第32話、あれは何だ!?(他人視点)
我は魔王、太古に神々との戦いで勝利して地上を手に入れた者の子孫でありそれからは魔族がこの地上を支配して人間たちも既に多くが魔族後との混血人になっている。
そして我の威厳もこの広い大地に轟いている。例外としては森深くにいるエルフとそれと仲が良い一部の魔人、そして山奥にいる烏天狗は我の言うことなんか聞かないが討伐しようにも天使共が未だに黙っていなく攻めてくるのだ。
その為に後回しになっているのが現状であるがそんな時にとある良い話が舞い込んできたのである。
なんと我を困る要因であった大天使ミカエルが討ち取られたと言うのだ。それはとても嬉しい話であった。
我のことをあれ程に邪魔をしたものが消えたのだ、それこそ宴でも開こうと思った程であったが問題なのは誰が討ち取ったのかと言う事だ。
普通なら名乗りあげてそれを讃えて褒美や平民なら貴族に貴族なら出世などもさせるのに全くもと言う程に上げないのだ。
それはまるでこの我の褒美では不足していると思われていると我はそう考えて徹底的に調べ尽くした結果、黄昏学園に入学しているとある生徒が大天使ミカエルを討ち取ったことが判明したのである。
そしてその名前はアクト・ハッシュ、地方にある男爵家の次男で妾の子でありそして人間の血がとても強く魔人でもないただの人間だった。
それならば余計に他の者たちよりも出世とか興味があってもおかしくはないのに平然としているのだ。
我に対する嫌がらせなのかとその為に元々天才と呼ばれていた魔人のレオンを引き立てる事にした。
そうすればあの者もあまりの不便で権力など惜しがるだろうと考えていたのだがまるでそんなことは気にしていない様子まで見せてきたのである。
徐々にレオンがあのアクトに怒りを覚えていたらしいが我も覚え始めてきたのであった。
まるでこの我を何も興味がないようにしている事にと考えていたある日にクロスガーナ家の娘であるアンナがあのアクトと賽銭をするという話を聞いて我はすぐにレオンにも同じ日にアクトと戦うように仕向けた。
連戦して疲れたところをアンナに倒させてもらおうと計画を練った。恐らく大天使ミカエルを倒せるほどに強いのであれば今のレオンでは無理だと我はそう考えていた。
しかし、クロスガーナ家のアンナは一度はアクトに負けたらしいがそれから猛特訓をして強くなったという話を聞いていた。
ならば今回はアンナに任せれば良いと我はそう感じた。それにもしかなりの力を持つようになっているのであれば我が息子との縁談もして更に強めておこうとしていた。
そうして当日になり我は特等席から観戦をしていたが序盤の決闘はどちらともレベルが低くて見る気もしてこなかったがそうして待っているとレオンとアクトとの決闘が始まったのである。
しかし、そこで見たのは圧倒的な実力差であるのだ。確かに大天使ミカエルを討ち取ったことも考えれば無理もない話かもしれないがそれにしてもレベル差があまりにも激しすぎた。
一方的な展開になりそしてアクトは全くも体力など消費などせずにアンナとの決闘を始めてしまったのだ。
そしてその決闘を見ていたが二人とも剣術が既に伯爵クラスを超えておりもうあれよりも上なのは数名しかいないほどでこれだけでもと思っていた矢先に魔術がお互いにものすごい速さで発動して撃ち合っていた。
それも含めてしまうと既に侯爵クラスは間違いない。侯爵と名乗っている悪魔は四人しかいないので既に我を含めて後、上にいるのは3人のみであった。
もうそこまで行けば我とも無傷で倒すことは不可能に近く二人の実力に驚いているとここでクロスガーナ家のアンナが古代魔術であるダイヤモンドダストを発動させたのだった。
それを見ていた我もそしてその周りも信じられない光景を見て驚きを隠せないでいた。
古代魔術、それは我の先祖である初代魔王、今では魔帝と呼ばれているご先祖様と宿敵である女神しか扱えないと言われていた古代魔術が今、目の前で発動して戦っていたのだ。
これを見てすぐに我はなんとしてもあのアンナを我が息子と結婚させようと考えたのであった。
あれ程の逸材を手放しにするにはあまりにも愚かすぎるとして見ていた。一方、アクトは古代魔術を受けてもなお戦っていたのである。
ここまでの実力でも既に侯爵クラスはあるのだけどこんなに多くの者達の前で敗れたらそれはそれで恥を与えることになるので構わないと思いで見ているとアクトの方も信じられない事をしてきたのだった。
それはアクトの方も先程のアンナとは違う属性であるが同じ古代魔術クラスの魔術を発動させたのである。
それを見ていた我も周りも何も言えないほどに啞然としてその光景を見ていたのだった。
そうして勝負はアクトの方に軍配が上がり我の考えは根本からやり直すことになってしまった。
とりあえずは先程の戦いを称えるためにも二人を呼び寄せる必要が出てきたと感じてすぐに呼び寄せた。
そして来る間にどの様にしてあのアクトを失脚させるかと考えた末にとある方法を思いついたのである。それは統治の下手さで指摘をして周りからの評判など下げてからアクトには永久的に権力の座から遠ざける事にしたのだった。
その為に先程に言っていたエルフや烏天狗など我に対して全くも言うことを聞かない者たちが住んでいる地域を任せれば自然と統治ができていないと指摘が出来るからなと我はついつい表情に出そうにいや出てしまったかもしれないが魔王である我に逆らおうとするつもりであればこの場で殺すだけだ。
そんな事で我はアクトに対してその地の子爵として任命を命ずると素直に受け入れた。
なるほどなここで断るほどに馬鹿ではないということかと。さてと残りはアンナには婚約の話を持ち出したがアンナは弱い男とは付き合いたくはありませんと言いながらも我からの提案だから保留としておきますと言い返された。
・・・まあ、武門一族だけにそこはある意味したがないとしてみるべきであろう。素直に強くなればよいだけであるからな、それにしてもアンナは明らかにアクトに対して特別な感情を抱いている。
それでアクトと結ばれてしまうと魔王一族よりも強い者が誕生する上に我の次ぐ最大権力者になるなるのは火を見るより明らかになる。
その為に我は会場を後にした後もどの様にして二人を切り離そうかと考えるのだった。
ここは女の扱いだけは無駄に上手い息子にでも任せる他ないのかもしれないなと思いながら魔王城に戻るのであった。
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