捜09-06 林慮山亭犬・羊炙
○林慮山亭犬
ある時この旅籠に投じ、宿泊した
そこで郅伯夷は蝋燭を持って立ち上がり、うっかり倒してしまったふりをして彼らのひとりの着物を燃やした。そうすると毛の燃える匂いが立ち上った。郅伯夷は懷から刀を取り出してひとりを捕まえ、刺した。はじめその叫び声は人のようであったが、死ぬと犬の姿に戻った。他の犬はみな逃げた。
○羊炙
昇平亭の主人が羊を〆て提供しようとしたが、羊が縄を断ち、逃亡。僧侶の股ぐらに潜り込み、その頭を僧侶の袈裟の中に埋めた。僧侶と言えば殺生を禁じる、が常であったが、特にこの場で羊を助けると言ったこともなく、結局その羊は〆られた。
羊の肉があぶられ、座に出される。昇平亭の主人はその僧侶にも羊の肉を提供した。僧侶がその肉を食べると、あぶり肉が僧侶の皮膚の下で暴れ回り始めた。激烈な痛みに、僧侶がのたうち回る。医者を呼び肉を針で刺したが、肉はそれでもなお暴れ回る。肉を抑え、切り開いてみたが、どこまでもただの肉であった。
僧侶はこの病を得て以後、あぶくを吹きながら羊の鳴き声のようなうめき声を発するようになった。寺に帰還して間もなくし、死亡した。
林慮山亭犬
林慮山下有一亭,人每過此宿者,輒病死。云嘗有十餘人,男女雜沓,衣或白或黃,輒蒲博相戲。時有郅伯夷,宿於此亭,明燭而坐,誦經。至中夜,忽有十餘人來,與伯夷並坐,蒲博。伯夷密以鏡照之,乃是群犬。因執燭起,陽誤以燭燒其衣,作燃毛氣。伯夷懷刀,捉一人刺之,初作人喚,遂死成犬。餘悉走去。
羊炙
顧霈者,吳之豪士也。曾送客於昇平亭。時有一沙門在座,是流俗道人。主人欲殺一羊,羊絕繩便走,來投入此道人膝中,穿頭向袈裟下。道人不能救,即將去殺之。既行炙,主人便先割以啖道人。道人食炙下喉,覺炙行走皮中,毒痛不可忍。呼醫來針之,以數針貫其炙,炙猶動搖。乃破出視之,故是一臠肉耳。道人於此得疾,遂作羊鳴,吐沫。還寺,少時卒。
(捜神後記9-6)
黄色い犬への安定した憎しみ……!
そして後段は、何と言うか、このなまぐさが相当周囲の人間から煙たがられていたくさいのが感ぜられてよいですね。モデルがいそうです。顧霈が毒殺したんじゃないですかね。
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