第40話、良い話と悪い話があると言われたら

自分はそれから夏休みの間は領地内でしっかりと統治をしてゆっくりとしていた時に渡辺通さんがとても複雑している表情で報告がありますと言ってきたのであった。


何だと思って聞くことにした、まずは嬉しい報告と悲報な報告が2つありますが何方から聞きますかと言われたので自分はなら嬉しい知らせからと言った。少しでも喜ぶ時が欲しいから嫌なことは後で聞いて考えようとしたのでその方針にした。



「それではお伝え致します、若様・・・まずは我々の悲願であった、ギリワン・ボルケーノを遂に討ち取りました。討ち取ったのは蝮殿で御座います」



何!?滅茶苦茶に良い知らせじゃないかと感じていた。それなのにどうして暗い表情をしているのかと思っていたらすぐに答えてくれた。



「まず1つ目は・・・蝮殿が討ち死にしました。ギリワン・ボルケーノと相討ちだったと聞きました。蝮殿の信頼できる部下からの情報なので信用できると思いますが今回ばかりは信用などしたくはありませんでした」



・・・え!?蝮さんが死んだ・・・嘘でしょう。あれ程に滅茶苦茶とも言えるほどに強かった蝮さんが死んだって信じられないと思っていたらジュリアの方を見ると泣きながら先生が亡くなったって嘘よと泣き崩れてしまった。


実は後で教えてもらったけどジュリアは蝮さんに拾われて育ててもらって魔術なども蝮さんから教わっていたと言うのだ。だからジュリアは蝮さんの事を先生と呼んで慕っていたらしい。


そして渡辺通さんの方を見ても悔し涙を流していた。自分でもかなり悲しいのに二人は自分よりも長い時間をともに過ごしていたのは二人の様子を見てすぐに感じ取れていた。


そして蝮さんの下で働いていた部下達に対して最期の願いが・・・アクト、つまり自分に対して自分の代わりに仕えてほしいとお願いを言ってそして他の者たちに最期の言葉を残してこの世を去ったという。


部下たちは最期の最後まで主を思って死んで行きましたと泣きながら蝮さんの部下たちはそう言っていた。


蝮さんと思い出すと自分も辛くて悲しくなったけどもう一つの悪い知らせはと聞くと渡辺通さんは泣きながらも怒りが溢れるように話してきた。



「ギリワン・ボルケーノの魂がまだ完全に消えできない以上は復活する可能性があり、そしてその魂がこの世界に来たというのです。これらは生き残った我々がやるべき使命、そうでもしないと死んでいった蝮殿達に顔向けが出来ないでござる」



なるほどそれは辛い報告であるなと思っているとジュリアと渡辺通さんがすぐに魂の行方を追って徹底的に滅ぼしましょうと言ってきたけど自分はここは冷静に考えてみてと言って自分の考えを伝え始めた。



「二人とも気持ちはわかるけどもし本当にギリワン・ボルケーノがこの世界に来ていたら何処にいると思う。自分は間違いなく山中鹿之助のところに向かうと思うけど今の戦力では山中鹿之助に勝てる人材は残念ながら存在していないのだ。ならば今は修行でもして更に強くなって山中鹿之助を倒せるほどに成長してから行動を起こすべきだその少なくても敵は今の状況では満足に動けるとは思えないからな」



それらを伝えると二人は落ち込みながらも若様の言う通りですと返答していた。だから今は蝮さんの死を無駄にしない為にも死ぬ気で修行でもして山中鹿之助を倒して今度こそギリワン・ボルケーノを倒そうと言った。


すると二人とも滅茶苦茶にやる気ではい!と答えるのだった。自分も蝮さんが作ってくれたこの好機を逃すわけには行かないと感じて自分もどの様にすればあの山中鹿之助を出し抜く事ができるのか考えておかないと。


そうして自分は蝮さんの配下たちと合流して更に軍備を整えていた。いつでも山中鹿之助と戦えるようにする為に修行もしてそうしていく内にレベルは188になり少なくてもこの世界には敵はいないだろうほどまで上がることができたけどそれでも山中鹿之助を相手にするには弱すぎると感じていた。


それでも話だと山中鹿之助以外の幹部たちは壊滅したらしいので山中鹿之助とギリワン・ボルケーノの魂さえ倒す事ができれば長年の因縁を終える事ができるというのだ。


自分もこの因縁には蹴りをつけたいと考えているのでどうにかしないと考えて過ごしていた。


そんな事もしながらも内政もしっかりとやり安定をさせていた。そう言えば自分の流星刀を手にした時に信じられないぐらいに強くなったような気がしていたのだけどもしかして今、それを持って戦うならばあの山中鹿之助にも勝ち目があるのではないのかなと感じていたので自分はその事を話す事にした。


すると渡辺通さんはそれが本当ならば戦って見る価値はありそうでござるがそれを確かめるのに某と手合わせをして確かめてみるのはどうでござるかと言われた。


確かに確かめてから行う方が良いに決まっているので自分はそれを承諾して受け入れる事にしたのだった。



そしてその結果、渡辺通さんに完勝してしまって自分でも驚きを隠せないでいたのである。


この武器を持っている時は恐らく能力が少なくても倍にはなっていることは間違いはないだろうからそれを計算してもあの山中鹿之助に対して勝負をしても勝ち目が見えていたのであった。


ならば夏休みが終わる時に魔王城に姫様と連携して山中鹿之助を討取ろうと決めたのである。


それを言うと渡辺通さんたちは嬉しそうにして歓声を上げていた。


そして自分もここさえ乗り越えたら自分を危険に侵す存在は消えて平和に暮らせる事だろうなと考えていた。


ついでに本当にギリワン・ボルケーノたち以外は危険はないのかと尋ねて見ると渡辺通さんが強いて言うのであればきさらぎ駅の周辺に存在する怪物たちでそれ以外に危険はいないと言われた。


そうかそうか、ってきさらぎ駅って実在するの!?と慌てて聞くとどうやら世界と世界の狭間の空間らしくそこには信じられない化け物がいるらしくそこを無事に通ることができるのは英雄フェニックスまたは蝮さんの2名しかいなかったらしい。


それ程にきさらぎ駅って危険な場所らしい、少なくても今の自分がそこに向かってしまったら生きて帰ることは不可能に近いというのだ。


まじで恐ろしい場所だなと感じていたけどそんな場所には絶対に向かわないのでそこは心配などせずに今は後々に禍を残さない様に山中鹿之助、並びにギリワン・ボルケーノを倒さないといけない。


自分は夏休みも終わりに近づいてきて英気を養いながら決戦に向かって出来る限りのことをするのであった。

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