第31話、試合後に
そうして自分とアンナはしばらくその場に居座りながら話を始めていたのである。
「アクト・・・私が知らない古代魔術がまだ残していたなんて聞いていないわよ」
「そちらこそいつの間に古代魔術など扱えるようになっていただよ。それよりもこんな大勢に古代魔術が扱えると宣伝をしても良かったのか」
「何を言っているの、それはアクトにも言えることだと思うけど」
「ハッハッハ、それは違いない」
そんな会話をして休んでいると周りは先程の試合を見て興奮していたのかものすごい声で話し合いなどして盛り上がっていた。
自分はこれで平凡な静かな学園生活はおさらばになってしまうかなとアンナに聞いてみるとアンナは私もそれになりそうですわねと苦笑いをして話し合いをしていると自分とアンナにあって先程の試合を見て讃えたいとして魔王様がお呼びになったので自分とアンナはその場所に向かう事になった。
そうして辿り着いた場所は特別席でそこには魔王様がとても楽しそうにしてみていたのである。
自分ができなかった事をやられてかなりプライドに傷が付いてしまったのかと思っていると魔王様から言葉を出し始めたのであった。
「二人とも顔を上げるが良い、先程の二人の戦いは誠に見事であった。アンナ・クロスガーナよ、そなたはクロスガーナ家を更に誇りを高めたとして覚えておく」
そう言うとアンナはありがとうございますとお辞儀をして貴族らしく振る舞っていた。
それにしても急な事なのにアンナは貴族らしい対応ができて凄いよなと考えていると次に自分に対して魔王様が話してきたのであった。
「そちは確か、アクトと言ったな。出身はどこなのだ」
「はい、自分はハッシュ家の次男であります。とても辺境な地の貴族でございますので魔王様が覚えていなくても無理はありません」
「いや、ハッシュ家か・・・あそこは無能ばかりだと思っていたがまさかこのような鬼才とも呼べる人材を生み出すとは想像もしていなかったわ」
それう言いながらも自分に対してとても褒めてくれて何か褒美があるのかなと思っていた時に魔王様から信じられない事を言われたのである。
「今回の戦いで分かったがやはり大天使ミカエルを討ち果たしたのはアクト、お主だったのだな。そなたの力があれば確かにあの大天使ミカエルでも討ち取ることは可能。ならばその功績として与えなければならない。アクトよ、今日からアクト・イングールと名乗るが良い。そしてアクトには旧イングール家の領地を任せる」
・・・・はい!!??何を言っているのですか魔王様、自分はまだ学生の身でありしかもイングール家は途絶えてしまった元子爵家ではないですか。
それを復活させると言う事は自分は子爵になるという事になりますよと驚いて聞いていた。
実家よりも大きくなって色々と問題になりそうだなと感じているとそう言えばイングール家の領地って何処なのですかと尋ねると魔王様は何か意味深な顔をして答えてくれた。
そこはこの前に問題となっていたエルフたちが住んでいる地域でなるほどこれならば自分でもエルフたちと仲良くしているからなんとかなりそうだなと感じていた。
魔王様もそれを知ってお願いをしたのかなと考えているとアンナだけは何か考えてごとをしている様子で何あったのかなと思ってみていた。
まあ、ともかくテティスさんたちとも正式に会えるので悪くはないのかなと感じていた。
なんせここよりもあちらのほうが何かと良さそうな感じを出しているからな。こちらはいくら頑張ってもやはり原作主人公の補正に勝てないのか全くも状況は良くならないからいっその事、魔女学園に留学生として向かってみたいぐらいであるほどであった。
それにしてもあの意味深な顔をしていたのにそれだけの理由があると思うのだけど分からないなと思っていたらアンナの方からは魔王様の王子と婚約しないかと提案を出されたのである。
自分はそれって女性貴族としては一番とも言える待遇じゃないか良かったなと思って聞いているとアンナは信じられない言葉を口に出したのであった。
「魔王様、せっかくのお誘いですが検討までにさせて頂きます。私はあまりにと弱い男のところに嫁ぎたくはないのです。せめて私と共に戦えるほどまでにならないと話になりませんのでそうなると大変申し訳ないことは承知ですが王子では役者不足なのです。ですが魔王様の提案として保留という形でお願いできませんか」
おいおい良かったのかよと思いながら聞いていると魔王様は笑いながら流石、クロスガーナ家の娘だなと納得して喜んでいた。
一応、何とかなりそうだなと思いながら見ていると魔王様はそうなるとそなたの条件に当てはまるのはこのアクトしかいないなと言われた。
確かに自分しかいないかもしれないなと内心でそれだと少しばかり大変じゃないかと思っているとアンナが真っ赤になりながらそ、そ…そうですねと答えるのみだった。
でもこれからは原作主人公も強くなって来るはずだからそこは心配はないかもしれないけど。
それとアンナに関しては明らかに魔王様の意図は読めていた。
それはアンナの力を借りて魔王の一族の力を更に高めようとしているのだ。これは流石に馬鹿な自分でも理解は出来ていた、アンナの力は本当に強いからそこから生まれる子供も強い子供ができやすいから古代魔術を扱える人物を野放しにしないのは分かりきっている。
そしてここでもう一つ、気になる事があるのだけど魔王の息子である王子は実は・・・寝取りキャラであり前半のアクト、後半のタスエールと呼ばれているほどにやばいキャラである。
無論、回避などは可能であるけど油断をしていると全てのメインヒロインが寝取られているという展開もあるので後半になって油断していたプレイヤーを絶望と脳みそを破壊した事は言うまでもない。
だからこそ自分は少しばかり不安になっていたけどアンナもかなり強くなったのだ。それこそ原作で言えばストーリーのラスボスに挑めるぐらいには強くなっていると思うので大丈夫だと思うけど心配だなと感じるのであった。
寝取りエンドはかなり敵が強くなっており滅茶苦茶に後味も悪くなっていてこんなエルドは誰が望んだものなのだと言いたくなるぐらいに最悪で仮に全てのメインヒロインを寝取った王子を殺害してもメインヒロインたちからは誰一人も帰ってくることもなく主人公はその場から消えて行方不明となるのだ。
何か思い出すだけでもかなり嫌な気持ちになるなと考えて出来る限りにそんな事にはさせないように立ち回る必要があるけど・・・やはり原作ゲームを知っている自分からすればかなり心配なことだなと考えてしまうのだった。
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