第34話、新たな仲間

自分は警戒しながらも相手もそれを理解したのか自己紹介を始めてきたのであった。



「そうだなまずは某から自己紹介を致す、某は渡辺通と申す。昔は人間として武士をしていたが今は烏天狗として武士をしているものでこざるよ」



元は侍ってそれはとても味方であれば心強いけど・・・と言うか渡辺通って聞いたことがあるような気がしていた。何処だったのかは忘れてしまったけど絶対に聞いたことがある。


戦国時代の人物なのは間違いはなさそうだけども、何処に属していたのかと思い出せないでいると渡辺通はかつて人間だった頃の話をしてくれたのである。


それらの話を聞いて自分はようやく思い出したのであった。この人は毛利元就に仕えていた武将であり毛利元就が人生最大の危機の時に文字通りに命懸けでその窮地を救い出して討ち死にした武将である。


毛利元就はそれに深く感激をして息子など引き立ててその家を守り渡辺家は幕末まで続く家柄となった訳だ。


そんな幕末まで続く様になった出来事をしたのが渡辺通であり毛利元就や毛利家を語るには欠かせない人物なのである程の人物がどうして天狗になったのかと思っていると毛利元就を守ろうとする意志が死んでもなおその地に留まった結果、烏天狗になってしまったということらしい。


死んでもなお主を救おうとする意志の強さには本当に天晴と言うしかなかった。そんな人と言うか烏天狗がどうしてこの場にいるのかと聞いて見ることにした。


すると渡辺通さんは毛利元就のひ孫がこの世界にいるらしいのでそれを引き立てて毛利家再興を目指していると言うのだ。


どうやら元の世界の毛利元就の子孫たちが壊滅してしまってそうして別の世界にいる毛利元就のひ孫を担いで再興をする予定らしい。


なるほどそれは頑張ってくださいねと思いながらもどうして自分のことを止めたのかと聞くとこの先はこの世界でも最も危険な場所であるから立ち寄らせない為に止めたと言ってきたのだ。


そうか、心配をしてくれていたのかと安心をしたけど自分はそれなりに強いので大丈夫ですよと答えるとそんなに強く感じないけどなと言われてしまったのでならばここで軽く勝負をしますかと提案をすると渡辺通は分かりましたと言って引き受けて勝負をするのだった。




結果は自分の完敗で負けてしまった、滅茶苦茶に強いですけど自分のレベルは97もあるのにこんなに負ける事ってあるのと信じられないと思っていたら渡辺通さんがこちらに対して話してきたのであった。



「その・・・申し訳なかったでござる。確かにここに挑むだけは強いと感じましたがどうしてここに来たのでござるか。理由を聞いても宜しいでしょうか」

「そうですね、勝負に負けましたので伝えますね」



そう言ってから自分はなんでここに挑むことになったのか1から説明していくと渡辺通さんはなるほどならば某も手伝いをしても宜しいでござるかと言ってきたのである。


宜しいのですか、人を探しているのですよねと言うと渡辺通さんはされど困っている人を見捨てるのは武士としてあらずと言って助けてくれる事になったのだ。


ならばこれが終わったら自分も人探しを手伝いをしてあげようと思い探している人の事を聞いてみることにしたのだった。



「それは助かるでござる!実はこの世界で探しているのはアクトと言う人物で蝮殿からここに元就様のひ孫がいると聞いて飛んできたのでもしアクトと言う人を探してくれたら大変嬉しいでござる」



・・・あれ?もしかしてこの人が探している人って自分なのと思っていると蝮さんの名前が出てきたので自分は蝮さんの事を知っているのですかと尋ねると渡辺通さんはどうして蝮殿の名前をと聞いてきてので自分は答えるのだった。



「実は前に蝮さんに色々と鍛えてくれたので知っているのです。それなりに付き合いをしていましたので」

「・・・もしかして貴方・・・いや、若様で御座いますか」

「・・・その、若様なのかは分からないけど自分はアクトと言います」



それを伝えると渡辺通さんはすぐに土下座をして申し訳ありませんでした!!若様!!!と言って謝罪をしていた。


あまりにも気迫に別に気にしていないからと伝えても渡辺通さんは知らないとはいえ若様に武器を向けてしまったことを深くお詫びをいたしますと言いながら謝っていた。


自分は渡辺通さんを落ち着かさて話し合いをすのであった。


それからは渡辺通さんは槍働きで武功でも上げてお支え申すと心強いけど少しばかり肩苦しいかなと苦笑いをしながら自分は見ているのであった。

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