第10話、他の者から見たアクトは

私はクルード・ロンザン、魔王様に仕えている男爵の悪魔である。


そんな私は魔王様の命令で魔王様に仕えて有能な人材を育成をしているのだが今年になって私はとても嬉しい事と目障りなことが同時に来てしまったのだ。


まずは嬉しいことから説明を致そう、それは魔人の中でも天才と呼ばれているレオンが私のクラスの担任になったのだ。


それに関してはとても誇らしいと考えている。何故ならば彼の能力はとても素晴らしいとしか言えないほどの天才でそれを教えるとして後々に私自身が有利となる事だろう。


一方、目障りなことは下等生物の分際でこの黄昏学園に入学してきたアクトと言うやつだ。


あいつは人間なのに男爵の子供だからという理由でこの学園に入学してきたのだ。


私は反対をしたが上の意見もあり私のクラスに入る事になった、ならばすぐに無能だと知らしめて退学させてやろうと考えた。


その理由をどうしようと思っていた時にアクトがクロスガーナ家の娘のアンナと決闘をすると聞いたのでこれはチャンスだと言うばかりに私もその決闘を観戦する事にした。


クロスガーナ家は代々伯爵家として魔王様に仕えている名門家でありそれと対峙すればすぐにあの下等生物の化けの皮が剥がれることだろうと私は期待をしてみていた。


しかし、私の前に現れた現実は信じられないものであったのだ。あのクロスガーナ家の娘のアンナがあの下等生物相手に全くもダメージを与えられていないのだ。


その上にあの下等生物は疲れた顔を見せずに余裕で避けていた。その動きはとても入学してきたものとは思えないほどの速さであの速さだけ見れば教師・・・男爵や子爵クラスなら対抗できるほどでありそれを見ていた私は思うのだった。


なるほど接近戦には自信がありそしてそれに見合った動きをしているからこの学園に来れたのだなと理解をした。


しかし、それだけでこの学園に留まるには無能すぎる。攻撃手段を持ち合わせていない事は避けているばかりだからそこはすぐにわかった。


そんな試合が続いているなと思っていたらクロスガーナの娘が疲れ始めてこれは終わったなと諦めていた。


しかし、諦め悪い娘らしく最後まで抵抗しようと攻撃を繰り出したのだけど途中で体制を崩して危ないなと思っていたらあの下等生物が受け止めたのである。


ほうと思っているとどうやら受け止める時にアンナの胸を触ってしかも揉んでしまったらしく下等生物は物凄い一撃を受けて吹き飛ばされた。


それを見て私は笑いながら見ていたがそんなダメージを受けたのにあの下等生物はとても元気そうにして試合を再開した。


その結果は下等生物の格闘技で勝敗が決まりクロスガーナの娘は破れてしまった。全くも名門家の名前が汚れてしまうと感じながらももしあの娘の父である当主が来てしまったらどうしようとも考えていた。


あのアンナのクロスガーナ家の当主はとても冷徹でプライドが高い悪魔でもしあの娘がまた負けたらたとえ実の娘でも容赦はしないのは分かりきっている。


あの娘は大変な道になるなと思いながらもあの下等生物は想像以上に強いと思ったがそれでも目障りなことには変わりはないとしてその方法を変えることにした。


接近戦が得意のであればならば魔術で失敗をさせれば良いと考え直した。


ならば明日は基本的な魔術の事に関して説明をしながらあの下等生物の弱点や失敗を見つけてやるかと私は楽しそうにしながらその日は帰った。


翌朝になり私は得意な炎系魔術を教える面目であの下等生物を陥れる事にした。


そうして授業を始めて説明をしている途中であの下等生物が眠りに付き始めたのである。


でもこれは好機だと言うばかりにならばアクト君には魔術の実験として的になってもらっても構いませんかと言うと下等生物は急に自分の名前を言われたので慌ててはい!と答えてから私はもう一度同じ質問をするのだった。



「アクトくんにはこれからの事で少しばかり手伝いをしてほしいのだけどお願い出来るかな」



そう言うと本人は寝ぼけているのかそれとも寝ていた事に負い目を思っているのか引き受けてくれたので私はならば頼むと言って下等生物を予定の場所に移動をさせた。


そうして私は生徒たちに指示をして一斉に炎系魔術を放った。これで懲りたであろうと私は考えているとあの下等生物は何か納得した顔をして無傷に立っていた。


それを見て私は信じられないと思っていると下等生物が先生は自分が【炎の極意】を持っていることを知っているからこうしたのですよねと聞いてきたので私はもちろんだと返した。


もちろん嘘であるがそれよりもこの下等生物はまさか【炎の極意】を持っていたとは不覚であるがそうやって攻撃を無効できるのは自分よりも弱い炎系魔術のみでありそれ以上の攻撃をすれば何も問題はないのだ。


それからも生徒たちは的になった下等生物に攻撃をしていたのだけど全くもダメージを受けておらずむしろ寝ても良いですかと余裕をしており私は構わないと言ってから寝たことを確認してから私も攻撃に参加をした。


こう見えて男爵の中では強い方なのでダメージを与えることができるはずだと思っていたのに一向にダメージを与えることが出来ずに時間だけが過ぎて行った。


そうして授業も終えようとした時にアンナが水魔術で下等生物を起こしたのである。


あの下等生物はとても良く寝れたと嬉しそうにしていたので私は下等生物の実力を知るためにも一度だけで構わないから放ってみなさいと言うと下等生物はすぐに魔術を発動させて放つのだった。


そしてその威力は正しく桁違いと言うべきなのか炎系魔術では勝てないことを無理矢理教えられた。


その上に忘れていけないのは接近戦ではあの様に避ける事も可能なのである。もし万が一に戦いなどしたら私は負けてしまうかもしれない。


そうなれば私の地位は勿論のこと将来は全て消えてしまう事ぐらいは理解できる。その未来を想像してしまって私は内心で泣き叫ぶのだった。



嫌だー!あの様な下等生物のせいで私の人生を終えたくないぃぃぃぃぃ、お家に帰るぅぅぅぅぅぅぅぅ!!


そんな恐怖な未来を想像していると先生と呼ばれている声が聞こえてきたので気がついてみると近くにあの強過ぎるを下等生物が近くまで来ていたのだ。


私は驚きながら何と聞くと強過ぎる下等生物はどうでしたかと聞いてきたので私は慌てながら答えた。


まあ、人間としてならば出来る方だと答えたけど普通に滅茶苦茶と言うほど強いからな。


少なくても私より強い可能性があるからなと言いたかったけどそんな事をすればプライドが壊せることは確定なので言わないでおくけどさ。


それにしてもあの強さは人間とは思えないほどの大きさで何故あれ程の強さを持っているのか。


もしかして実は悪魔で変装しているだけとかそちらのほうがまだ説明が尽くし納得するのだけどあの者に聞いても自分は普通の人間ですよと答えるだけであった。


何が目的なのか分からないがこれで分かったことはこの者を甘く見たら痛い目に遭うと言うことだけは理解した。


別にこの者に対して特別に優遇するとかはしないが先ほどみたいにすることは避けよう。でもないといつかは取り返しがつかないことになりそうだと直感でそう感じたのだから。


それにしてもこの者の限界はまだ底がわからない、今年の入学生の中で最強と呼ばれているレオンとアクトどちらの方が果たして強いのか。


そして私は勝った方を優遇すれば良い、私は出来る限りに中立を保ちそして勝敗が決まった時に勝った方の味方になれば良いのだからと私はそう考えながら次の授業を始めるのだった。




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