悪役貴族に転生したけど主人公など気にせずに穏やか暮らして行きます

第23話、対決謎の組織、隊長

自分はアンナの援護もあり心配事もなくなりあの主犯格の隊長に向かって突撃をしたが既に相手もこちらの迎撃する支度を終えており鍔迫り合いになった。

こんな風に鍔迫り合いが起きたのは大天使ミカエル以来でしかもその時の自分よりも強くなっているのに全くも押せるような状況ではなかった。

これだけでも裏ストーリーのボスな可能性が高くなった。大天使ミカエルはストーリーの本当に終盤のボスなのでそれよりも強いなんて普通に考えたら裏ストーリーのボスだと考えたほうが良いと感じていた。

「なるほど自ら突撃をしてくるだけはあるな。こんな世界でここまで戦えるやつと出会えるとは思いもしなかった。しかし、相手が悪かったな小僧」

そう言い終えると相手は次第に力を強めてきて押され始めたのである、マジで強すぎなのですけどと思いながらも自分は魔術で反撃をしようと魔術を発動させると敵はまともに当たりながらもそこまで深手を負わずに後退した。

すると相手がまさか急に魔術など発動できる才能があるとは油断したわと言いながらもまだ余裕そうにしていた。

どうやら遠距離攻撃をしてこないのを見て相手は魔術などは得意ではなさそうだなと分析をした。

その反面、接近戦では相手の方が有利な状態だ。

ならば出来る限りに遠距離攻撃をしたいけど相手がそれを許すとは思えないから接近戦からの急な反撃を狙うしかないと感じた。

それでもかなり大変な事である、明らかに向こうの方が戦闘経験が豊富でありこちらの考えなどお見通しであろうから何とかしなければならない。

そんな事を考えながら戦いをしていたがこちらの方がおそらく能力的には上または互角であろうに相手は経験という武器でこちらを押していた。

早めに決着をつけなければまたテティスさんが苦しい思いをしてしまうから、それにアンナも強くなったとはいえあの数を一人で足止めするのに限界は来るはずだと思って焦りを感じていた。

それだからか自分は炎魔術を発動してから追撃をして攻撃をしようと構えていたら向こうがまさかの炎魔術の中に突撃をしてきたのである。

自分はそれを迎え討つ構えをしたけど自分の炎を利用されてしまったであった。

相手が炎で居場所が分からなくなりどこに行ったと自分は【炎の極意】を持っていたので炎など気にせずに自分も向かい相手を探した。

しかし、炎の中に消えたはずの相手が全くも姿が見えないのである。そんな一瞬で消えるはずもないと探していると地面から急に敵が現れて自分を持っていた槍で体を突き飛ばしたのであった。

相手は地面に隠れていたのか、深くと思いながらも再度立て直そうとしたが先程の一撃が重く思うように体が動けなくなっていた。

それを見過ごすはずもなく相手はここが勝負時だと言うばかりに猛攻を始めてきた。

相手の猛攻に自分は何とかして致命傷を避けることぐらいしかできずにいた。

このままではこちらの体力がなくなって先に倒れてしまうと思いながらもどうにも打開策を考えていたけどその前に最悪なことが起きてしまった。

遂に体力が少なくなって避けきれずにまたしても重い一撃を食らってしまって倒れ込んでしまったのである。

まずいと思いながらも今度は体に力が入らなくなっていたのだ。

このままでは殺されるとすぐに理解したけど既に体が動けなくなっていたのでどうすることも出来ずにいた。しかも簡単に回復が出来ないような傷も出来ておりたとえアイテムがあっても【回復の極意】があっても完全回復は難しいほどであった。

それが分かったのか相手はこちらに対して話しかけてくるのだった。

「想像よりも意外と手強かったぞ、殺すには少々惜しいが我が偉大なる主の考えに反した行動を許すわけには行かない。せめて、一瞬で楽にさせてやろう」

そう言いながら相手は自分に向かって歩きだしてきたのである。

もちろん自分には逃げる体力など残されているはずもなくただ死を待つのみであったがこんなところで終われない、終わらしては駄目だと必死になった体をつき動かそうとした。

その時に何処からか声が聞こえてきたのである。

（汝の覚悟、それは偽りもないということが心から言えるか）

そう聞こえてきたので自分は偽りなどないと心から叫ぶとその声は分かった、苦しいことが多く降り注ぐことになるかもしれないが汝ならばきっと乗り越えてくれると信じていると言うと声が完全に消えていった。

その代わりに自分の前に光が現れたと思ったら一つの刀が現れたのである。その刀はとても素晴らしいものでこの世の物なのかと思いたくなる程に綺麗でそして信じられないぐらいに力を秘めていた。

そして刀が自然と手が伸びで抜くと見事な刀身でそれを手にしてから何か体が先程まで全くも動けなくなっていたのが嘘かのように回復をしてきて動けるようになって来た。

それを見ていた敵の隊長が信じられないという表情をしながら話してきていたのである。

「ありえないありえてたまるか！！あれは偉大なる我が主でも抜く事ができなかった刀をあのような小僧が抜けるはずもない。何かの間違いだ、これは何かの間違いだ！！」

先程までとても冷静にしていた人とは思えないぐらいに慌てながら怒りを表していた。

どうやらこの武器の存在を知っているらしいけど性能までは先程の反応や言葉から分析すると知らないと感じたのですぐに回復して動けるようになり反撃を開始した。

それで相手は激怒しながら攻撃をしてきて先程よりも激しい攻撃なはずなのに先程よりも軽く感じてしまっていた。

おそらくはこの刀のお陰なのであろうと思いながらも今だけは利用させてもらいますも勢いで攻撃を繰り出していた。

その速さと威力を見てこれは本当に自分が出した技なのかと疑いたくなる程であり、これさえ有れば確かにとんでもない力が宿るからそんな意味でも先程の声は尋ねてきたのであろうと。

なら自分はこの刀の力に溺れずにしっかりとして生きてどうしても必要な時だけこの力を借りようと決めるのだった。

そうして考えている間にも先程とは全くも違ってこちらが押していた。しかもこちらに疲れなど感じさせずに攻撃をしていた。

この刀の力に借りた小僧にわしが負ける道理などないのだと言って襲いかかって来たのだけど流石にこれには自分も同意をした。

これで勝つことが出来てもこれは自分の力ではなくこの刀の力だと思いながらも一刀両断をするのだった。

そうして相手は信じられないという顔で息を絶えたのであった。

本当に強かったですよと最後に言い残して自分はアンナたちの所に向かおうとしたけどその前に刀からここに向かいなさいと意志が感じ取りこの邪悪な結界がある場所に向かうのだった。

その頃、アンナはアクトが何とかしてくれると信じて一人、結界内で休めているテティスを守りながら大軍を相手に孤軍奮闘をしていた。