第26話、英雄フェニックスの子孫!?

それからしばらくしてからテティスさんの屋敷らしい場所に辿り着いたのである。


そこは悪く言えば田舎の貴族みたいな屋敷で良く言えば個人的にはとても好ましい屋敷だなと思いながら屋敷の中に入るのだった。


すると周りのメイドエルフ達がテティスお嬢様と言って一気に集まって心配をしていたのであろうなと見て感じ取れていた。


自分とアンナは邪魔をしない為にも近くで待っていた。


その間にアンナにどうして来れたのかと尋ねて聞いてみたけどその人ってもしかして蝮さんじゃないかと思っていた。


話し方もそうだけどあれ程に貴重なアイテムを持っているのは蝮さんぐらいしか思いつかないから。


それにしてもまさかここまで色々と助けてもらっていると悪いなと思って話をしているとテティスさんがお待たせしましたと言ってテティスさんが祖父の場所に案内をしてもらってその祖父がいる部屋に辿り着いた。


そうしてテティスさんが部屋にノックしてから入りますと言って扉を開けた。


開けた先には老人のエルフがそこにいてなるほどこれは貫禄があるなと思っているとそのテティスさんの祖父が自分を見て信じられない言葉を出し始めたのである。



「この感じ・・・そうでしたかフェニックス様がまたしても助けてくれたのですか。本当にありがとうございます、お礼などは少ないかもしれませんが」

「お祖父様、あの人はアクトさんで英雄フェニックス様ではありませんよ。全くもお祖父様、変な間違いを起こさないで下さい」

「!!なんと、これは申し訳ない。本当に英雄フェニックス様に似ていたもので間違えてしまいましたわ。それにしてもここまで似ているとなるともしかしてフェニックス様のご子息ですかな」



いやいや、そんなヤバい存在ではありませんからと伝えたけどではその刀が扱えるのはおかしいと言ってきたのである。


それはと言うとそのテティスさんの祖父からとある話をしてくれたのであった。


英雄フェニックス様の子供がいたらしくそしてその子供が異なる世界でエルフの女性と結ばれて子供が二人出来たらしい。


しかし、そんな幸せも長くは続くことはなかったのである。実は英雄フェニックスの子供にとんでもない悪霊が取り憑いてその子供を支配してしまったらしく。


それで多くの者はその影響を受けて化け物に変わってしまったらしくそれで助かったのは英雄フェニックス様の時代から仕えている部下の蝮とそして英雄フェニックスの孫の2名だけだったと耳に届いたらしい。


そして蝮は姫様を助けることができなかったと号泣して悔しがっていたと言うのだ。


しかし、その時の蝮さんは顔半部が無くなって腕も片腕が取れて血だらけであったらしいがそれでも自分の怪我の痛みよりも姫様を救えなかったという悔しい気持ちが強くて泣いていたと言うのだ。


蝮さんにそんな過去があったなんて今の蝮さんから見ても想像もできないなと考えているとテティスさんの祖父の話は続いた。



「それで蝮は助かったこの子だけでも平凡な幸せを掴んでほしいと願って力の殆どを封印して人間として地球と呼ばれている世界の日本という場所に送ったのじゃ。まあ、そんな世界はわしも聞いたこともないから良くは分からないがな」

「そうですよね、英雄フェニックス様の話でも殆ど出てきませんから想像もできないですから・・・アクトさん、申し訳ありません。私も考えても地球と言うそして日本という場所は私には分かりません」

「そうね、地球とか住んでいたこともある人なら何か知っているかもしれないけど・・・うん?アクト、もしかして貴方は何か地球に関して知っているの?」



いや知っているレベルではない程に詳しく知っていますよ。何故ならばそこからこの世界に転生をしてきたのだからと言うべきなのかと悩んでいるとそれに勘付いたテティスさんの祖父は話を続けた。



「もしもそうして何か見覚えがあるのであれば覚えておいた良いのじゃ。まあ、いないと思うがのう」



そうして自分のことを庇ってくれたのか深くは何も聞きてこなかった。けれどももしかしたら自分があの伝説の英雄フェニックスの子孫かもしれないと言われても実感が何も湧かなかった。


けれども実はと言うか前世での幼い時の記憶が全くもないのだ。別に幼い時の記憶だからと気にしていなかったけどもしここに大切な何かがあったのであればそれはと思うとこの通説も全くも違うとは言い切れなかった。


ともあれ色々と自分自身を調べないといけないことだけは理解した。


そして自分のことを一番理解しているだろう人物はやはり蝮さんであろうなと思っていた。


そんな事を考えていたらテティスさんの祖父がでも難しい話は置いといてこの地を救っていただきありがとうございますとお礼を言われたので自分は好きで助けただけなのでと答えた。


アンナも別に私がどこまで強くなったのかを知りたかっただけだから気にしないでほしいですわと答えたけど内心は嬉しそうにしているのか顔には答えが別の意味で出ていた。


でもともあれ無事に終わって良かったと思っていると今宵はお礼をしたいので是非とも家に泊まってほしいと言われた。


まあ、明日の夜に帰れば良いから今日は素直に泊めさせてもらうことにした。アンナも流石に疲れたと言っていたのでまあ、あれ程の大軍を相手にしていたのだから無理もないよ。


その上にアンナは殺す事はせずに撃退していたのだから余程に強くなったのは理解できていた。


自分も先程の隊長を倒したら一気にレベルアップしたのだけどまさか93から98まで一気に上がるとは夢にも思わなかった。


それだけにあの隊長は強かったという訳であるけど自分のレベルの上限があと3しか残されていないのにこれよりも強い相手が現れたらどうしようと考えていた。


恐らく普通のストーリーなら問題はないのだけど裏ストーリーだと明らかにレベルが足りなくなる。


今はこの刀や蝮さんの修行の成果でなんとかなったけどこの先も大丈夫かと言われたらそんな保証は全くもないのだ。


だからこそ自分は備えるためにも限界突破をするアイテムを集める必要が出てきた、ドロップ率はかなり低いけど何もしないでおくよりはかなり良い筈だから。


それか原作で主人公がやっていた前世帰りをする必要があるかもしれない。


原作主人公は前世では魔帝でありそれを覚醒させる為に理のオーブを使った場面があるのだけどもし自分が本当に前世では英雄フェニックスの子孫なら上手く行けば強くなる事ができるかも知れないと考えたから。


それが手に入るのは物語のかなり終盤または裏ダンジョンで手に入るのだけど裏ダンジョンで手に入る理由としてはメインヒロインたちを更に強くさせる為に配置をしたとゲームを開発した人が言っていたな。


これは当分の間は休みの時は裏ダンジョンでお目当てのアイテムドロップするための周回になりそうだなと思いながらも今日は戦いで疲れたので素直に何も考えずに英気を養うことにしたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る