第12話、アンナの意地

アンナはすぐさまに持っていた剣を抜いて敵の攻撃の備えをしていた。相手は大天使としか理解していないが遥かに強い事だけは既にこの身を持って知っているから。


本当の事を言えば怖いけど私は誇り高きクロスガーナの娘、たとえ相手が大天使だとしても逃げるのはクロスガーナ家の者にあらず私は恐怖をしまい込んで立ち向かっていた。


どんな方法で攻めてくるのかまずは相手の出方を待っていると相手はとても余裕そうにしていた。


そんなに怖い顔をしていたらその可愛らしい顔が台無しになってしまいますよ・・・まあ、どちらにせよもうすぐに死んでしまって台無しになってしまいますけどと言っていた。


本当に悪魔みたいな事を言う天使ですことと思いながらも敵はこちらに対して油断をしているからそこをうまく利用して戦うしかないと考えていた。


すると大天使はどうしようかしらと悩んでいたが指を鳴らしたのである。


すると大天使の背後に巨大なドラゴンが出現したのであるがアンナはそれを見て驚きを隠せないでいた。


そのドラゴンは普通に生息しているドラゴンではなくて天使たちによって作り変えられたドラゴンで名前はエンジェルドラゴンと呼ばれている。


エンジェルドラゴンは天使と女神の命令は菊がそれ以外の相手だと全くと行っていいほどに命令が聞かずに悪魔だと何もしなくても勝手に襲い殺そうとしてくるかなり厄介な生物なのだ。


そんな危険活な厄介な生物が同時に二頭も現れたのである。


アンナはこれらを一人でどうやって倒していけばと考えていると大天使は安心して下さい、私はここから高みの見物をしておりますのでと言いながらゆっくりとしていた。


本当に油断も良いところねと思っていた次の瞬間に二頭のエンジェルドラゴンがアンナに向かって襲いかかってきたのである。


アンナはすぐに二頭の攻撃を避けて翼に斬撃を繰り出したがあんまり効いておらずにエンジェルドラゴンはすぐに攻撃をしてきた。


そしてアンナはエンジェルドラゴンの猛攻を身体を上手く利用して避けては急所になりそうな場所に斬撃または魔術で攻撃をしていた。


それを見ていた大天使はとても楽しそうにしながら話をしていた。まるでコロシアムで観戦している様に大天使は戦いを見て楽しんでいたのであった。



「あらあら、アンナちゃんは中々のセンスを持っているのね。もう少しだけ戦うのが遅れていたら私の障害となっていたかもしれないのに残念ね」



そうかしら今でも障害程度ならなってみせると反抗心を出してその力をエンジェルドラゴンに出していた。


アンナの攻撃に確実にエンジェルドラゴンはダメージが入っており体から出血もして確実に弱らせていた。


しかし状況は押しているように見えてアンナの方も既に限界に近くなっていた。


二頭同時に攻撃を避けながら反撃するのに予想よりも多くの体力を消費しており彼女に残された力を振り絞ってもエンジェルドラゴンを一頭倒せるかと言うぐらいであった。


ここで一頭を倒しても確実に死ぬ・・・けれどもクロスガーナ家の娘として負けるわけには逃げるわけには行かなかった。


必死に抵抗してアンナは弱りきっているエンジェルドラゴンの方に集中的に攻撃をした。


そしてついにアンナは決定弾を与えたのである。


アンナがエンジェルドラゴンの首に剣を突き刺し残っている魔力を全て剣から伝わって首の内部を攻撃して一頭のエンジェルドラゴンが首から焼けて倒れ込んだのである。


やったと喜んで行きたかったがすぐに現実に戻されて残りのエンジェルドラゴンの尻尾攻撃で吹き飛ばされて既に体力などはなく魔力もなくなっていた。


そしてアンナは立ち上がる元気もなくなって倒れ込んでいた。


しかし、それでもアンナは逃げている他の者たちの為にもそしてクロスガーナ家としての誇りの為にもここでそう簡単に負けてはならないと頭から血を流しながらも剣を杖替わりにして立ち上がってきたのである。


もう、本当なら立てないほどに重傷なのに満身創痍ながらも最期まで戦おうとする覚悟を身を持って証明していた。


並ならぬ覚悟とその根性を大天使と呼ばれている存在に見事に見せつけられたのである。


それを見ていた大天使が少しばかり驚いた表情を見せながら話をしたのである。



「あらあら、とても意外ですね。貴女はまだレベルが弱いはずなのにエンジェルドラゴンを倒してしまうなんて。本当にアンナちゃんが未熟で良かったわ。もし強くなっていたらもっとかなり苦労をしたと思いますからアンナちゃんはここで大人しく最期を受け入れなさい」



そうしてアンナに向かって巨大な炎がアンナに向かって襲いかかってきたのだけどその瞬間に何者か割り込んでアンナの盾となり炎を防いだのである。


何者なのと聞くとその人物は答えるのだった。



「全くも相手の名前を聞く時は基本的に自分から名乗るものじゃないのか。まあ、答えるけど自分はアクト、どこにでもいる普通の人間だよ。友達が何かと危ない目に遭っていたから割り込んできたけど構わないですよね」

「フッフッフ、それは別に悪いことではないと思うけどね。君は相手をしっかりと確認したほうが良いね、そうでもしないと今から殺されてしまうから来世ではそれをしっかりと学ぶことね」



そう言ってからエンジェルドラゴンがアクトに向かって攻撃をしてきたがアクトは避けるまでもなく受け止めて逆に炎系魔術で仕返しをするのだった。


それでエンジェルドラゴンは一気に焼かれて倒されたのである。これを見た大天使が警戒心を強めてアクトを見ていたのであった。


いくら人間でも強い者は強い事はかつて人間が女神様を信仰していた時に現れた勇者がその証拠でありこの男もその部類に入る存在なのであろうと理解をした。


そうなればエンジェルドラゴンでは少しばかり役者不足であるので仕方がないと思いながら大天使は前に出るのだった。


それにしてもこの場に部下がいないとはいえ私自身が動かないといけなくなるとは思いもしなかった。こう見えて私は女神様から見てもかなり強い大天使であり私よりも強いのは片腕もあれば数えられるほどである。


さて、彼は何をと思っていると先程のアンナちゃんを守る為に強力な結界を張ったみたいね。それと何か会話をしているらしいけど流石にこの距離では聞こえないわね、何を話しをしていたのか後で聞いてみましょう。


こう見えて女神様から選ばれている大天使だからこそ理解しているけどこれはかなり強力な結界であり私でも時間を掛けないと作れない結界をこの男はすぐに作り出した。


少なくてもこの男は私よりも結界を作り出す力は上になる。そうなるとあの結界は簡単に破壊はできないと考えたほうが良い。


油断だけはしないようにしなければと思っていると相手の男は私が思っていた早々よりも速いスピードで攻撃を繰り出してきたのであった。


斬撃ばかりだと思っていたら魔術も発動させてこちらに攻撃をする時間を与えないように波状攻撃をしていた。


ならば私は相手がつかれるのを待って反撃をするだけと考えて飛んで一度は距離を取ろうとしたら相手の男が風魔術を上手く利用してこちらまで飛んできたのである。


ありえないから大天使と呼ばれている私に追いつくほどのスピードを出せる風魔術をあのような人間が繰り出せるわけがない。


私はすぐさまに避けて反撃をするために行動をするのだった。


あの様な飛ぶこともできない人間なんかに負ける道理などはないのだから。私はそのように考えて私に対して歯向かってきた人間を討ち滅ぼす為に迎え撃つ構えをするのであった。

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