そうやって前世で父親であったテンガ・ヒノモトを喰らった訳ですか」

「なるほどな、あの蝮から聞いていたのか。その通りだと言っておこう、テンガ・ヒノモトを喰らい、お前の母親であるアリシアを寝取ったとも言えるかな」



・・・このギリワン・ボルケーノは全ての元凶とも言える存在なのは間違いはない。何と言うか魔王みたいなやつだなと思いながら武器を抜いて構え始めたらギリワン・ボルケーノがおやおやそれは流星刀ではないかと言って刀を面白い物を見つけたように見つめていた。


するとギリワン・ボルケーノがその刀が欲しいからわしに寄越せと言ってきたがこれはそう簡単に渡せる物ではないと言って戦いを起こそうとしたその時に背後から殺意を感じてすぐに反応して回避した。


背後からは氷と雷の魔術が襲ってきていた。危ない、伏兵でもいたのかと思っているなら姿を現したらどうだと言うと足音が聞こえてきてこちらに迫りくる音が聞こえてどんな奴なのかと待ち構えていると自分の目には信じられない人物たちが現れたのである。


それはアンナとテティスさんであり二人が自分に攻撃をしてきたのかと信じられないと思っているとギリワン・ボルケーノが笑いながら自分に対して言ってきたのであった。



「フッフッフッフッフッフ、お前は先程の話を聞いていなかったのかな。それとも考えるだけの力はないのかな、わしは寝取りなどが得意なことは話を聞いて理解していたほうが良いぞ。そう考えればこうなる事ぐらいは予測はできるものであるがな。次があれば参考にしてくれ、次があればな」



嘘でしょう、二人がいつの間にかに寝取られていた。アンナはそこまで好感度は上がっていなかったような気がするからともかくテティスさんはかなりあったはずなのにと思っていたら遠くから意外ですわねと言ってから自分を見ている者がいること確認した。


その人物はユユリちゃんでありもしかしてと思いでギリワン・ボルケーノの方を見るとお前の考えている通りだと言われて自分はこの作戦を実行するのは難しいとして撤退戦をする事も考えていた。


流石にここまで敵が多いと負ける可能性が高く、勝つ為にも逃げるべきだと思っていたその時に空から攻撃をして屋根を破壊して現れたのは渡辺通さんとジュリアそしてその部下達でありせっかく来てもらったのに悪いけど撤退戦をしても宜しいかなと聞いてみた。


すると渡辺通さんはいやいや、この好機を逃してはなりませんよと言ってきたので自分は駄目な理由をすぐに伝えて撤退戦を開始しようとしたけどそれでも渡辺通さんが何を言っているのか分かりませんか若様と言われてどんなことだと思っていた次の瞬間に自分は斬られたのである。



・・・渡辺通さんに・・・どうして・・・まさか、裏切ったのと聞くと渡辺通さんは残念ながら裏切ったつもりはありませんよと言ってからギリワン・ボルケーノに対して礼儀をしてから言うのだった。



「殿、ここまでアクトを連れてくる任務は終了をしても宜しいでしょうか」

「構わない、通。御苦労だったな下がっても良いぞ。それにしてもここまで良くも騙せてものだな、お前の演技力に驚かされるよ。ついついわしも騙されてしまいそうなぐらいだからな」

「いいえ、殿の演技力に比べたらまだまだで御座る」



そう話しており自分は完全に騙されていた訳であり、それはもしかしてジュリアもなのかと思っていたらギリワン・ボルケーノがその疑問に答えてくれた。



「そうだ、冥土の土産に教えておいてやるがそこにいるジュリアのエルフは元々はお前のことが好きだったらしいから楽しんで寝取ってやっただけは教えておいてやるよ」



そう言いながらギリワン・ボルケーノは笑いながら自分を見つめていた。周りには敵しかおらず自分の身も傷がついてしまった。


まさしく絶体絶命と言える状況に置かれてしまったのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る